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社員を幸せにしたい 会社がすべきこと

Vol.1 法人向け保険に入って事業存続のリスクを減らす エヌエヌ生命保険 チーフマーケティングオフィサー 信岡良彦氏に聞く 《前編》

伊藤米国では、会社を一度倒産させた経営者のほうが失敗を経験しており、リスクに強くなっていると評価されることが多い。それに対して、日本では会社を倒産させた経営者の評価は地に落ちます。誰にもこうしたリスクがある以上、日本の経営者のほうがより保険を必要としていると思います。なぜ、日本の経営者は保険を積極的に活用しないのでしょうか。イメージの問題ですか?

信岡それはあるかもしれません。また、経営者は資金繰りや売り上げについて日々判断することがあまりに多く、将来の自分の身に何が起こるかを考えている余裕がありません。そうした中では、いくつもある保険のどれがいいのかを選ぶ時間的余裕はないと思います。

伊藤中小企業経営者の多くは日々の経営に追われて、本人に万が一の際にも事業を存続させるための長期的な視点が不足しているということですか?

信岡少なからずそういった傾向はあるかと思います。当社では2016年10月に「中小企業の経営者が考える経営状況予測・意識調査」を実施しました。インターネットを通じて、全国の中小企業経営者1000人がご回答くださいました。

それによると、自身が経営者として続投するかについて「(自分が元気なうちに)勇退したいと思うが現実はやめられない」という経営者が32.2%いる一方、事業承継の準備について「特に準備はしていない」という経営者が44%もいました。現役経営者として忙しく、ご自身に万が一があった場合のことまで考えている余裕はないようです。

エヌエヌ生命保険の信岡CMO(左)と日本電鍍工業の伊藤社長(右)

保険が社員を幸せにする?

伊藤では、会社の将来に備えて、生命保険に加入する社長と入らない社長の違いはどこにあるのでしょうか?

信岡過去に保険金を受け取った経験があるかどうかで、保険に対する関心が大きく異なるようです。それに、身近に適切な保険をしっかりと提案してくれるような人がいるかどうかもありそうです。

伊藤人手不足の中で人材を確保するため、会社に対する社員の満足度を高めることがとても重要になっています。しかし、社員満足度向上のセミナーに出席しても、「福利厚生を良くする」といった話ばかりで、経営者の万が一のリスクをカバーする保険のことを取り上げていることはほとんどありません。私はこれまでの経験から、経営者の自分がいなくなったときのことを常に考えながら経営をしています。会社を存続させる助けとなる保険も福利厚生と同じくらい社員の幸せを考えると重要なものだと思うのです。

信岡はい、私たちエヌエヌ生命も同じ思いでお客様に保険を薦めています。

伊藤「経営者は普通の人間とは違う、別の生き物ではないか」。私は時々こう思うことがあります。というのも、皆さんが思うほど、おカネのためだけに働いている経営者はそれほど多くありません。むしろ、自分より社員の幸せを考えて、会社を次世代に引き継ぎたいとだけ考えている経営者が多い。でも、会社を存続させたいと願っている能力の高い経営者ほど、皮肉なことに、本人がいなくなった後の影響が大きくて会社の存続が危うくなることが多い。本来ならば、経営者ではなく、会社が強くないと、社員を幸せにはできないのです。

信岡そのためにも保険が必要だと思うのですが、私どもの力不足もあり、まだまだ認識されていません。