ITモダナイゼーションSummit 2018 どうする?最後のレガシー

ルールエンジンを活用したモダナイズで
ビジネスアジリティ獲得に資するシステムへ

レッドハット株式会社
テクニカルセールス本部
プリンシパル・ソリューションアーキテクト
梅野 昌彦

広範な企業において加速する、システムのモダナイゼーションに向けた取り組み。その主要なアプローチとなる「Re-Build(Lift & Shift)」および「Re-Write」の実践に向け、レッドハットではオープンソースソフトウェアをベースとした、マイグレーション手法をベストプラクティスとして提示している。すでに多くの企業がそれにのっとったシステム刷新の取り組みにより、ビジネス上の成果を享受している。

ビジネスアジリティの追求には
「Re-Write」の採用が望まれる

レッドハット株式会社
テクニカルセールス本部
プリンシパル・ソリューションアーキテクト
アソシエイト・ディレクター
梅野 昌彦

今日では多くの企業が、システムのモダナイゼーションを目指した取り組みに着手している。システム維持に関わるコストの増大、ビジネスにおけるアジリティの獲得、そしてサービスレベルの向上などが、その主な取り組み理由だ。

そうしたシステムのモダナイズを進めていく際には、一般に3つのアプローチがあるとされる。具体的には、新たなハードウェア上へとシステムを移行する「Re-Platform」、主にメインフレーム上のシステム資産をオープン環境へ移行する「Re-Build」、そして既存のアプリケーション資産等に手を加えて、アーキテクチャそのものを見直し、ロジックを整理していく「Re-Write」がこれにあたる。

「Re-Platformでは、性能向上などは望めるもののビジネスのアジリティが向上するといったメリットは得られず、Re-Build、これはクラウドに既存資産を移行する『Lift & Shift』も含みますが、これも短期間での安価な移行が可能であるものの、やはりビジネスアジリティに貢献するものとなりづらい。逆にRe-Writeでは、多少コストと期間を要しますが、新たなビジネスへの即応性など、アジリティ向上につなげていけるというメリットが得られます」とレッドハットの梅野昌彦氏は解説する。

コンテナ/マイクロサービス化で
既存資産をOpenShift上へ移行

レッドハットでは、Re-Build、Re-Writeの2つのアプローチによるマイグレーションに関わるベストプラクティスをオープンソースソフトウェアをベースに提示。取り組みを支援するツール群を用意している。以降のセッションでは、レッドハットの提供するそれらの製品、同社の提案するベストプラクティスにのっとって実践されたRe-Build、Re-Write、双方の事例が紹介された。

まず、Rebuild(Lift & Shift)に関してレッドハットでは、既存アプリケーションをコンテナ化、マイクロサービス化して、プライベートクラウド上のOpenShiftプラットフォームへと移行するという方法をベストプラクティスとして推奨。それに関し、Web Application Server上で稼働するJava資産の移行を支援するレポートを提供する「Red Hat Application Migration Toolkit」、あるいは各種構成、設定の自動化を支援する「Red Hat Ansible Automation」といったツールを提供している。

そうしたRe-Buildの事例として、金融業のある企業では、それまでメインフレームで稼働していた基幹システムの資産すべてを、Linux上に移行し、脱メインフレーム化を図った。具体的には、仮想環境+「Red Hat JBoss Enterprise Application Platform(EAP)」の上に、Micro Focus COBOLを稼働させるかたちでCOBOL資産を移行している。

こうした取り組みの結果、事業部ごとに稼働していた13台のメインフレームをすべて撤廃し、乱立していた770台のサーバーを300台にまで集約できた。コストについても3分の2程度に低減されているという。「お客様では、特にオープンソースをベースとした環境への移行で、自律的なプロジェクトマネージメントによって、リスクや課題への対処が可能になったことを高く評価されています」と梅野氏は紹介する。

ルールエンジンベースの斬新な手法が
Re-Writeの抱える課題を解消する

一方、Re-Writeについてレッドハットでは、同社の提供するルールエンジン「Red Hat Decision Manager」を活用した移行を、ベストプラクティスとして提案している。その基本的なコンセプトは、データサービスやプロセスサービスと、ルールエンジンで構築された意思決定サービスを分離し、その間のデータのやりとりをアプリケーションが担うという考え方だ。

具体的なマイグレーションのアプローチとしては、まず現状でアプリケーションロジックに組み込まれている業務ルールや業務ナレッジを抽出して、業務の流れを確認しながらルールを作成し、要件定義書としてまとめる。それらルールをルールエンジンに組み込んで、用意しておいた過去の入力データをエンジンに投入。そして、その結果が過去の処理結果の値と合致しているかどうかをチェックするという流れだ。

「当然、当初はかなりの確率で、過去の結果と合致しないということになるでしょう。そのアンマッチの部分について業務担当者に確認し、例外的な処理などを洗い出して、それを改めてルールに組み込み、ルールエンジンによる処理、結果の照合というプロセスを100%合致するところまで繰り返していくという、データドリブンデベロップメントの手法でシステムを完成させていきます」と梅野氏は説明する。

一般にRe-Writeには、多額のコストと時間を要するというイメージがある。事実、システム規模にもよるが、まず既存のソースコードを解析して、要件定義をまとめて、設計・開発、テストをこなしていくというアプローチでは、プロジェクトの完了までに、数年から10年といった期間を要してしまうものと想定されるケースも少なくない。そうなると、もはやビジネスアジリティどころの話ではない。レッドハットの提案するこうしたルールエンジンを活用したアプローチは、Re-Writeが抱えるそのような課題を解消するものとして注目されている。

例えば、サービス業のある企業では、入力データの突き合わせ処理を、メインフレーム上のCOBOLプログラムで夜間にバッチ処理で行っていたが、顧客契約数の増加により、処理すべきデータ量が増大。バッチ処理の遅延が翌朝の業務に影響を与えかねない状態となっていた。そこでこの企業では、すでに紹介したようなDecision Managerを活用したRe-Writeを実践してシステムの刷新を図った。この取り組みにより、設計から稼働まで4カ月という短期間ですべての課題を解消することができた。

「こうしたRe-Writeのアプローチによるシステムの刷新によって、既存システムとの“しがらみ”を断ち切ることが、ビジネスアジリティの追求に大いに貢献することは言うまでもありません。ぜひ、レッドハットが提案するベストプラクティスにご注目いただければと思います」と梅野氏は語る。

お問い合わせ

レッドハット株式会社

https://www.redhat.com/ja/global/japan

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