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vol.1-1 ABBのロボティクス事業をレポート

ロボットが隣で働くとき

人類が4度目の産業革命という時代の大きな転換期を迎える中で、特に注目したいのがロボティクス事業の発展だ。ロボットが人と共に働けるようになると、社会にどのような変化をもたらすのか。産業用ロボットのリーディングカンパニーであるABBの若きエンジニア、高橋暢氏にその未来を聞いた。

期待されるロボットの活躍

 「インダストリー4.0」により、世界は大きく変わりつつある。工業のデジタル化に官民一体で取り組むドイツが始めたその巨大プロジェクトは「第4の産業革命」という大きな波となり、現在世界各国の技術者たちがその潮流の中でしのぎを削っている。

 ICT(情報通信技術)やIoT(モノのインターネット化)活用による生産工程のデジタル化と自動化、バーチャル化で、生産効率を一気に高めながら大幅なコストの削減ができる。特に注目したいのは、ロボティクス事業の発展。日本においてロボットといえば、コミュニケーションロボットが話題の中心になることが多い。他方で製造業の現場を革新するのが、人と共に働くことができる産業用ロボットだ。

高橋氏
高橋暢氏 Toru Takahashi
ABB株式会社 ロボティクス&モーション事業本部 ロボティクス事業部 ロボット&アプリケーション部

 スイスを拠点とするグローバル企業ABBは、産業用ロボットのパイオニア企業の一つである。1974年に世界初のマイクロプロセッサ制御の産業用ロボットを開発、2008年頃にはパラレルリンクロボット(パラレルメカニズム機構を用いた産業用ロボット)を世に送り出し、食品業界を中心に7000台超を納入。生産現場の省人化と食の安全化、生産力強化に大いに貢献してきた。さらに2015年には「人との協働を真の意味で実現した、世界初の双腕ロボット」をコンセプトに、YuMi®(ユーミィ)を市場投入。ロボットによるさらなる生産プロセス改善を図った、ABBのネクストレベル戦略の一つとして脚光を浴びている。

 「これまで産業用ロボットは、自動車産業と共に発展してきました。近年では、非自動車産業からもロボットへのニーズが高まっています」。そう語るのは、同社の若きエンジニア、高橋暢氏だ。「その背景には生産の低コスト化だけでなく、深刻な労働者不足が大きいようです。しかし、いざロボットを導入しようとしても、非自動車産業ではノウハウを持つ企業は多くありません。自社のどのような工程でロボットを活用できるかなど、可能性を探るところからサポートさせていただいています」

 ABBは2014年に東京都多摩市に「ABBロボティクス アプリケーション・ワークショップ」を開設。世界各地のABBロボット施設と連携して高精度なシミュレーションや実機のテスト検証試験を行う、顧客との「コラボレーションの場」を築いた。実際のロボットや独自ソフトウェアを使った導入前の精緻な効果検証で、確実に成果を出すロボット導入を実現している。この施設では、たとえばチーズやハム、冷凍ピザなどの対象物を実際に扱うロボットハンドによって、素材、形状などあらゆる角度での開発と検証が可能だ。

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