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Vol.1 法人向け保険に入って事業存続のリスクを減らす エヌエヌ生命保険 チーフマーケティングオフィサー 信岡良彦氏に聞く 《前編》

伊藤御社の保険に入っていて、事業継続の危機を乗り越えたという企業の例があれば教えてください。

信岡当社経営企画部の中にカスタマー・エクスペリエンス(CX)チームという部隊があります。中小企業の経営者の皆様に直接お会いして、日ごろの悩みなどを伺って新たな商品やサービスの開発に結び付けるための組織です。

このCXチームが過去3年間に事業承継を突然経験することになった経営者にユーザーインタビューを実施しました。「事業承継の際にどんな困難に直面し、どんなリスク軽減策があればよいと考えたか」を詳しく伺いました。

そこで皆様が口を揃えてお話しになったことがあります。(先代の急逝などによる)突然の事業承継だったために、先代の持っていた経験や人脈、技術などを十分に引き継げなかったという点です。

お話を聞いた経営者の多くは、経営者としての経験がない中で必死に生き残ることだけを考えてきたそうです。技術が不足すれば、先代からのお客様が離れてしまうかもしれない。金融機関の信頼を失えば、従業員に給料を払えなくなるかもしれない。こうした強烈なプレッシャーと毎日戦い続けてきたのです。

こうした厳しさに直面する中で、先代社長が保険に加入していたので、保険金が入って後継者として直面するプレッシャーを和らげることができたという経営者の方々がいらっしゃいました。また、このご経験から、経営リスクを軽減してくれる生命保険の意義を認識して、ご自身が承継をするときに備えて先代よりも数割多い額の保険に入られたとお話しくださった方が複数いらっしゃいました。

日々の経営に追われ、
長期的な視点に立つ余裕がない

伊藤最近は、政府が中小企業の事業承継支援に力を入れるようになりましたが、私が社長を継いだ2000年当時はこうした支援策が十分ではありませんでした。ものづくりを手掛ける中小企業は日本から消えてしまっても構わないと考えているのではないかという印象さえあるほどでした。

こうした状況で事業承継をするのは本当に大変でした。当然ながら会社の借り入れも、引き続き私が個人保証をすることになりました。私は創業者の娘ですからまだ諦めもつきますが、親族ではない社員が後継社長になる場合には、誰も個人保証なんてしたくはありません。こうした場面でも生命保険は役に立つのでしょうか。

工場で社員と話す伊藤社長(右)。日本電鍍工業は、楽器や医療器具などのめっき・表面処理を手掛ける

信岡中小企業の借入金の8割以上のケースでは、経営者が個人保証をしています。事業承継が発生した場合、多くの後継者が個人保証の提供が求められます。

債権者が後継者の保証能力を先代と比較してどう判断するかによって、後継者の兄弟や子息も保証を提供することが必要になるかもしれません。また、借り入れの際の金利がより厳しくなる可能性もあります。

そうなると、後継者は先代が亡くなったときよりもさらに厳しい条件で事業を引き継がなくてはなりません。こうしたとき、先代が生命保険に入っていれば、その保険金で借り入れを返済することができます。少なくとも伊藤社長が経験されたような個人保証や借り入れ条件などのプレッシャーを大幅に取り除いた上で、後継者としてのスタートを切ることができるのです。

自動車を買ったら自動車保険に入ります。家を買ったら火災保険に入ります。それと同じように、企業が借り入れをするときは、まさかの事態が起きたときに会社を安定して存続させていくための対策として、法人向けの生命保険に必ず加入いただきたいと考えています。