クラウド移行 課題解決セミナーReview 移行の“壁”を超えたクラウド 既存環境との一体運用も可能に

マルチクラウド化を支援するVMware Cloud Provider Programとは

ヴイエムウェア株式会社 Global Cloud Practice シニア クラウド ソリューション アーキテクト 吉荒 祐一氏
ヴイエムウェア株式会社 Global Cloud Practice シニア クラウド ソリューション アーキテクト 吉荒 祐一氏

「今後、企業のクラウド利用は、プライベートクラウドとパブリッククラウドを適材適所で使い分ける『マルチクラウド』が主流となります。これからはマルチクラウド化を見据えた基盤整備が欠かせません」

最初に壇上に立ったヴイエムウェアの吉荒 祐一氏は講演の冒頭でこのように語った。

クラウドの利用調査結果もこれを裏付ける。60%の企業はすでにパブリッククラウドを利用しており、最終的に複数のクラウドを利用したいと考える企業は67%に上るという。

こうしたニーズに対応するため、ヴイエムウェアが提唱するのが「VMware Cross-Cloud Architecture」である(図1)。プライベートクラウドや多様なパブリッククラウドのシームレスな連携を実現するための支援ソリューションも数多く提供している。オンプレミスの仮想マシン(VM)の容易なクラウド移行を可能にする「VMware Hybrid Cloud Extension」、クラウドを活用したDRサイトを実現する「VMware vCloud Availability for vCloud Director」、オンプレミスとクラウドのハイブリッド運用に最適な「VMware NSX」などはその代表だ。


図1 VMware Cross-Cloud Architectureのコンセプトイメージ

図1 VMware Cross-Cloud Architectureのコンセプトイメージ

プライベートクラウドと多様なパブリッククラウドとのシームレスな連携を実現する。その一環として、グローバルレベルのマルチクラウド化を可能にする「VMware Cloud Provider Program」を提供している

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クラウドサービスの「エコシステム」拡充にも努めている。それを支えるのが「VMware Cloud Provider Program」である。「VMware Cloud Provider ProgramはVMwareクラウドサービスプロバイダ向けのサブスクリプションモデル。世界100カ国以上、4000を超えるサービスプロバイダがこれを利用し、クラウドサービスのエコシステムを形成しています」と吉荒氏は説明する。

VMware vSphereを基盤とする環境との高い互換性を持ち、VMware vSphereのユーザー企業はこのエコシステムのクラウドサービスをグローバルレベルで利用できる。「例えば、オンプレミスとクラウド間、あるいは複数のクラウド間でのワークロードの柔軟な移行が可能になります」と吉荒氏は話す。

VMware Cloud Provider Programを活用したマルチクラウド戦略により、グローバルで多くの企業がビジネス変革を加速している。

米食品卸売大手のSysco社はその1社だ。同社は4カ所の大規模データセンターで約5000台のサーバーが稼働するプライベートクラウドと、約1500台のサーバーが稼働するパブリッククラウドを組み合わせたマルチクラウド環境にVMware Cloud Provider Programを活用している。「クラウド全体を一体的に捉えることができるため、ワークロードの統合管理が加速し、運用コストを低減。複数のクラウドをまたいだネットワークやセキュリティ管理が可能になり、障害対応も効率化しました。複数のクラウドサービスの対応を一元化できるため、Sysco社のIT部門はシームレスな『ワンストップ窓口』を実現し、サービス品質の向上にもつながっています」(吉荒氏)。

クラウドの利用拡大に伴い、適材適所のクラウド活用を図るマルチクラウド戦略がより重要になっていく。ヴイエムウェアはVMware Cloud Provider Programをはじめとする多様なソリューションの提供を通じ、グローバルレベルのマルチクラウド戦略を強力に支援していく考えだ。


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基幹のクラウド化と“その先”までサポート

ソフトバンク株式会社 ICTイノベーション本部 クラウドサービス統括部 クラウドサービス企画部 サービス開発課 課長 和田 正紀氏
ソフトバンク株式会社 ICTイノベーション本部 クラウドサービス統括部 クラウドサービス企画部 サービス開発課 課長 和田 正紀氏

次に登壇したソフトバンクの和田 正紀氏は、マルチクラウド戦略に欠かせない「基幹システムのクラウド化」をテーマに講演した。同社はヴイエムウェアのVMware Cloud Provider Programに参画する国内パートナー企業の1社。国内14カ所に展開するデータセンターを軸に、多様なクラウドサービスを提供する。その1つである「ホワイトクラウド ASPIRE(アスパイア)」(以下、 ASPIRE)は、基幹システムのクラウド化に対応した様々な強みを持つ(図2)。

まず挙げられるのが同社の実績だ。「VMware vSphereベースのサービスを10年前から提供し、お客様の既存環境からの移行も数多くサポートしています。豊富なノウハウと知見を生かし、基幹システムの安全かつ確実な移行をトータルに支援します」と和田氏は話す。

“キャリア品質”も大きな強みだ。ASPIREの稼働率は99.999%と業界トップクラスのSLAを誇る。通信キャリアの強みを生かし、インターネットを介さず顧客拠点とクラウドをセキュアにつなぐ「SmartVPN」をはじめとする閉域ネットワークもワンストップで提供する。


図2 ASPIREの利用イメージ

図2 ASPIREの利用イメージ

基幹系を含む既存システムをASPIREでクラウド化するとともに、コロケーションサービスとの組み合わせも対応可能だ。顧客の拠点とはセキュアな閉域ネットワークでつなぎ、モバイルアクセスでの利用にも対応する

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拡張性・柔軟性も非常に高い。「仮想マシンのサイズ定義はないため、任意の仮想マシンサイズを自由に作成できます。CPUやメモリなど必要なリソースを必要なだけ利用できるのです」(和田氏)。ストレージでは、1社で利用できる環境を提供する専有型で設備を他社とは分けたい顧客に対応する。また、共有型は24TBまでの増設に対応し従量課金で利用できる「エコノミーストレージタイプ」の提供も開始した。ニーズや利用規模の変化に応じて柔軟にリソースを増減し、コストも最適化できる。

ソフトバンクと提携するパブリッククラウドとの連携も可能だ。「例えば、基幹系を含む既存システムの基盤には移行に強みを持つASPIREを活用し、新規システムやビジネスの広域化にはクラウドネイティブにパブリッククラウドを活用する。これにより、信頼性とセキュリティを担保しつつ、RPAやAIを活用した新たなチャレンジもやりやすくなります」と和田氏は提案する。

多くの企業がASPIREを利用し、基幹システムクラウド化に舵を切っている。総合建設会社の熊谷組はその1社だ。「既存環境はVMware vSphereベースだったため、レガシーOSやネットワーク構成、IPアドレスをそのまま継承する形で容易な移行を可能にした。煩雑なシステム運用と機器の更新作業から脱却し、システムの信頼性・安定性を担保しつつ、運用管理コストの大幅な低減につながっています」(和田氏)。ASPIREの専有ストレージを利用することで、既存ライセンスの継続利用が可能になり、高額なライセンスへの変更が不要になったことも大きなメリットだという。

和田氏に続いて登壇したエス・アンド・アイの川邊 隆史氏は、10年にわたりソフトバンクのクラウドサービス環境の構築・保守を担ってきた同社の経験を踏まえ、事例を交えながらマルチクラウド実現のポイントや成功の方法論について語った。その後に行われたパネルディスカッションでは、登壇者の多くがお客様のニーズに柔軟に対応できるパートナーの重要性を訴えた。

クラウドの利用がますます広がりを見せ、そのニーズも多様化する中、多くの企業がその現実解を探し求めている。「クラウド移行 課題解決セミナー」は、そうした企業に明るい道筋を示す有意義なセミナーだった。


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