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日経テクノロジーONLINE SPECIAL
TOP INTERVIEW・前編 製造業にかかわるすべての企業が変革を迫られる時代に/「ラインビルダー」として製造業に貢献するジェイテクト

製造業が大きな変革期を迎え、いま多くの企業がものづくりの革新に挑もうとしている。こうした企業を、ジェイテクトは「ラインビルダー」として積極的に支援する考えだ。その取り組みの軸となるコンセプト「モノ・ヒト・コトをつなぐ『IoE(Internet of Everything)』」の本質や、同コンセプトの背景にあるビジョンなどについて同社取締役副社長の井坂雅一氏に聞いた。

井坂 雅一
ジェイテクト
取締役副社長
工作機械・メカトロ事業本部長

製造業の変革は世界的な動き
あらゆる規模の企業が渦中に

 従来の取り組みの延長だけで製造業の競争力を維持・向上することはもはや難しい。こうした認識は工業先進国だけでなく新興国にも定着しつつあります。ものづくりを巡る変革の動きは、いまや世界的なトレンドと言えるでしょう。その渦中にいるジェイテクトが、これからも市場に貢献するために何をすべきか考えた結果として生まれたのが、IoEのコンセプトと、IoEをベースに生産システムを構築するラインビルダーとしての活動を強化することでした。

「つながる時代」をIndustrie 4.0で確信

 この方向性を打ち出そうと考える大きなきっかけとなったのが、2015年4月にドイツで開催された世界最大規模の産業技術見本市「ハノーバー・メッセ」で、ドイツのメルケル首相が改めて発信した国を挙げて推進する製造業革新の国家プロジェクト「Industrie 4.0(インダストリー4.0)」でした。これを聞いたとき、いよいよものづくりの変革が世界規模の動きになったと確信したのです。これには長年にわたってものづくりに携わってきたジェイテクトの製造現場に私自身が長くかかわっていたことが大きいと思います。

 ジェイテクトは豊田工機と光洋精工が合併して2006年に誕生しました。両社とも、ものづくりの分野で長い歴史と実績があります。トヨタ自動車の工機部門から分離独立して1941年に設立された豊田工機は、自動車の製造に欠かせない工作機械を手掛けてきました。光洋精工は1921年にベアリングを祖業として創業しました。1988年には世界初の電動パワーステアリングを開発しています。

 私は1975年に光洋精工に入社して以来、生産技術部門を長らく担当していました。このためデジタル化によって、ものづくりのバリューチェーン全体をつなぐというメルケル首相が語るコンセプトが、現場に革新的な進化をもたらすということが肌感覚で分かりました。

1970年代から「ラインビルダー」

 この頃からものづくりの発展のためにジェイテクトが担うべき役割が何かを考え始めました。そして、生産システムに直接かかわる工作機械や制御機器を担当する工作機械・メカトロ事業部が中心となって新しい時代の生産システム構築をトータルサポートする「ラインビルダー」の看板を掲げることにしたのです。そのうえで「つながる時代」の生産システムを実現する基盤のコンセプトとして、ジェイテクト流IoT(Internet of Things)である「IoE」の構想を固め、関連する技術開発を加速。さらに組織の整備にも着手しました。

 実は「ラインビルダー」の仕事は、40年以上も前から手掛けています。ジェイテクトはトヨタグループの一員ですが、1970年代から同社の生産ライン構築に直接かかわっています。同社の生産ラインで初めて使われた汎用コントローラは当社が開発した「TOYOPUC(トヨプック)」でした。このほかにも、工作機械のお客様を中心に数多くの企業の生産システム構築をお手伝いしてきました。つまり、工作機械や制御機器のメーカーでありながら、システム構築まで踏み込んだサービスを提供してきました。このような企業は、日本では少ないのではないでしょうか。