ビジネスロジックを駆使し次世代の競争を制する

AI(人工知能)やビッグデータ、IoTなど、テクノロジーの破壊的進化はビジネスのあり方を根幹から変えつつあり、その変化は今後、より速度を増しつつ、社会の隅々にまで浸透が進む。こうした中、自社の差別化要因として重要となるのが「ビジネスロジック」という考え方だ。

KPMG FAS 執行役員 パートナー ディールアドバイザリー 伊藤 久博 氏
KPMG FAS
執行役員 パートナー
ディールアドバイザリー
伊藤 久博

ビジネスロジックにより戦略を確実に実行

情報システムや先進テクノロジーのコモディティ化が進みつつある。その巨額投資が差別化要因であった時代が、終焉を迎えようとしている現在、新たな差別化要因として注目されるのが、企業が競争に勝つための「からくり/考え方」、すなわち「ビジネスロジック」だ。この概念を活用して、M&Aの支援や戦略コンサルティングに取り組むKPMG FASの伊藤久博氏は、次のように語る。

「ビジネスロジックとは差別化のツールであり、しっかりしたロジックがあれば、トップ企業でなくとも市場で勝ち残ることは十分に可能です。事業環境が混迷を深める中、ビジネスの成否は、有効なロジックを立てられるかどうかにかかっています。デジタル化の波に翻弄されないためにも、確固たるビジネスロジックを構築することが重要です」


 では、ビジネスロジックとは、具体的には何を意味するのか。


 企業は競争優位を確立するために「戦略」を策定し、それに基づいて「ビジネスモデル」、すなわち収益を生み出すための仕組みを構築する。だが、ビジネスモデルを実現するためには、経営者は内部環境に目を向け、組織体制や人材、プロセス、テクノロジー等の自社独自の経営資源を最大限に活用し、勝てるバリューチェーンのための「ビジネスロジック」を作り上げる必要がある。


 例えば、高級市場向けのビジネスモデルと、マス市場向けのものとでは、ビジネスロジックも大きく異なる。仮に、マス市場攻略の鍵となる大手小売りチェーン/B2C企業と取引した場合、極めて短時間に商品搬入を完了することなどが重要な差別化要件となる。それを実現するためには、材料仕入から生産・出荷・配送に至るまで、全てのプロセスを最適化し、既定の搬入時間を厳守するためのビジネスロジックを組み立てなければならない。


 「重要なのは、その会社が勝つために必要なバリュードライバーを明確にすることです。『既定の時間内に商品を搬入する』ことが最優先事項であれば、それを支えるビジネスロジックをしっかりと組み立てないといけません。その上で、もし実行が難しければ、戦略やビジネスモデルを見直す相互フィードバックも必要です。このようにビジネスロジックには、曖昧な部分を明確にし、実行に際し適切な判断を下すことを可能にします」


 ビジネスロジックは、M&Aや事業再生といった経営上の意思決定においても重要な判断基準の1つとなる。


 「例えばM&Aは、収益規模やビジネスモデルを見て買収先を決めるのが伝統的なやり方です。しかし、企業には、創業以来培われてきた特性やDNAがあります。それらの早い段階での見極めが、買収のシナジー効果の創出には重要です。海外企業の買収では、わずか数時間の面談で業務についての情報を把握しなければならないケースがあります。必要な情報を効率よく入手するため、私たちは企業内部に存在するビジネスロジックに注目したヒアリングを行っています」


 この場合、在庫を月次更新している会社を買収してeコマースを行うことになれば、業務プロセスや情報システムの抜本的見直しが必要となり、M&A後に莫大なコストが発生してしまう。これではシナジー効果の発現による価値創造は難しくなる。


 このように、たとえ成長分野への投資であっても、ビジネスロジックのマッチングを行わなければ、M&Aで海外企業と互角に戦えるだけの競争力を獲得することは難しい。このためKPMG FASでは、経験豊かなプロフェッショナルが仮説を立て、検証しながら、買収対象先としての適合性判断を行っている。

“勝ちのロジック”でデジタル化時代を生き抜く

「今後、日本企業がグローバル競争に勝つためには、戦略やビジネスモデルを見直し、それを実行するための確固たるビジネスロジックを構築する必要があります。中国や韓国の企業がグローバル市場で台頭したのも、流通や物流において最新のビジネスロジックを導入したためです。ビジネスロジックさえしっかりしていれば、外部環境や技術トレンドの変化にも柔軟に対応することができます。デジタルありきではなく、企業の内部環境を制御するビジネスロジックを掌握することが、自律成長においても、買収による成長においても今後ますます重要になるでしょう」と伊藤氏は語る。

 

同社ではM&Aのみならず、経営戦略立案や事業再生、買収後の事業統合等の企業価値向上策をトータルに支援する。また、KPMGグループのメンバーファームともシームレスに連携し、会計や税務面の支援は勿論、世界154カ国に広がるネットワークを背景に、グローバル戦略の立案、執行に至るまで、エンド・トゥ・エンドのサービスを提供する体制を整えている。国際的なM&Aは勿論、海外事業体制の見直しを通じたグローバルグループ経営の高度化においても強みを発揮している。

 

「デジタル化に流されず、競争優位を確立するためには、“勝ちのビジネスロジック”を構築することが重要です。この手法を最大限活用し、国内外でのお客様の成功に貢献していきたいと考えています」

ビジネスモデルを支えるビジネスロジック
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