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世界経済最新トレンド/ブリオン・ジャパン 平井政光&ジム・ロジャーズ 対談

世界経済最新トレンド/ブリオン・ジャパン 平井政光&ジム・ロジャーズ 対談

ブリオン・ジャパン平井政光CEO(以下、平井)が元クォンタム・ファンド共同設立者、ジム・ロジャーズ(以下、ロジャーズ)と会うのは二年ぶりのこと。店頭のみだった金の現物取引をオンライン化させた英国ブリオンボールトサービスを日本に紹介し、金のアクセスを容易にした平井。歴史を紐解き、いつの時代も金をはじめとした貴金属の購入を推奨するロジャーズ。そんな二人が世界経済、今のトレンドについて意見を交わした。

ブリオン・ジャパン平井政光CEO(以下、平井)が元クォンタム・ファンド共同設立者、ジム・ロジャーズ(以下、ロジャーズ)と会うのは二年ぶりのこと。店頭のみだった金の現物取引をオンライン化させた英国ブリオンボールトサービスを日本に紹介し、金のアクセスを容易にした平井。歴史を紐解き、いつの時代も金をはじめとした貴金属の購入を推奨するロジャーズ。そんな二人が世界経済、今のトレンドについて意見を交わした。

平井:2年前もお話を聞いたなかで、当時ですら金融緩和政策による各国の通貨安誘導、そして株高の傾向が見られました。その傾向は今も継続していて、各国の株高は目を見張るものがあります。

ロジャーズ:米国金利がわずかに上昇したとはいうものの世界的に見て、各国の中央銀行は未だに金融緩和政策を継続させているのが現状です。このトレンドが続くかぎり、株高はしばらく維持されるのでしょう。日本の将来にとって良い政策だとは思えませんが、おかげさまで日本の株高によって儲けさせてもらっています。そのほか、中国やロシアの株式も所有していますよ。

平井:我々が取り扱っている金は“安全資産”という性格が強く、株価が安いときに買われるものだとされてきました。にもかかわらず、金の価格も上昇しています。このセオリーにそぐわない動きはどうお考えですか?

ロジャーズ:たしかに金価格も上昇はしていますが、株価ほどの上昇率ではありません。平井さんが仰るセオリーは、いつの時代でも通用するものです。投資家は不安になれば金を購入するものです。これは歴史が証明しており、歴史は繰り返すものなのです。私は人生において金を購入したことはあっても、売却したことはありません。

ジム・ロジャーズ

ジム・ロジャーズ

平井:2年前、お話をうかがった際、金相場は高すぎると仰っていましたが、その時と比べてさらに上昇した現在の相場をどうご覧になっていますか?

ロジャーズ:2年前の相場も今も、私にとっては高く感じます。だから、しばらく購入は手控えています。でも金価格はもっと上昇しそうな雰囲気が漂っています。金相場がバブルにならないことを願っていますが、もしバブルになったら金を売却して、相場が落ち着いた頃に買いを入れますね。私は様々なバブルを見てきましたが、金のバブルは見たことがないです。80年台に金相場の激しい上昇があったので、売りポジションを持ったことはありますよ。振り返ってみたら、あれがバブルだったのかもしれませんが・・・。

平井:投資家としてターゲットプライスを明かすことはできないでしょうが、金相場の“目安”のようなものはお持ちでしょうか?

ロジャーズ:高値で売り、安値で買う、という鉄則はどんな投資にも当てはまることです。相場を見ながら決める、というのが無難な答えになると思います。もし、アメリカが戦争すれは1500ドル/1オンスでも買いますし、個人的な希望を言えば950ドル/オンスくらいで金を購入させてもらいたいものです。金相場の見通しは、ブリオン・ジャパンに聞くのがベストでは?

平井政光

平井政光

平井:現在、日本ではビットコインをはじめとした仮想通貨への投資が話題を呼んでいることをご存知ですか?

ロジャーズ:日本だけでなく、世界中で仮想通貨が話題になっていますよね。私にチャートを見せたら“バブル”だと明言しますし、クレージーだとも言いたくなります。特にビットコインが登場して間もない頃、誰かが私にプレゼントしてくれたことは記憶しています。きっと、今では結構な価値を持つのでしょうが、どこにあるのか分かりません。そんなことはさておき、インターネットが世界に大変革をもたらしているのは事実です。インターネット上で仮想通貨のやりとりが出来て、手数料が既存の銀行よりも遥かに安かったら普及するのは当然です。実は国家にとっても、現金をなくすメリットはあります。現金を発行、流通させるコストを削減できますし、インターネット上ですべての国民の残高を管理できるのですから。まだ十分な規制はできていませんが、どういう形で関わるのか世界各国で模索しているはずです。仮想通貨を生み出した人のほうが官僚や政治家よりも頭脳明快なことは理解していますが、最終的に権力には勝てない、という事実は忘れてはなりません。

対談

平井:仮想通貨には手を出していない、ということですか?

ロジャーズ:仮想通貨に参画しないか、というお声がけは9年前くらいに頂戴したことがあります。参画していなかったことに若干の後悔はありますよ。インターネットの発展が世界のあらゆることに変革をもたらすことはわかっていました。でも、やっぱり疑い深いんでしょうね、私自身が。完全に理解しているもの以外、手を出すと失敗する、というのが私の持論です。平井さんのご質問に答えるなら、仮想通貨ヘッジファンドを立ち上げた友人に頼まれアドバイザーは引き受けていますよ。ただし、正式タイトルは“懐疑的アドバイザー”となっています。

平井:私自身、インターネットの普及、発展に付随する形で金現物のオンライン取引サービスに携わることができました。仮想通貨もいずれはインターネットの発展が生み出した新しい“プロダクト”として認知、普及するのかもしれませんね。“当たり前”のモノとなったインターネットですが、これからも我々の社会に大変革をもたらすのかと思うとわくわくします。今日はお忙しいなか、ありがとうございました。

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