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働き方進化論

「いつでもどこでも」のその先へ――。日本マイクロソフトは今、『働き方改革NEXT』を掲げ、さらに次の段階に歩を進めている。去る4月26日、自社における取り組み成果、および国内の働き方改革先進企業における取り組み成果を広く共有するため、『最新の働き方改革 実践事例・記者発表会』を開催された。発表会には日本郵船の情報システム構築を担うNYK Business Systems、日本ビジネスシステムズ、ドリームファクトリーからゲストが参加。日本マイクロソフト平野社長とパネルディスカッションが行われた。日本マイクロソフトが標榜する次なるビジョンとは。


個人と組織の可能性を大きく開花させるために

日本マイクロソフト株式会社
代表取締役社長
平野 拓也氏

登壇した平野拓也社長は、冒頭「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」というマイクロソフトのミッションを再確認。その中で「革新的で安心して使っていただけるインテリジェントテクノロジを通じて、日本の社会変革に貢献する」という日本マイクロソフトが目指す企業像を、以下のように語った。
 「私たちは『いつでもどこでも』というコンセプトをさらに推し進め、個人と組織が持てるポテンシャルを最大限に発揮できる環境づくりを目指し改革を進めてきました。それがデジタルトランスフォーメーションの推進による『働き方改革NEXT』です。本日は自社実践の成果に加え、日本マイクロソフトのお客様の先進的な取り組みをご紹介します」
 平野氏はまず『社内働き方改革実態調査2018』の中で、すでに97%の社員が Skype for Business によるオンライン会議を日常的に活用しているなどフレキシブルなワークスタイルが定着していること。その中でお客様とのコラボレーションも拡大していること。さらに新しい働き方として「巻き込み力」を重視する声が高く、意思決定の迅速化が進んでいることを紹介。さらに4月4日に催された『働き方改革実践プロジェクト発表会』 についても触れ、現場に近い場所でそれぞれに最適な働き方が提案され、社内のみならずお客様とのコラボレーション深化が進んでいることをアピールした。

日本マイクロソフトが社員569名に対して実施した「社内働き方改革実態調査2018」では、フレキシブルなワークスタイルの広がりが確認された。

「より活躍する働き方」実践の3つの注力エリア

日本マイクロソフト株式会社
マーケティング&オペレーションズ部門
Officeビジネス本部
シニアプロダクトマネージャー
輪島 文氏

平野氏のプレゼンを受け、マーケティング&オペレーションズ部門 Officeビジネス本部 シニアプロダクトマネージャー 輪島 文氏にバトンタッチ。輪島氏は「より活躍する働き方」実践のための3つの注力エリアについて説明した。
 「第一に、データドリブンな意思決定と行動です。現場の生の情報をダイレクトに共有したり、生の情報をその場で引きだして意思決定を図ったり、『宿題を持ち帰らない』迅速な対応性が大切です」と語り、各現場の社員自身が必要なデータを作成し、リアルなお客様の動きを把握することで、よりお客様の視点に立ったサービスが実現すること。さらに、正確で客観的なデータに基づく人事戦略の実現 などの魅力を訴えた。
 次いで「組織横断的な巻き込み力」の重要性を訴求。お客様とのコミュニケーションに Microsoft Teams を活用。困難な状況の中でも緊密な連携を担保することよって、さらなるサポートや顧客満足度向上を実現した例 などが紹介された。
 最後に「働き方の見える化とカイゼン」に言及。クラウド上の働き方データを AI で分析して新たな気づきを得る、あるいは MyAnalytics によって非生産的な動き方を認識しカイゼンを図る 、などの重要性が確認された。

データに基づいた意思決定と組織横断のコラボレーション推進で、ビジネス成果を生み出す働き方への変革を後押しし、その働き方を見える化して振り返ることで継続的なカイゼンにつなげる。これが「働き方改革NEXT」への足掛かりになる。

個人と組織の働き方の可視化で生産性最大化を

働き方改革のキーとなる3要素の解説の後、再び平野社長が登壇。組織レベルの気づきを、一人ひとりの行動変革に活かす姿勢を訴えた。ここでは、組織全体の働き方の見える化を図り、分析を加えることで行動変革を支援する姿勢が紹介された。
 例えば、膨大なメール処理に忙殺されたり、メモを取るだけで発言をしない会議への参加など、それ自体は何も生み出さない仕事に貴重な時間を割かれたり、その中で「働いているつもり」になってしまうことこそが、生産性の阻害要因である。MyAnalytics は、各社員が上記の観点で気づきを得るためのツールだ。そして、組織全体の観点で働き方を分析できるものが、Workplace Analytics である。
 「 Workplace Analytics の活用で、会議や残業などの時間の使い方や相互連携など、チームや組織全体の動きを分析することができます。さらに、人事評価や営業成績など組織内のさまざまなデータの統合分析が可能になります。例えば、ビジネスパフォーマンスが高い人の行動パターンを探り、働き方のあるべき姿を見出すなどの活用が有効です」

Workplace Analytics は、組織やチームの働き方を可視化し、ベストプラクティスの共有を支援する。

一方、人の動きは従来組織図のようなツリー構造の中で追いかけるしかなかった。しかし、いまや現実のビジネスはさまざまな組織を横断しながら、複雑に交差するネットワーク的な連携によって動いている。そこで、真のコラボレーション状況を計測するためには、Workplace Analytics によるリアルな組織相互のネットワークの中で、人の動きを見ていく必要がある、と訴える社長は以下のように続けた。
 「現在の複雑化したビジネス環境の下では、部門を越えたコラボレーションの中でアウトプットの最大化を図る必要があります。ここでも Workplace Analytics が活用できます。それぞれのチームや組織が、どれくらい他チームや組織とコラボレーションしているのかを、共同作業の時間配分などで把握することができるのです」

働き方会改革の社内実践プロジェクトに参加したチームと非参加のチームとでは、会議時間や残業時間の削減率に大きな差異が見られた。
トップパフォーマーの行動を分析し、その行動パターンを共有することで組織全体の生産性の向上に貢献できる。

働き方改革先進企業はいかにして課題を克服したか?

平野氏のプレゼンテーションに続いて、ゲストパネリストとして参加した3社の働き方改革への取り組みが紹介された。以下にそのエッセンスを再録する。

「全社員データアナリスト化」を推進-日本郵船様

株式会社NYK Business Systems
代表取締役社長
斑目 哲司氏

日本郵船は2018年4月からスタートした中期経営計画
“ Staying Ahead 2022 with Digitalization and Green ”の中で、「デジタル化」と「環境」をキーワードに新たな価値創造への挑戦を掲げている。日本郵船の情報システム構築を担う株式会社NYK Business Systems の班目氏は次のように語る。
 「自由競争による新規参入激化などの中で勝ち残るための施策として、経験則や専門部署に頼るのではなく、全社員がデータアナリスト化する働き方を指向しました」
 今や船舶製造は概ね日本・中国・韓国の3国が締めておりハードウェアとしての差異はない。また、乗組員も船籍に関わらずインド・インドネシア・フィリピンの人達が占めており、ここでも差がない。その意味では、海運業もコモディティ化に向かっているのである。
 同社は、だからこそ揺るぎない経営戦略と顧客サービスで差別化を図ることの重要性に着目。データ活用の推進とセキュリティリスクに対抗する基盤を打ち立てるために、世界43か国 32,000名のグループ社員全員に Microsoft 365 E5 を導入。Power BI の活用で、全社員が日常業務の中で自らデータ分析を進め、ビジネスの「あるべき姿」を打ち出す体制強化を進めている。
日本郵船の取り組みの詳細はこちら

日本郵船では Power BI によるデータ活用を推進。上図は各国現地の物流を担うパートナー企業のキャッシュフロー分析。

ハイパフォーマーの働き方を分析する-日本ビジネスシステムズ様

日本ビジネスシステムズ株式会社
代表取締役社長
牧田 幸弘氏

「 Customer First 」を企業理念に掲げる日本ビジネスシステムズは、個人と組織を貫く視点で生産性向上を目指した。
 「当社は、個人と組織の生産性向上を実現する基盤として、2018年3月以来約2,200名の全社員に Microsoft 365 E5 を展開。日々の業務において相互情報共有のスピードと密度アップのために、 Microsoft Teams によるコミュニケーション強化を図っています」と代表取締役社長の牧田幸弘氏は話す。
  同社では客観的データに基づいて正確な意志決定をスピーディに進めるために、Power BI を活用。MyAnalytics で個々人の動きを再吟味し、新たな気づきや洞察を通じて、より良い動き方を追求している。そして同社が現在取り組んでいるのが、ハイパフォーマーの働き方をベストプラクティスとして共有し、総体的なレベルアップを図ることだ。
 「組織の働き方を可視化できる Workplace Analytics でハイパフォーマーと一般層を比較してみると、優れた社員は社外とのメールが1.5倍、さらに自ら発信しているケースも2倍あるのに対して、上司同席の会議は1/2であることが判明。彼らは自らの判断で自律的に動いており、会議頻度が高い一方で、その時間は短いことも分かりました」
  日本ビジネスシステムズではこうしたインサイトを共有しつつ、「社内会議は30分以内」、「そこでの宿題も5日後には結論を」など働き方のルール化も積極的に進めている。
日本ビジネスシステムズの取り組みの詳細はこちら

日本ビジネスシステムズでの分析例。ハイパフォーマーがどういう行動をしているかがデータで可視化された。

ロケーションや部署を越えた情報流通を実現-ドリームファクトリー様

株式会社ドリームファクトリー
取締役
宮城 隆二氏

ドリームファクトリーは、マッサージツールブランド
『 DOCTOR AIR 』事業をはじめ、貴金属・ブランド品買い取りの『ゴールドプラザ』事業、家庭用医療機器の買取・販売を行う『メディカルプラザ』事業、さらにストレッチ専門スタジオ『スーパーストレッチ』事業など、広範なビジネスを展開する企業だ。
 「事業の成長に伴う拠点数や人的陣容などの急拡大の中で、やりとりされる電話やメールも急増。相互コミュニケーションに、コンシューマー向けSNSなどを利用していました。しかし、セキュリティ上の問題が大きな懸念事項だったのです」
  そこで、Microsoft 365 を全社導入し、ICT 基盤を一新。SNS の利用を排して、高度なセキュリティの下でチャットベースのやりとりが行える Microsoft Teams の活用を図った。その結果、大阪本社~営業拠点となる東京支社~九州営業所、さらに各直営店などロケーションを越えて、恒常的な人員拡大に対応したシームレスな意思流通網が実現。懸案事項だったメールや電話の氾濫も抑制された。今後は店長会議なども Teams 上で展開していく予定だ。さらに、Azure Active Directory の活用で、ファイルサーバー等を自前で保有するコストや保守負荷からも解放され、本来業務への専念が可能になったと宮城氏は語った。

ドリームファクトリーでは2020年までに急速な陣容拡大を見込んでいる。拡大し続ける組織をつなぐ効率的なコミュニケーション手段とセキュリティの確立が不可欠だ。

以上3社の発表に続いて、リクルートキャリア、リクルートジョブズオカムラ 、三越伊勢丹など、働き方改革を進めるお客様のメッセージビデオが流された。
 最後に平野社長は組織・人事コンサルティングにおけるパートナーシップ拡大について、マーザー ジャパン株式会社、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社、ベイン・アンド・カンパニー、株式会社野村総合研究所と連携していくことを紹介。「今後とも、お客様の働き方改革を強力にサポートするために、パートナ―シップ強化を進めてまいります。また、組織・人事分野における知見と実績を誇るコンサルティングファーム各社とのコラボレーションを深め、Workplace Analytics を活用した働き方改革へのトータルサポートに全力を尽くします」と締めくくった。

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