• BPnet
  • ビジネス
  • PC
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • NATIONAL GEOGRAPHIC
  • 日経電子版
日経テクノロジーONLINE SPECIAL
IoE導入事例:双葉工業/「工具の寿命を正確に把握したい」

多彩な工作機械を駆使して少量多品種の機械部品加工を請け負う双葉工業は、IoEソリューションを導入し、加工装置で使う工具の寿命をあらかじめ把握できるシステムを開発。横形マシニングセンタに実装している。

都築 俊行
ジェイテクト
作機械・メカトロ事業本部
IoE推進室 第一グループ グループ長
都築氏

双葉工業株式会社

  • 本社・工場:愛媛県松山市南吉田町2370-1
  • 資本金:1,000万円
  • 設立:1987年10月
  • 従業員数:46名
  • 業務内容:高精度なFA製品、繊維機械などの精密部品加工
脇坂 和典
ヒカリグループ
双葉工業
製造部 次長

 双葉工業は、横形・立形マシニングセンタ、5軸加工機、CNC旋盤、放電加工機、成形研削盤など約30台の工作機械を保有し、機械部品の受託加工サービスを展開している。「あらゆる種類の加工に対応し、様々なお客様のニーズに柔軟に対応できる体制を整えています」(双葉工業 製造部 次長 脇坂和典氏)。同社が、IoEを導入して取り組んでいる大きな課題がマシニングセンタで使う工具の寿命管理である。

 マシニングセンタとは、内部に搭載した多数の工具を自動的に切り替えながら切削加工を施す装置だ。加工時の摩耗などによって工具が劣化すると加工精度や信頼性が低下することから、工具は一定時間ごとに取り替えるのが一般的だ。「一つの部品を完成させるために、数時間はかかります。この途中で、工具が破損してしまうと、加工中の部品は不良品として廃棄しなければなりません。このため、工具の寿命管理は、とても重要です」(脇坂氏)。

 ところが、これまで工具を交換するタイミングの判断は、作業者の経験や勘に頼らざるを得ず、正確に把握するのは難しかった。「工具の寿命は、単純に延べ使用時間で判断できるものではありません。加工する部品の材料や作業の内容など様々な要因によって工具の寿命が変わります。複数の要因を把握し、総合的に寿命を見極める手法がないことから、工具の劣化によって発生する加工音の変化などから作業担当者が寿命を判断していました」(脇坂氏)。 

 工具の寿命を正確に把握できるようになれば、不良品の発生を防げるうえに、工具の交換タイミングを適切に管理することで生産計画の精度を高めることができる。

工具の寿命予測に目処
現場の意識も積極的に

 同社が、工具の寿命診断システムを実装したのは、2016年春に新たに導入した2台のジェイテクト製横形マシニングセンタのうちの1台だ。同機に装着したジェイテクトのエッジ型解析モジュール「TOYOPUC-AAA」が、マシニングセンタに取り付けたセンサー群から、主軸の振動やトルクほか、切削油の温度、流量、圧力などの情報を収集。同時にマシニングセンタに内蔵するコントローラ(CNC)からも加工内容に関する情報などを吸い上げる。さらに、収集したデータを整理したうえで、その結果をオンラインでサーバーに送信。サーバーに接続された大画面ディスプレイの「見える化ボード」に収集したデータを基にした様々な情報がグラフィカルに表示される。

 このシステムには、ジェイテクトが開発した工具の寿命診断アルゴリズムが実装されている。マシニングセンタから収集したデータと、双葉工業の情報システムから引き出した材料や作業指示などのデータをサーバーで統合。そこから個々の工具の寿命を割り出す。さらに機械学習の技術を使って、寿命診断の精度を高める機能も盛り込まれている。事務所のディスプレイには、工具の累積使用時間がグラフで表示されており、寿命が近づくにつれてグラフの色が変化する。現在、20本の標準工具のうち頻繁に使う6本に絞り込んで、この寿命診断システムを適用している。