2017年8月から9か月連続で前年の販売数量を上回るなど、2017年9月のリニューアル後、キリンビール「一番搾り」が絶好調だ。特に缶においては、2018年1月~4月の期間において前年比約123%と大幅増となっている。

日経BP総研 上席研究員として常に世の中のトレンドを分析、研究している品田英雄が注目するのは、この好調の理由と「一番搾り」の次なる一手だ。今回は、2018年6月5日から、期間限定で発売される「一番搾り 超芳醇」のおいしさを、品田がいち早く体験。その新たな魅力を語るとともに、「一番搾り」ヒットの背景と今後の可能性を読み解く。

日経BP総研 上席研究員
品田 英雄

1980年学習院大卒業。放送局を経て、1987年日経BP入社。記者としてエンタテインメント産業を担当する。1997年『日経エンタテインメント!』創刊編集長、ヒット雑誌に育てる。デジタルハリウッド大学大学院客員教授(ヒットコンテンツ事例研究)も務める。

ユーザーの心をがっちりつかむ「一番搾り」の 新たな一手は限定醸造「一番搾り 超芳醇」

2017年9月にリニューアル後、絶好調が続くキリンビールの「一番搾り」。消費者の心をとらえる理由の一つは、間違いなくおいしいこと。

消費者の舌は年々厳しくなっていますから、一度は試してみたとしても、本当においしさを感じないとリピートには至らない。これだけの売り上げを実現できるのは、消費者の舌が評価した結果だと思います。

人気を確立した「一番搾り」が、次の一手として仕掛けるのは、2018年6月5日から期間限定で発売される「一番搾り 超芳醇」です。

6月は、夏に向かって気分が盛り上がり、ビールが飲みたくなる季節です。発売されるのが、「父の日」の少し前ということにも注目しました。父の日のプレゼントにしたり、家族で一緒に飲んだり、そんなタイミングでビールを飲む楽しさが、さらに広がっていきそうです。

缶のデザインも、ゴールドのカラーグラデーションは、新しくインパクトがあると同時に、繊細で品質の良さが漂います。この色から芳醇な味わいを連想できますね。缶に添えられた「限定醸造」という言葉から、選りすぐった上質な素材でていねいに、かつ「今しか楽しめない特別な一番搾り」であることが伝わり、ますます期待が高まりますね。

濃厚な麦のうまみを強く感じながらも飲み進めるごとに“すっきり”が際立つ

今回、読者の皆さんよりも、ひと足お先に「一番搾り 超芳醇」を試飲させていただきました。「一番搾り」と「一番搾り 超芳醇」を飲み比べた感想としては・・・正直言って甲乙つけがたい(笑)どちらも、とてもおいしいです。

ただ、いわゆる正統派の“ビールらしさ”が際立つ「一番搾り」に対して、「一番搾り 超芳醇」は、ワインで言うところの“ボディ”や厚みを感じる味わいですね。味の濃さを感じるので、麦のうまみをより強く感じられます。飲んだ後には、その濃さがくどい感じで残らず、すっきりとした後味となるため、続けて飲みたくなる。それが不思議なところです。

キャッチフレーズの「濃いのにすっきり」は上手い表現だなと思いました。「一番搾り」の持ち味である、調和のとれた、すっきりとした上品なうまみが踏襲されているからこそ、「濃い」と「すっきり」が両立した、新しい魅力が生まれたのでしょう。

ビール単体でのおいしさはもちろん、毎日の食卓にどんなかたちでも馴染みますね。「一番搾り 超芳醇」が発売される6月は父の日もあります。今が旬のカツオのたたきや、さっと茹でたトウモロコシなどのあっさりとしたものから、父の日におすすめのひと手間加えた家庭料理としてローストビーフ等とともに、家族みんなで「一番搾り」を味わうのは楽しいでしょうね。「一番搾り」との相性も抜群に良いですしね。

「一番搾り製法」ならではの魅力は時代が求める“おいしさ”の基準に

「濃い」と「すっきり」は、普通ならば相反する感覚です。それが、「一番搾り 超芳醇」の最大の魅力として両立しているのは、キリン独自の「一番搾り製法」がベースにあるからこそ。一般的に、濃い味のビールをつくると、うまみだけでなく渋みや雑味も増すものですが、「一番搾り製法」により、麦のうまみを増やしながらも、渋みや雑味を抑制できるからです。

最初にも少し触れましたが、世の中全体の傾向として、「上質な素材選びにこだわり、丁寧につくる」ことが重要視されています。上質な素材から抽出される研ぎ澄まされた味わいが評価されている、という点では「一番だし」や「エクストラ・ヴァージンオイル」などとも共通項がありますね。特に、ここ2、3年は「素材にこだわった分だけ」「手間をかけた分だけ」おいしくなる、ということを、我々は経験とともに知る時代となりました。

麦のおいしいところだけを贅沢に使用し、酸味や甘い香りを抑制した調和のとれた味わいを実現する「一番搾り製法」が、おいしいビールを求める消費者に支持され続けているのも納得です。

「ビールが大好きなお客様に一番おいしいビールをお届けしたい」そんな、開発者たちの想いが、今後も新たなおいしさを提供してくれるでしょう。進化し続ける「一番搾り」からは、さらに目が離せません!