デジタル革新を生み 未来を紡ぐ人材育成:FUJITSU Digital Business Collegeの全貌

デジタル時代に求められる人材とは?企業はその人材をどうしたら育成できるのか?

デジタル技術の進化に伴い、デジタルビジネスへのシフトが加速している。これからはあらゆる企業が、デジタル革新に向けた取り組みを行う必要がある。そのために欠かせないのが、デジタル技術でイノベーションを生み出せる人材の存在だ。単にICT技術者を確保・育成するだけではなく、部門長クラスの意思決定者も、デジタル革新の本質を理解しなければならない。このようなニーズに対応するため開講したのが「FUJITSU Digital Business College」だ。開講の意義とは何か?そしてどういう教育が行なわれているのかを見ていこう。

紺野 登氏
FUJITSU Digital Business College 監修委員長
多摩大学大学院教授 KIRO (Knowledge Innovation Research Office)代表

PROFILE

早稲田大学理工学部(現・理工学術院創造理工学部)建築学科卒業。博士(経営情報学)。慶應義塾大学大学院システムデザイン・ マネジメント研究科(SDM)特別招聘教授、京都工芸繊維大学新世代オフィス研究センター(NEO)特任教授。東京大学i.schoolエグゼクティブ・フェロー。一般社団法人 Japan Innovation Network 代表理事、一般社団法人FCAJ(Future Center Alliance Japan) 代表理事。著書に『ビジネスのためのデザイン思考』『利益や売上げばかり考える人は、なぜ失敗してしまうのか(目的工学)』『知識デザイン企業』など、野中郁次郎氏との共著に『美徳の経営』『知識創造の方法論』『知識創造経営のプリンシプル』などがある。

「VUCAワールド」で重要になるイノベーション人材
これを育成するための教育コースをスタート

人工知能やIoT等の先端技術によって、急速な勢いで進化を続けるデジタル技術。これらはICTの世界にとどまらず、ビジネスのあり方や社会生活にも大きな影響を与えるようになってきた。近年広がりを見せているシェアリングエコノミーや、デジタル技術と金融を融合したFintechなどは、その代表例だといえる。

これからはあらゆる企業が、このようなデジタル革新に向けた取り組みを余儀なくされるだろう。自ら変革しなければ、新たな経済の波に乗ることは困難だからだ。そのためにはデジタル技術を活用した新規事業を立案し、それを遂行できる人材が求められる。

「イノベーションのための人材育成は世界的に見ても、ビジネス現場での喫緊の課題になっています」。このように語るのは、多摩大学大学院教授の紺野 登氏だ。従来はまず本業が存在し、イノベーションはその周辺にあるものだったが、現在ではイノベーションこそが企業活動の「ど真ん中」に置かれるようになっているのだという。その背景にあるのは多くの既存ビジネスの成長の限界だ。さらにデジタル技術の飛躍的な進歩に伴い、新たなビジネスモデルが続々と登場するようになった。そして今後市場環境がどうなっていくのかを、過去のデータから予測することが難しくなっている。思わぬところから競合が登場し、市場をまるごと奪われるケースも少なくない。そのため最近では、中期計画を立てない企業も登場しているという。

「1990年代に冷戦が終結した後、米軍では『VUCA(ブカ)』という言葉が使われるようになりました」と紺野氏。これはVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べたものであり、1990年代以降に増えたテロとの戦いの時代を表す言葉となったという。それまでの戦争は国と国との戦いであり、参謀本部が戦略や戦術を立案し、それを現場の実行部隊が遂行するというのが一般的な形だった。しかしテロとの戦いは突発的で予測が難しく、急速に変化し続ける状況に臨機応変に対応しなければならない。これがVUCAの意味するところなのだと説明する。「そしてこの言葉は2010年代に入ってから、ビジネスの世界でも使われるようになりました。まさに世界はVUCAワールドになってしまったのです」。

このようなVUCAワールドでは、教育のあり方も変化しなければならないと紺野氏。このようなニーズに対応するため、富士通と富士通ラーニングメディアが設立したのが「FUJITSU Digital Business College(以下、本カレッジ)」だ。2017年3月に第一期申し込みを行い、昨年7月12日に開講。すでに終了した第一期の受講者からは、高い評価を受けているという。