何から手を着ければいいのか分からない、初めての住まいづくり。どこに気をつければ後悔しないものができるのか―。住まいづくりの中立的な相談機関でもある東京・西新宿の「リビングデザインセンターOZONE」で住まいづくりコンサルタントを務める山内あきよし氏にお聞きした。

「リビングデザインセンターOZONE」 住まいづくりコンサルタント 山内 亮美 氏
リビングデザインセンターOZONE
住まいとインテリアの情報センター。家具やキッチン、建材など30以上のショールームやショップがそろう。
TEL.03-5322-6500(代) 10:30~19:00 水曜日休館(祝日除く)https://www.ozone.co.jp/
日常の暮らしを振り返りライフスタイルを整理

――住まいづくりの成否はいい依頼先に出合えるか否かで決まると話されています。いい依頼先選びに向けて準備段階では何から始めるべきですか。

山内理想と考えるライフスタイルをまず整理しておくべきです。ただライフスタイルを整理するといってもそう難しく考えることはありません。日常の暮らしを振り返り、大切にしたいと思える場面や反対にストレスを感じる場面を確認しておけばいいのです。

いい依頼先とは、こうした振り返りを通じて認識されるようになった理想のライフスタイルを実現できる住まいを提供してくれる相手です。だからこそ、依頼先選びに向けてライフスタイルの整理がまず必要なのです。

そこが曖昧なままでは、依頼先の候補からプランを提案されてもピンとこない。「イメージと違う」と、複数社を渡り歩いていくうちに疲れてしまい、無理に契約を交わしてしまったり、反対に住まいづくりを断念してしまったりすることになりかねません。

――疲れてしまった結果として無理に契約に至ると、満足度の高い住まいにはなりそうにありません。

山内そうですね。とりあえず契約してしまおうという姿勢では、プランの詳細を固めていくに従ってどんどん工事費が膨らんでいくことになりかねません。そこで予算内に収めようと無理な見直しを重ねると、お気に入りの設備や建材は1つも採用できなかったという残念な結果に陥ります。

住まいづくりは「準備」から「完成」まで大きく5つのステップに分かれる

※リビングデザインセンターOZONEの資料を基に作成

敷地条件などによっては構造・工法に向き不向き

――依頼先によって採用している構造や工法が異なることがあります。住まいの構造や工法に関してはどう考えるのがいいのでしょうか。

山内主な構造・工法を下に示しました。歴史的にも予算的にも日本の多くの住まいは木造ですから、私たちは木造を念頭に置いて話を始めるようにしています。耐震性という観点で言えば、どの構造・工法の住まいでも、法規上の基準を満たしている新築のものであれば安心できるはずです。

とはいえ、どの構造・工法でも変わりはないということではありません。敷地条件などによって向き不向きがあるのは確かです。例えば前面道路が狭い敷地の場合は、木造が有利です。鉄骨造りや鉄筋コンクリート造りはクレーン車やミキサー車を用いるため、そうした敷地条件では不向きと言えます。

構造・工法を知ること以上にエネルギーを割きたいのは、プランの検討です。複数の依頼先候補から具体的なプランを提案してもらい、それらを基に理想と考えるライフスタイルを実現できそうか否かという点を見極めることにこそ、エネルギーを注ぐべきです。

CASE.1 木造軸組工法の住まい
住まいに用いる主な構造・工法
プランを提案してもらいメーカー間の違い見極め

――プランを比較検討することで依頼先を決めていくわけですね。

CASE.2 RC壁式構造の住まい

山内そうです。住宅メーカーの場合、独自の基準に従ってプランを描くため、間取りの自由度や外観の形状などに違いが生じます。メーカーによっては、柱の位置をずらすにもその移動単位が決まっているため、大空間は確保できても思い通りの位置に柱を立てられるとは限りません。提案されたプランを基に、何ができて何ができないかをメーカーごとに見極めていくわけです。

――住まいづくりを進めていく上で建築主が心掛けておきたい点として、ほかに何かありますか。

山内予算とスケジュールの管理です。住まいづくりのプロに任せているからと気を抜きがちですが、やはり建築主がしっかり管理すべきです。予算オーバーやスケジュールの遅れを絶対許さないということではなく、トラブルを未然に防ぐためにも密なコミュニケーションを心掛けておきたいものです。

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