ロボティクス社会

生活の中で家事を手伝ってくれるロボット

2017.03.14

元田 光一=テクニカルライター

洗濯や部屋の片づけを手伝ってくれるロボット。飲み物をソファまで運んでくれるロボット。一緒に買い物に行って荷物持ちをしてくれるロボット。アニメやSFに登場してきそうな話だが、実はこうしたロボットの開発は、かなり進んできている。共働き世帯が増える中で、生活を支援してくれるロボットへのニーズは徐々に高まっていくはず。ロボットが日常的に家事を手伝う、そんな生活は、まんざら遠い未来の話でもなさそうだ。

私たちの暮らしには、ロボット技術が組み込まれた家電製品が、既に数多く溶け込んでいる。最も分かりやすいのは掃除ロボットだろう。動き回るタイプのロボットばかりではない。最新型のエアコンは高度なセンサーを複数搭載し、人の位置や体温、部屋の構造などをスキャンして、人に直接風が当たらないようにフラップを制御しながら快適な室温を保とうとする。このように人が細かい操作をしなくても、状況を把握し、自ら判断して制御につなげる機器はロボットと言っていいだろう。

掃除ロボットに続く新ジャンル、洗濯機ロボット

新ジャンルのロボット家電として今注目されているのが、洗濯をサポートするロボットである。全自動洗濯機の登場以来、洗濯機にはさまざまな機能が加えられ、進化してきた。全自動の流れとしては、乾燥機能により洗濯したあとの衣類を乾かすことまでできるようになった。汚れを落とすことに関しては、もはやこれ以上の劇的な進化は難しいかもしれない。洗濯という家事に残された面倒な作業は衣類を畳むことだが、いよいよこの作業からも解放される日が近づいている。

セブンドリーマーズとパナソニック、大和ハウス工業は2015年に共同で全自動衣類折り畳み機の開発をスタートさせた。2016年4月には共同出資でセブン・ドリーマーズ・ランドロイドを設立。プロトタイプ「ランドロイド・ゼロ」を開発し、100台限定販売してきた。そして2017年3月、第2弾となる「ランドロイド・ワン」を発売する。

ランドロイド・ワンは、完成版のハードウエアに、開発最終段階であるベータ版のソフトウエアを搭載したもの。正式なソフトウエアを搭載した製品版は、2018年3月に出荷を始める予定で、ランドロイド・ワン購入者向けにはソフトウエアを随時アップデートし、常に最新の状態を提供するとしている。現時点で価格は公表されていないが、100台限定で販売されているランドロイド・ゼロの価格が250万円ということから考えて、ランドロイド・ワンも当初は同水準になりそうだ。ただし同社は、5年後には20万円代で販売することを目指している。

使い方は、家庭用冷蔵庫のような大きさのボックスに、乾燥させた衣類をランダムに入れるだけ。あとは折り畳まれた衣類が真ん中のボックスにセットされるのを待てばいい(写真1)。

(写真1)セブン・ドリーマーズ・ランドロイドの全自動衣類折り畳み機
下のボックスに洗濯物を入れると(左)、上のボックスに畳まれた洗濯物がセットされる(右)。(セブン・ドリーマーズ・ランドロイドのホームページより引用)

ボックスの中では、衣類をピックアップする→衣類を広げる→衣類を認識する→衣類を畳む→衣類を仕分けして積み上げるという工程が行われている。

この際、ランドロイドは衣類の種類を自動判別し、それぞれに最適な方法を選んで折り畳む。家族別に仕分けすることもできるという。この衣類の種類認識と畳み方の選択部分には、ディープラーニング技術が使われているようだ。 2019年には全自動洗濯乾燥機に折り畳み機能を組み込んだオールインワンモデルを、2020年にはビルトインタイプを発売する予定である。

衣類の自動折り畳み機はほかにもある。米FoldiMateの製品で、同社は2017年に入ってから事前予約を始め、2018年の出荷を目指して開発を進めている。ランドロイドのように、まとめて突っ込んだ衣類を仕分けしてくれる機能はない。ただ、家庭用乾燥機クラスの大きさで、洗濯機の上などにも設置できるため、製品としてはランドロイドよりも手頃なものになりそうである(写真2)。

仕組みと使い方はこうだ。正面に並んだクランプに乾燥した衣類を挟んで吊るしておくと、機械が衣類を1枚ずつ中に引き込み、内部で複数のアームを使って折り畳む。折り畳まれた衣類は、本体下のトレイから重なって出てくる。畳むためにかかる時間は1枚当たり10秒ほど。ほかに、スチームによるしわ伸ばし、香りづけ、柔軟仕上げ、殺菌などの機能も利用できる。価格帯は、家電製品として購入しやすい700~850ドルを目指している。

(写真2)FoldiMateが開発中の自動衣類折り畳み機
コンパクトなので洗濯機の上にも設置できる。(FoldiMateのホームページより引用)

家事を支援してくれるという意味では、窓ふきロボットもその役目を担う製品といえるだろう。ルンバの日本総代理店であるセールス・オンデマンドは、韓国RFの窓ふきロボット「windowmate」を今春から販売する。このジャンルには他にも米ECOVACSの「WINBOT」といった製品がある。こうして製品が増えることで、市場は活気づいていきそうである。