働き方進化論 -「働き方の変化」を「ビジネスの成果」に結びつける方法とは-

SPECIAL REPORT ベンチャー飛躍の舞台裏:20 Special Report 眠れる“現場力”を呼び覚ませ! 労働力人口の80%にもなる最前線パワー、見捨てていませんか? Behind the scenes of venture leap

どの企業にも現場はある。しかし現場があることと、現場力は別の話だ。そして“真の現場力”を最大限に発揮するためには経営と現場を双方向でつなぐことが必要となる。現場起点で問題を発見し、気づきを経営戦略や新しい価値の創造に活かしていくことが求められるからだ。企業が直面する現場の課題と、ある百貨店を例に解決のアプローチを見ていこう。

労働力人口の80%は最前線の現場にいる

多くの企業がITを活用し働き方改革に取り組んでいるが、世界の労働力の80%を占めるといわれる現場のスタッフは、そうした改革の流れから取り残されている。真に生産性や競争力を高めるために、現場の働き方改革にいち早く取り組むことが急務だ。なぜなら、現場で働くスタッフこそ、最初にお客様と接する社員であり、企業のブランドを伝える重要な役割を担い、販売する製品やサービスも熟知していなければならないからだ。

マイクロソフトがハーバードビジネスレビュー誌と共同で実施した米国における経営層への調査(図1)でも、現場力の強化が経営にとって最重要課題の1つであるとの回答が78%となった。一方で、お客様と接するスタッフのデジタル化は48%、工事現場や設備管理などのスタッフのデジタル化は26%と、デジタル化が進む米国でもITを活用した現場力の強化に取り組むことができている企業は少ないという結果が出た。日本においても現場のデジタル化は遅れているというのが現状だ。

米国における調査でも、現場力強化の課題認識が高い一方、実際の改革はまだまだこれからという状況にある。

現場力で重要なポイントは、個人の能力ではなく組織としての現場の能力であるという点だ。現場のIT化が進んでいない中で、経営ビジョンが現場に十分に伝わっていない、現場の生きた情報がタイムリーに経営に届いていない、ビジネスプロセスの変革が現場まで浸透するが遅い、といった課題が見えてきている。また現場の生産性は個人によって能力差があるため、現場全体でスキルの底上げを図ることも重要なポイントとなる。例えば小売業の現場における個人の生産性の差は最大で8倍に上るという調査結果も出ている(図2)。こうしたスキル差を埋めるため、忙しい現場のスタッフが無理なく教育を受けることができる体制づくりも課題となる。

コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーの調査によると、現場の生産性は個人によって能力差が大きく特に小売業では8倍もの差があるとしている。その一方、生産性を高めるためのIT化はまだまだ遅れている。

現場の気づきを経営に活かせ!―ある百貨店の挑戦―

ここで現場の代表例として小売業である百貨店のケースを考えてみたい。百貨店の競合は専門店やセレクトショップ、コンビニだけではない。ネット通販の普及により他業態も今や競争相手となる。

「生き残るためのポイントは、自分たちが提供する商品やサービス、店舗の空間を通じて独自性と提案力をどれだけお客様に評価していただけるか。そのためには、お客様の嗜好の変化や市場環境の変化のスピードに素早く対応していくことが必要だ。自らの強みであるブランド力を最大限に発揮するために、誰よりも早く変化を察知できる“現場の気づき”を経営に活かすことが鍵を握る」とA百貨店の社長は考えた。社長の意向を受け、経営企画室では現場にヒヤリングを行い、改革に向けて3つの課題を抽出した。

そこでA百貨店は、経営と現場をつなぐコミュニケーションプラットフォームとして最前線で活躍する人々のためにチューニングされた、「 Microsoft 365 F1 」を導入し、課題の解決を図った。Microsoft 365 F1 は Microsoft 365 Enterprise エディションの一つであり、チームワークと創造力を高めることで「より一層活躍する働き方」を実現する統合インテリジェントソリューションだ。具体的な導入効果を見ていこう。

現場における企業ビジョンの理解と共有
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