IoT新時代 先進事例から勝機を掴め

顔認証の現在地 - NEC:後編

IoT活用のカギを握る「データ流通ビジネス」と
顔認証技術を生かす高速化技術の現在地

IoTによって得られる情報を有効活用するために欠かせないのが、業界を横断した形でデータ活用できる仕組みづくりと言われている。総務省や経済産業省でも「データ流通ビジネス」に関する動きが活発化しており、産学官を上げて議論が進められている状況にある。このデータ流通ビジネスの動向についてみていきながら、高度な顔認証技術と映像分析基盤を持つNECの取り組みとともに、求められる環境整備における課題とその解決へのアプローチについて紹介しよう。

センシングデータを生かす
業界横断型のデータ流通ビジネス

センシングデータを生かす業界横断型のデータ流通ビジネス

日本電気株式会社
デジタルプラットフォーム事業部 事業部長
門井 忠茂 氏

IoTからもたらされる各種情報を有効活用するためには、業界を横断したデータ流通の仕組みづくりが重要になってくるが、業界の垣根を超えた協調はまだ十分とは言えない状況にあるのが実態だろう。「得られた情報の中にはプライバシー侵害にあたるものや生活者が望まない形でのデータ利用の可能性も考えられるため、データを流通させることに対して慎重になる必要があります」とデジタルプラットフォーム事業部 事業部長 門井 忠茂氏は言及する。しかし、IoTやビッグデータ、AIなどコアテクノロジーを駆使することで新たな価値を創造する第4次産業革命を実現するためには、業界に閉じない情報の利活用を可能にするためのデータ流通の仕組みづくりが重要になる。

そこで産学官が参画・連携し、IoT推進に関する技術の開発・実証や新たなビジネスモデルの創出推進するための体制を構築することを目的に、総務省や経済産業省などが後押しする形で「IoT推進コンソーシアム」が2015年10月に設立された。IoT推進コンソーシアムでは、技術開発WG(スマートIoT推進フォーラム)や先進的モデル事業推進WG(IoT推進ラボ)をはじめ、専門WGとしてIoTセキュリティWG、そしてデータ流通促進WGが設置されている。このデータ流通促進WGにて、データ流通の在り方に関する議論が進められている状況だ。さらに、データ流通促進WGにおけるサブWGとして設置されているのが、データ流通を促進するためのデータ流通ハブの役割、機能、ルールなどについて検討する「データ連携SWG」、そして屋内外に設置されたカメラで取得された映像の利活用に向けたルールづくりについて検討する「カメラ画像利活用SWG」だ。

このカメラ画像利活用SWGでは、2018年3月20日に「カメラ画像利活用ガイドブックver2.0」を公開するなど、指針づくりに向けた活動を積極的に展開しており、高度な顔認証技術を有するNECもこの活動に参加している。特に画像・映像データは、個人情報保護法をはじめとする法規制はもちろん、プライバシー保護の観点まで含めて、事業者が配慮すべき項目が多岐にわたっており、データの取り扱いについての厳格なガイドラインづくりが欠かせない。具体的には、事前告知や取得時、取得後の取り扱い、管理における配慮まで、詳細に議論が進められており、収集されたデータに対する取り扱いには細心の注意を払う必要があるのは言うまでもない。

高度な顔認識AIエンジンを生かすための
アクセラレーターが重要に

高度な顔認識AIエンジンを生かすためのアクセラレーターが重要に

画像・映像データの取り扱いに対する指針づくりが進む一方で、そのデータをプライバシーに配慮した形でいかに収集するのか、技術的なアプローチも重要になってくる。特に4Kカメラなど高精細な映像が取得できるカメラが増えたことで、処理するデータも以前に比べて大容量化している。「取得した大容量データのすべてをクラウド側で処理しようとするとネットワークの負荷が大きいだけでなく、本来秘匿すべき情報もすべてクラウド側にあげてしまうと、情報漏えいのリスクも懸念されます。得られた情報を有効活用するためにも、秘匿処理をはじめリアルタイムに各種処理できる仕組みが必要です」と門井氏。だからこそ重要になるのが、クラウド側とエッジ側で分散協調する環境づくりだろう。得られた映像をエッジの部分でプライバシーに配慮した形でいかに秘匿、または匿名化できるか、特徴量データのもとになる目や鼻といった特徴点をいかにエッジ部分で高速に抽出できるかどうかが、環境作りを進めるうえでの大事なポイントとなってくる。

このクラウドおよびエッジでの処理において重要な役割を果たすのが、アクセラレーターの存在だ。顔認証AIエンジン「NeoFace」を提供しているNECでは、処理の高速化を手助けするためのアクセラレーターとして「FPGA Accelerator」を開発し、リアルタイムに映像分析が可能な仕組みを提供している。このFPGA Acceleratorを組み込んだXeonプロセッサーのサーバであれば、GPUを利用する場合に比べて2倍以上の処理能力を発揮するだけでなく、エッジ側で利用する際にも最小限の消費電力で処理できるような環境が整備できる。「サーバのように大きな電源が確保できないエッジだからこそ、最小限の消費電力で高い処理能力が求められます」と門井氏。

なお映像分析基盤構築の面では、高度な顔認証技術を誇るNeoFaceを動かすプラットフォームとしてのXeonプロセッサーはもちろん、高速な処理を可能にするアクセラレーションもワンストップで提供できるパートナーとしてインテルを選択、画像・映像データの処理を高速化するための環境づくりにインテルが大きな役割を担っている状況にある。

映像分析基盤「NEC Enhanced Video Analytics」が
IoTビジネスを強力に推進

映像分析基盤「NEC Enhanced Video Analytics」がIoTビジネスを強力に推進

顔認証技術をコアテクノロジーとしてビジネスを展開しているNECでは、カメラから得られた画像・映像データを多角的に分析可能な機能を備えた環境を整備しており、用途やニーズに応じた柔軟な活用が可能なソリューションとして提供している。それが映像分析基盤となるNEC Enhanced Video Analytics、略して「NEC EVA」と呼ばれる基盤だ。「リアルタイムな顔認証が可能なNeoFace Watchは、あくまで顔の情報をもとに認証を高速、かつリアルタイムに行うソフトウェアです。それだけでなく、顔照合や人数、混雑度、年齢/性別推定、顔検索など、多様な映像機能群(エンジン)を備えたものであり、これら複数のエンジンを組み合わせ、動かすことでさまざまな価値が提供できるようになっています」と門井氏は力説する。

顔認証技術をコアテクノロジーとしてビジネスを展開しているNECでは、カメラから得られた画像・映像データを多角的に分析可能な機能を備えた環境を整備しており、用途やニーズに応じた柔軟な活用が可能なソリューションとして提供している。それが映像分析基盤となるNEC Enhanced Video Analytics、略して「NEC EVA」と呼ばれる基盤だ。「リアルタイムな顔認証が可能なNeoFace Watchは、あくまで顔の情報をもとに認証を高速、かつリアルタイムに行うソフトウェアです。それだけでなく、顔照合や人数、混雑度、年齢/性別推定、顔検索など、多様な映像機能群(エンジン)を備えたものであり、これら複数のエンジンを組み合わせ、動かすことでさまざまな価値が提供できるようになっています」と門井氏は力説する。

具体的には、顔認証や年齢/性別推定のエンジンを利用して顔パスで買い物できるような仕組みを構築することや、時空間プロファイルによって過去同じ場所を訪れたことのある人物を特定し、異常行動検出エンジンで怪しい動きがないか検知する安心・安全の分野での活用など、ニーズによってNEC映像分析基盤が提供する価値はさまざまだ。デジタルサイネージを設置する公共施設や店舗における購買行動分析や動線解析、ホテルにおけるロイヤリティ向上、病院における行動監視といった、画像・映像分析技術がもたらす新たな価値は計り知れない。

これらクラウドおよびエッジの領域に、NeoFaceが持つ高度な映像分析技術をより高速に処理するのに役立つアクセラレーターが用意されている。それが、「NEC FPGA Accelerator ファミリー」だ。この環境づくりのパートナーとして選ばれたのが、高速処理に適したプロセッサーをクラウドおよびエッジに提供可能な環境を持つインテルだ。「Xeonのようなプロセッシングの力とFPGAなどのテクノロジー含め、トータルでソリューションを持っているのがインテルの強み。拡販にも協力いただいており、基盤づくりについても手厚くサポートいただけています。今後も重要なパートナーとしてビジネスを一緒に進めていきたい」と門井氏は評価する。

さまざまな価値提供が期待されるNEC EVAを中心に、
高速処理のためのアクセラレーターが用意されている

安心・安全の分野から始まった、画像・映像データのビジネス活用は、今ではおもてなしを中心としたカスタマーエンゲージメント向上のための分野に広がりつつある。画像・映像に限らず、IoTによって獲得した情報によってもたらされる新たな価値は、今後もさまざまな形で生み出されることになる。その最前線を走るNECの今後に、ぜひ注目いただきたい。

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