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世界経済最新トレンド/ブリオン・ジャパン 平井政光&ジム・ロジャーズ 対談

世界経済最新トレンド/ブリオン・ジャパン 平井政光&ジム・ロジャーズ 対談

ブリオン・ジャパン平井政光CEO(以下、平井)が元クォンタム・ファンド共同設立者、ジム・ロジャーズ(以下、ロジャーズ)と会うのは二年ぶりのこと。店頭のみだった金の現物取引をオンライン化させた英国ブリオンボールトサービスを日本に紹介し、金のアクセスを容易にした平井。歴史を紐解き、いつの時代も金をはじめとした貴金属の購入を推奨するロジャーズ。そんな二人が世界経済、今のトレンドについて意見を交わした。

ブリオン・ジャパン平井政光CEO(以下、平井)が元クォンタム・ファンド共同設立者、ジム・ロジャーズ(以下、ロジャーズ)と会うのは二年ぶりのこと。店頭のみだった金の現物取引をオンライン化させた英国ブリオンボールトサービスを日本に紹介し、金のアクセスを容易にした平井。歴史を紐解き、いつの時代も金をはじめとした貴金属の購入を推奨するロジャーズ。そんな二人が世界経済、今のトレンドについて意見を交わした。

平井:ジムさんは、初めてインターネットに触れた際、どのような思いを抱かれたんですか?私が初めて触れた時は、まだまだ通信速度が遅くて、今のような普及や発展をするとは思いませんでした。

ロジャーズ:1989年くらいに「インターネット」という言葉を聞いて、実際に触れたのは1990年代初頭ですね。当時もよく分からなかったし、今でもよく分かっていませんが、世界に繋がることは実感しています。そして、我々が知っている全てを変える、と直感で感じました。御社の金現物取引だって、一昔前では考えられなかったサービスです。そういう意味で、まだまだ我々は変革の道半ばに居ると思います。

平井:インターネットにそこまで衝撃なり感動を覚えたのであれば、やはりインターネット関連株には投資なさったんですか?

ロジャーズ:私は自分で理解できるモノ以外に投資すると失敗する、という信条を持っています。インターネット関連企業が含まれているETFは購入していますけど、さほど関わっているわけでもないですね。ついでに言うと、初めてインターネットに触れて感動したのに、本格的なバブルは1999年くらいにやってきました。気づくタイミングが早すぎて、いざ株を買おうと思った頃にはバブルに突入していました。

ジム・ロジャーズ

平井:ジムさんのような著名な投資家が、タイミングを逃すなんてにわかに信じられません・・・。あの頃のインターネットバブルといえば、クリーニングを手がける企業が社名に「インターネット」を入れて株価が上がったと聞いたことがあります。

ロジャーズ:正直、いつも投資のタイミングを逃しています。投資は本当に難しいものです。名前を変えるだけで株価上昇につながるなんて、まさにバブルの象徴です。最近はまったく無関係なのに「ブロックチェーン」と社名に追加するところもあるようで笑い話になっていますね。

平井:せっかくブロックチェーン技術が金融界に新たな風をもたらす雰囲気なのに、もったいない事象だと思います。

ロジャーズ:でも、この手の“便乗”行為が流行るのは、成長の余地が著しいケースに多いんです。だから、ブロックチェーン技術はさらなる進化、活用が見出される可能性が高い、とも予想できます。

平井:弊社でも現物の金のオンライン取引に加え、ブロックチェーン技術を用いることで新しいサービスを提供できないか模索しています。まだリサーチ段階なので、詳しくは言えませんが金の取引においてブロックチェーン技術のひとつである、スマートコントラクトを導入できないか検証しているところです。

平井政光

ロジャーズ:ほう、面白そうですね。ご存知のとおり、私はいつの時代でも、どんなバブル期においても、金をアセットのポートフォーリオに組み込むべきだ、と主張しています。諸説あるとは思いますが、金にはいつも価値が見出される、ということは歴史を振り返れば明白です。その金を取引するにあたって、御社のようなイノベーションが出てくるのは、素晴らしいことですね。

平井:個人的には今、流行りの仮想通貨に何らかのカタチで金の担保価値を与えることができないか、とも考えています。実現できるかどうかは分かりませんが、チャレンジしてみたい分野のひとつではあります。

ロジャーズ:中国におけるキャッシュレス社会には興味を持っています。あれは仮想通貨ではありませんが、スマートフォン活用したイノベーションで面白いですよね。実際、現金を排除することは、政府にもメリットがあります。紙幣の印刷、貨幣の製造、流通、管理などのコスト削減は大きいですよ。それを仮想通貨が担うのか、ほかの新しい何かが出てくるのかは、まだ分かりませんけどね。

対談

平井:昨年の秋に見られた、仮想通貨相場の急上昇には大きな修正が入るでしょうから、やがて「仮想通貨」という言葉に世間がアレルギー反応を見せるかもしれませんね。

ロジャーズ:かつてインターネットバブルが弾けた際、インターネット関連企業は社名から「インターネット」という言葉を抜いたことが思い出されます。それでも、インターネット関連企業は目覚ましい発展を続けています。同様に、仮想通貨関連企業もこれからの産業として定着していくでしょうね、紆余曲折は予想されますけど。面白いもので、どんなものでも価格上昇時に世間は注目し始め、こぞって投資をするものです。そして、価格下落時に世間はこぞって投資資金を回収しようと売り急ぎます。まぁ、言葉にするのは簡単なのですが、価格下落時こそ、投資のチャンスと捉えるべきです。

平井:価格下落時が投資のチャンス、と頭では理解できても、世間のムードに流されないようにする、というのは大変なことですよね。まさにジムさんが仰っしゃる「タイミング」の重みを感じます。今日はお忙しいなか、ありがとうございました。

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