株式会社JTOWER - 日経 xTECH Special

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携帯端末は災害時から国際ビジネスまで活用範囲が広がり、建物内での通信キャリア3社の速く確実な携帯通信環境が不可欠になった。この環境構築・運用をインフラシェアリングで実現する動きが注目されている。JTOWERの「インフラシェアリング・ソリューション」を導入した「GINZA SIX」の事例を紹介する。

 これまで、地下空間や高層階、大規模建築において、スマホなどの携帯端末は屋外からの電波だけでは接続が難しかったり、利用者が多い場所では通信速度が遅くなるなどの課題があった。利用者にとって「つながって当たり前」の通信環境が、建物内で損なわれるのは、施設のイメージダウンや不動産価値の低下にもつながる。災害時にはライフライン維持にも関わる問題だ。
 そのため通信キャリア大手3社は、大型施設などで「つながりやすさ」を実現するため、各社が自社の基地局やアンテナを建物内に設置してサービスエリアを確保してきた。そのためのコストは通信キャリアだけでなく、施設やビル所有者、不動産事業者が負担するケースも少なくなかった。
 こうした課題をインフラシェアリングで解決した成功例が、2017年4月にオープンした大型複合施設「GINZA SIX」だ。JTOWERは、同施設に屋内携帯通信環境の構築・運用を効率的に行う「インフラシェアリング・ソリューション」を提供している。

  
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建物内では電波伝搬が阻害され外部の電波が端末に届きにくく、各通信キャリアは屋内に自社設備を設置する必要がある。インフラシェアリングは、3社分の設置スペース確保や工事の煩雑化、一部コストをビルオーナーが負担する際のコスト低減などの課題解決が期待されている

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 「建物内の複数の携帯通信設備を共用化することで、設備構築費用の削減、スペースの有効利用、消費電力の削減などが期待できます。ただ、各キャリアそれぞれの技術仕様があり、それらを一つのアンテナに乗せるのは難しいと言われていました。しかし、地下鉄やトンネル内では、通信キャリア3社が共用設備経由で安定した携帯通信環境を利用者に提供しています。共用機を使った、こうした環境を建物内で構築する可能性を探っていたところでした」(森ビル・設計部設備設計部電気設計グループ チームリーダー・吉村正則氏)
 森ビルは、銀座エリア最大の複合商業施設「GINZA SIX」プロジェクトで、再開発コーディネーターであると同時に設計プロジェクトマネージャーの業務を受託。当時、吉村氏は主に、電気設備の技術、品質、施工管理の確認業務に携わっていた。森ビルはインターネット事業の経験もあり、吉村氏も共用機のメリットはフリーWi-Fiのアンテナ共用などで認識していた。
 「GINZA SIX」で携帯通信インフラ設備の共用化を模索するなか、同氏はJTOWERのインフラシェアリング・ソリューション事業を知る。商業施設やオフィスビル、マンションなどで、JTOWERが設置した通信インフラ設備を、通信キャリアが共有するサービスだ。第5世代携帯電話では、数多くの携帯電話基地局が必要と観測されており、インフラシェアリングは将来の通信インフラの主流になると言っていいだろう。

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「松坂屋銀座店」跡地を含む街区と隣接する街区約1.4haを一体的に整備する市街地再開発事業で生まれた大規模複合施設。銀座エリア最大の商業施設、オフィス、文化・交流施設などを複合。建物の一権利者でもある森ビルは、再開発組合事務局、再開発コーディネーターのほか、設計プロジェクトマネージャーの業務も受託。高品質な屋内携帯通信環境の実現に腐心した。この規模の複合施設に携帯通信の「インフラシェアリング・ソリューション」が採用されるのは国内初

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写真は商業施設の吹き抜けの草間彌生のインスタレーション展示(南條史生・監修)。今年4月からはフランスの美術作家ダニエル・ビュレンの作品が展示される予定だ

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所在地/東京都中央区銀座6-10-1 主用途/店舗、事務所、文化・交流施設、地域冷暖房施設、駐車場 
敷地面積
/約9080㎡ 建築面積:約8920㎡ 延べ面積/約14万8700㎡ 
構造
/鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造 階数/地下6階・地上13階 
発注者
/銀座六丁目10地区市街地再開発組合 設計プロジェクトマネージャー/森ビル、アール・アイ・エー
設計・監理者
/銀座六丁目地区市街地再開発計画JV(鹿島、谷口建築設計研究所) 施工者/鹿島 
事業主体
/銀座六丁目10地区市街地再開発組合 
管理運営
/GINZA SIXリテールマネジメント(商業施設)、森ビル・住友商事(オフィス) 
オープン
/2017年4月20日

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 「ちょうどそのころ、JTOWERで通信キャリア3社が設備共用する環境での検証を終え、技術品質の確認が得られたため『GINZA SIX』での採用を決定しました。JTOWERは通信キャリア各社との調整も行ってくれるので、施工者にとっては、煩雑になりがちな工事、手続きが簡素化され、運用後の窓口が一つになるメリットもありました」と吉村氏。
 「GINZA SIX」の屋内携帯通信環境で画期的なのは、バックヤードも3社のサービスエリアになっていることだ。「地下機械室などは利用者のメリットが少ないため、エリア外になる例が多くありました。『GINZA SIX』では、こうしたスペースもJTOWERのアンテナでフルカバーされ、設備管理担当者や店舗スタッフに重宝がられています。最近は携帯やスマホを内線的に活用するケースも増えているので、バックヤードで携帯端末が使える意味は大きいですね」。
 設置設備のシンプル化に伴うイニシャルコスト削減、スペース効率の向上、消費電力の低減、構築・運用の効率化、通信キャリアが看過しがちなサービス運用など、大型施設におけるインフラシェアリング・ソリューションのメリットは大きい。

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