富士通マーケティングが取り組む名刺を起点とした次世代デジタルマーケティング

三井不動産が取り組む「働き方改革」

いかにして現場の働き方を改革し、組織の生産性を向上させたのか

三井不動産株式会社 ITイノベーション部長 古田 貴 氏

総合デベロッパーとして、オフィスビル、住宅、商業施設、ホテル、リゾート施設、物流センターと幅広い分野で事業を展開する三井不動産。2013年から業務のモバイル化とクラウド化に取り組み、2014年には全社員が利用できるクラウドサービスの第1号として、法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」を導入した。この導入は、同社が現在取り組む働き方改革への第一歩となった。今回は、同社の働き方改革について、ITイノベーション部長 古田貴氏に話を聞いた。

働き方改革を推進するための基盤として社員の意識改革から着手

 三井不動産は、2015年に働き方の改革に取り組む方針を打ち出した。同社が目指しているのは、多様な価値観・才能を持った人材が活躍する組織だ。社員一人ひとりが、個々の経験を活用して、それぞれが持つ能力を最大限発揮させることが、企業としての持続的な発展に不可欠だと考えている。三井不動産が目指すのは、社員の生産性を向上させて、目の前にある業務を効率的に終えてもらうことだけではない。生産性が向上したことで創出された時間を社内外から様々な学び・経験を得るために活用してもらうことで、組織を構成する社員の多様性を高め、イノベーションの創出につなげていく考えだ。

 三井不動産では、「意識改革」「インフラ整備」「組織単位での業務改革」の3つを働き方改革の柱として考えている。その中でも、同社が特に重要だと考えているのが、社員の「意識改革」である。どんなに優れた制度やITツールを採用したとしても、実際の現場においてその利用が定着し、生産性が向上しなくては意味がない。しかし、新しい制度やツールの有用性を認識してもらい、これまでの仕事の進め方に対する考え方や意識を変えることは、容易なことではない。同社では、働き方改革に取り組む以前から生産性向上のためにモバイル端末とクラウドサービスの活用を推進していたが、「モバイル端末を配布して終わりでなく、多くの社員がビジネスシーンでどんどん活用したくなる気持ちにするためには、メールやインターネット、マップなど、標準装備されているアプリとは別に、誰もが『これは便利だ!』と使いたくなるようなキラーアプリケーションが必要だと考えていました」と古田氏は話す。

働き方改革に向けたキラーアプリケーションとして、Sansanを採用

 モバイル端末とクラウドサービスの活用を現場の社員に浸透させるに当たって、キラーアプリケーションとして採用したのが、法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」だった。古田氏は、ITイノベーション部長に就任する以前、法人営業を10数年間担当していた。「当時は、名刺入れをパンパンに膨らませて、外を飛び回っていました。これまでにも名刺をデータ化するソフトウエアはありましたが、データ化の精度が低く、結局いちいちデータを手作業で修正しなければなりませんでしたし、それだけでは使いものになりませんでした。そんなこともあって、私自身、名刺の管理方法には不満を持っていた記憶があります。そういったものと比べて、Sansanは機械の力とオペレーターの人力を組み合わせて、名刺を正確にデータ化してくれます。精度が高いことはもちろん、データ化するために必要なことが『名刺をスキャンするだけ』という手軽さも良かったです。そして、いつでも、どこからでもモバイル端末のアプリから各社員の名刺情報が確認できます。Sansanは、モバイル端末とクラウドサービスの活用を当社で普及させるためのキラーアプリケーションにうってつけだと考えました」と導入を決めた経緯を説明する。

 三井不動産では、まず一部の部署でトライアルとしてSansanを導入し始めた。その後、Sansanを現場が高く評価したことから、2014年にモバイル&クラウドを推し進めるために全社員が利用できるクラウドサービスの第1号としてSansanを採用し、全社的に利用することを決めた。Sansanの導入によって、社員間でそれぞれの人脈を共有することが可能になり、企業としての営業力を総合的に強化することが可能になった。「Sansanは営業部門だけでなく、スタッフ部門も含めて、すべての部門の社員が利用できるようにしました。スタッフ部門でお付き合いがある相手先との人脈も大きな財産であり、例えば私の場合ですと、IT系企業の方のところへ社内の営業担当者が訪ねると、私のところにプッシュ通知が飛んできます。そこから、『そこの社長さんとお付き合いしているよ』というやり取りが社内で生まれたり、通知から人事異動を知り、それをきっかけにして、その方へ改めてアプローチしたりすることもできるようになりました」。

さらなる業務の効率化を目指し、新たなプロジェクトが進行中

 初期設定に長い時間を要する、利用方法をあらかじめ学ぶ必要があるような他のITツールやクラウドサービスとは異なり、Sansanは保有している名刺をスキャンするだけで、誰でもすぐに業務効率化の効果を実感することができる。三井不動産では、Sansanをキラーアプリケーションとして利用することで社員の意識や仕事の進め方を変え、モバイル&クラウドの浸透に大きな弾みをつけた。現在では、社員全員が使うOfficeアプリケーションやオンライン会議ツール、稟議システムや営業支援システムなどのモバイル化は済んでおり、これから経費精算や会計システムなどへも対応を拡大する計画だ。

 モバイル&クラウドで成果を上げ、2015年から働き方改革を進めている同社では、さらに仕事を効率化することを目指して、2016年に新たな業務改革プロジェクトをスタートさせた。ペーパーレス化を進め、ビジネスプロセスを見直すことで、オペレーション業務を簡素化する、もしくは廃止したり、部門ごとに異なっていた業務プロセスを統一して標準化したりするなど、業務改革に全社で横断的に取り組むという大規模なプロジェクトだ。「今までの仕事のやり方を見直す業務改革においては、現場の抵抗が付き物と言われていますが、Sansanの導入効果が波及し、働き方改革の意識が社内に浸透した今であれば、困難なチャレンジにも全社一丸となって取り組めることを確信しています」と古田氏は説明する。

ITを活用した新しい顧客サービスも進行中

 働き方改革においては、オフィス環境の要素も極めて重要であり、実際、オフィス移転とセットにして取り組む企業も多い。必然的に企業にオフィスを提供する三井不動産にとっては、顧客企業の働き方改革を支援することも大きなミッションとなると捉えている。その1つが2017年4月からスタートした、法人向け多拠点型シェアオフィス「WORKSTYLING」だ。WORKSTYLINGは、利用する企業の社員がそれぞれのワークスタイルに合わせて働く場所を選択できるように、多彩なスペースと最新のIT環境を備えている。都心部やターミナル駅を中心に国内の主要都市に2017年12月現在で22カ所を展開し、2018年春までにこれを30カ所まで拡大する予定だ。他にも、社員のコミュニケーションの状態をセンサーで測定し、オフィスをより良い環境に変えるコンサルティングサービスの実証実験なども始めている。三井不動産では、自社で進めている働き方改革はもちろんのこと、こうした新たな事業展開も含めて、絶えず進化を続けるクラウドサービスをはじめとしたITツールの強みをフル活用した事業展開を進めていく計画だ。

人脈共有でビジネスチャンスを生み出す名刺管理システム
三井不動産 法人向けシェアオフィス「WORKSTYLING汐留」で取材・撮影
ページのトップへ
三井不動産株式会社
本  社: 〒103-0022 東京都中央区日本橋室町2-1-1
設  立: 1941年7月15日
資 本 金: 3397億6600万円
従業員数: 1,397名(2017年3月末時点)
事業概要: 「都市に豊かさと潤いを」をグループステートメントに、オフィスビル、商業施設、ホテル・リゾート、
                 住まい、資産活用、ロジスティクス、ベンチャー共創の分野で事業を展開している。
三井不動産が提供する法人向けサテライトシェアオフィス 「WORKSTYLING」
〜企業と社員が、ともにベストな働き方を追求する新しいサテライトシェアオフィス〜
https://commons-web.jp/workstyling/ws.html
富士通マーケティングが取り組む名刺を起点とした次世代デジタルマーケティング
お問い合わせ
Sansan株式会社
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-52-2 青山オーバルビル13F TEL. 03-6758-0033
https://jp.sansan.com/