住友商事/Blue Prism 専任組織を置き、使いやすい製品を選ぶ 成功事例にみる「現場主導のRPA活用」

AIで強化されたデジタルワークフォース

Blue Prism株式会社 マネージング ディレクター 山田 聡氏
Blue Prism株式会社 マネージング ディレクター 山田 聡氏

2001年に英国で創業したBlue Prismによるソフトウエアロボットは、繰り返し作業の自動化を実現するだけでなく、セキュリティ、コンプライアンス、スケーラビリティという重大かつ厳重なIT要件を満たすことを特長としている。このソフトウエアロボットを複数用意することで、デジタルワークフォース(デジタルな働き手)を構成することができる。

またBlue Prismは、アマゾン ウェブ サービス(AWS)、Google Cloud Platform、IBM Watson、Microsoft CognitiveとのAPI統合機能を標準で提供していることで知られている。これら最先端のクラウドプロバイダーによるケイパビリティと、同社のRPAプラットフォームを組み合わせ、様々なAI駆動型ソフトウエアロボットを立ち上げる。これにより、複雑を極めるタスクであっても単一のプラットフォームで自動化し、完了させることができるという。


図1 RPA導入成功の7要素

図1 RPA導入成功の7要素

Blue Prismは、製品・サービス、コンサルティングなど多様な領域で強みを持つパートナーとの協業により、これらを踏まえた顧客の取り組みを支援している

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AIはドラッグ&ドロップ操作で業務プロセスに加えることができるため、同社のデジタルワークフォースでは、AIの導入が容易に行える。自動化やAIが業務環境に組み込まれることが一般的になりつつある昨今、インテリジェントなソフトウエアロボットは働き方改革にも効果を発揮するデジタル戦略の重要な要素になっている。

同社によれば、エンタープライズRPAの導入を成功させる要素は、大きく7項目にまとめることができる(図1)。「業務部門が主導し、IT部門がガバナンスを担うという全社的な連携による取り組みが重要です。これを実践し、成功させた国内企業が住友商事様です」と同社の山田 聡氏は紹介する。


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フローチャート型の開発が現場主導のRPA導入にマッチ

住友商事株式会社 市場取引管理部 部長代理  柏倉 慎太朗氏
住友商事株式会社 市場取引管理部 部長代理  柏倉 慎太朗氏

住友商事は、先進のデジタル技術をビジネスに生かしていくため、全社横断的な検討委員会を設置。ところが、AI、IoT、ビッグデータなどの活用検討を進めるなかでぶつかったのが、それらの技術はあらかじめデータの蓄積がなければ、効果が狙いにくいということだった。

「そこで、まずは社内に数多く存在していたペーパーワークをデジタル化し、データ蓄積を進めることにしました。そのための手段としてRPAを導入することにしたのです」と同社の柏倉 慎太朗氏は明かす。

同社では、各部署が現場主導でRPAを導入。財務関連部署が採用したのがBlue Prismだった。決め手は、欧米の金融機関での採用実績が豊富だったこと。ログ取得機能が充実しており、セキュリティの安心感があったという。「また、フローチャート型で直感的にロボットが開発できる点も重要でした。高度なIT知識が不要で、現場主導型の導入方針と相性が良いと感じました」と柏倉氏は述べる。

その後2カ月をかけた導入フェーズでは、組織体制も整備。財務関連の各部署から最低2名ずつメンバーを選出し、管理職から一般職まで計21名を集めた。「全員、現行業務との兼任ではありますが、この21名がCoEの役目を担って、その後のRPA活用をけん引する体制としたのです」と柏倉氏は語る。

 

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社員の業務改革意識の醸成がRPA導入の最大の成果

同社の財務関連部署がRPA活用を開始したのは2017年。開発したロボットを順次、本番環境に移しながら実業務に適用していった。

また運用フェーズでは、日々の状況を踏まえながら、活用ルールの策定も進めている。「業務品質・内部統制レベルの低下」「不正アクセス」「ロボットの誤作動による業務遅滞」など、想定されるリスク41項目を洗い出し、それらを未然に回避するための運用のあり方をルール化しているという。

現在、住友商事の各財務関連部署で稼働中のロボットは、参照系、入力系、連絡系などを合わせて50台以上。既に財務関連の4部署で年2000時間以上のムダ削減効果がもたらされている。

図2 預金照合業務のRPA化のイメージ

図2 預金照合業務のRPA化のイメージ

自動化で作業時間が大幅に削減されたが、RPAでできること/できないことを見据えて、業務フローを構築できる社員の能力育成こそが最大の効果だという

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「一方、そうした効果を上回るものと感じているのが、社員の間に『業務改革マインド』が醸成されてきたことです」と柏倉氏(図2)。例えば、財務関連業務の1つに、銀行口座の入出金を内部データと突合する「預金照合」がある。この業務は従来、口座への入出金の動きを金融機関からFAXまたは郵送で受け取って確認作業を行っていたという。

ここにRPAを適用するには、まず「FAX」「郵送」というアナログなプロセスを、「銀行のWebサイトからデータを取得する」という方式に変える必要があった。同時に、そのデータをExcelに貼り付けて照合できるよう、スプレッドシートも作り込んだ。「要するに、ロボット化の取り組みが、そのまま業務全体の効率化を考えることになるわけです。常にこの視点を持って働くことで、社員の意識が高まっています」と柏倉氏は強調する。

今回の成功を受け、同社は全社的なRPA活用を展開していく。その際の標準ソリューションもBlue Prismにすることが決定しているという。「さらに、当初の目的であったAIやIoTの活用にも順次取り組んでいく予定です」(柏倉氏)。住友商事のケースは、RPAによってビジネスの可能性を大きく広げた好例といえるだろう。


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お問い合わせ

Blue Prism株式会社
〒105-0001 東京都港区虎ノ門4-3-20 神谷町MTビル14F
営業部
TEL:03-5404-3835 E-mail:jpinfo@blueprism.com