日経ビジネスONLINE SPECIAL

vol.1 Report 2017年12月12日(火)開催 働き方・生産性改革シンポジウム ~人生100年時代の人材戦略~ 人生100年時代にむけた真の働き方改革

会場風景

人口減少による労働力不足が深刻化するわが国にとって今後不可欠なのが「生産性の向上」。
日本生産性本部は、「生産性」を軸に、経済社会の様々な分野において、
一層積極的に問題提起を行うこととなった。その第一弾のテーマに選ばれたのが「真の働き方改革」。
長時間労働の議論に終始しない、「生産性向上につながる真の働き方改革とは何か」に迫る実践のための議論が交わされた。

開会挨拶・来賓挨拶 人生100年時代を見据えた生産性改革とは

茂木 友三郎氏

茂木 友三郎
公益財団法人日本生産性本部会長
キッコーマン株式会社
取締役名誉会長 取締役会議長

「人口減少による労働力不足が深刻化している中、わが国の未来は生産性向上を実現できるかどうかにかかっている。これからの人生100年時代を見据え、今こそ生き方・働き方・学び方を見直していく必要がある」と開会の辞を述べた、日本生産性本部会長の茂木友三郎氏。

 政府が生産性革命集中投資期間として位置づけている2020年度までの間こそ、官民が一体となって日本の生産性向上に取り組むべき正念場であると説く。

茂木 敏充氏

茂木 敏充
経済再生担当大臣

 続いて登壇した経済再生担当大臣 茂木敏充氏は、5年間のアベノミクスによって日本経済が大きな改善を見せていると強調した一方、「日本経済の最大の課題は供給力。サプライサイドの改革による潜在成長率の引き上げにある」と強調。現状は“体質が改善して大きくなった身体”であり、次のステップは“ジャンプをするための筋力をつけるべき状態”だと評しながら、人づくり革命・生産性革命こそ、日本経済の筋力アップにつながるという考えを示した。

「100年以上の人生となれば、仮に大学を22歳で卒業、65歳まで働いたとして、その後の老後生活は、これまでの勤労期間とほとんど変わらない。こうした超長寿社会を迎える日本では、これまでの単線型ではない人生設計を可能とし、成長率を高めていくことが必要だ」と、高等教育の無償化や社会人のリカレント教育充実の重要性を説いた。

パネルディスカッション1 働き方改革を契機に抜本的なビジネスモデルの改革を

伊藤 禎則氏、柳川 範之氏、金丸 恭文氏、山田 久氏
(写真左から)

金丸 恭文
フューチャー株式会社
代表取締役会長兼社長
グループCEO

柳川 範之
東京大学大学院
経済学研究科教授


山田 久
株式会社日本総合研究所
理事

伊藤 禎則
経済産業省
産業人材政策室参事官

 まず、「企業として取り組むべき働き方改革と生産性改革」と題し、パネルディスカッションが行われた。

 フューチャーの金丸恭文氏は、「価格.comを見れば、家電の価格が発売から半年後には50%も下落することが分かる。これはメーカーの希望小売価格と実質的な市場価格の間に、大きな差があることを意味している。働き方改革だけでこの差は埋まらない。企業は、景気のいい今こそ、抜本的な“ビジネスモデル改革=稼ぎ方改革”をすべきではないか」と問題を提起した。

 一方、東京大学大学院の柳川範之氏は「働き方改革を生産性改革にどう結びつけるかというロジックで考えられることが多いが、そもそも本質的な順番は逆ではないか」と切り出す。「世の中が変化して、生産性革命を起こさなければ、企業は生き残れなくなった。だからこそ、稼ぐ力を高めるための働き方改革が不可欠なのだ」と、経営全体の見直しの必然性を訴えた。

 続いて経済産業省の伊藤禎則氏は「労働基準法が変わり、労働時間に罰則付きの上限規制が導入される。だが、本質的な命題は、長時間労働の是正ではなく、経営改革による生産性向上である」と働き方改革実現会議での取り組みから改革の真意を説いた。

 モデレーターを務めた日本総合研究所の山田久氏は「御三方の話を通じて、働き方改革はビジネスモデル改革そのものであることが分かった」と締めくくった。

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