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日経テクノロジーONLINE SPECIAL
TOP INTERVIEW・後編 「つながる製造業」は大きな流れとにかく一歩を踏み出すべき

製造業が大きな変革期を迎え、いま多くの企業がものづくりの革新に挑もうとしている。こうした企業を、ジェイテクトは「ラインビルダー」として積極的に支援する考えだ。その取り組みの軸となるコンセプト「モノ・ヒト・コトをつなぐ『IoE(Internet of Everything)』」の本質や、同コンセプトの背景にあるビジョンなどについて同社取締役副社長の井坂雅一氏に聞いた。

井坂雅一
ジェイテクト
取締役副社長
工作機械・メカトロ事業本部長

革新のカギを握る中堅/中小企業
新時代への対応で二極化の恐れ

 いま製造業で進んでいる革新の原動力となっているのがIT(情報技術)です。ITを駆使して、ものづくりのバリューチェーン全体をつなぎ、合理的かつ効率的な生産システムを実現するとともに、社会の高齢化や環境問題などものづくりにかかわる様々な社会的課題を解決するというのが現在の製造業の大きな方向ではないでしょうか。ジェイテクトが推進するコンセプト、IoEもこの方向に沿っています。ここで重要なポイントは、ものづくりの現場に合わせて適切な形でITを導入すること。いわゆる、「ITとOT(Operational Technology:現場の技術)の融合」を進めることです。

 当社が言うOTには、TPSの思想が根底にあります。TPSでは人の役割が必要不可欠であり、特に重要な要素は「人材育成」や「たゆまぬ改善」です。ジェイテクトでは「人が主役のスマートファクトリー」を推進していますが、それも「人の知恵と成長なくして設備やライン、工場の進化はあり得ない」と考えるからです。

 また、ITとOTの融合を図って製造業全体の革新を実現するうえでカギを握っているのは、日本のものづくりを支える中堅/中小企業の皆様だと思っています。このため、IoEのコンセプトに基づくラインビルダーとしてのジェイテクトの事業は、中堅/中小企業の皆様を主なターゲットにして展開しているのです。

つながる企業が有利な時代に

 「つながる時代」を見据えた製造業革新への取り組みを進めているのは、いまのところ資金、人材、技術のリソースが比較的豊富な大企業が中心です。その一方で、リソースに余裕がない中堅/中小企業では、なかなか進んでいません。

 大企業に追随する形で、一部の中堅/中小企業の間でITを活用した製造業革新の取り組みは進むでしょう。この結果、中堅/中小企業の間で、二極化が進んでいくのではないかと危惧しています。つまり、ものづくりのトレンドに追随できる企業と、後れを取ってしまう企業に明確に分かれてしまうということです。

 受注、生産管理、資材調達、品質、納入などのプロセスを従来のスキームで進めている企業、つまり「つながらない企業」は、仕事を受注できなくなり、市場で淘汰されてしまう恐れもあります。つながっていることが前提の発注者側から見ると、生産や品質、そして納品などの情報がオンラインで共有できると安心ですし、合理的なサプライチェーンを構築するうえでありがたいです。つまり、つながる時代を意識した革新に取り組むことが大切だと感じます。

 これがジェイテクトが中堅/中小企業の皆様をターゲットにラインビルダー事業を展開し、ものづくり全体の発展に貢献したいと考えるもう一つの理由です。