生産現場で支持される光学測定
顕微鏡を起源とした独自の光学技術を、測定や検査工程を効率化するソリューションとして昇華したカールツァイス。その用途は自動車分野をはじめ、医療なども含めたさまざまなものづくりの現場で活用されている。その活用法を具体的な事例を通して紹介していく。

Volkswagen/ZEISS AIMax 最先端の工場で検査に活用

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 世界的な自動車メーカーであるドイツのVolkswagenは、ポーランド・ポズナンで主力商用車の1つである「Crafter」の生産工場を持っている。2016年に操業を始めたこの工場は、同社の欧州の生産拠点の中でも特に最先端の設備を集めた施設であり、3分半ごとに1台のペースでCrafterを次々と生産することができる。

 その最先端の設備の1つとして導入されているのが、カールツァイスの車体計測ソリューション「ZEISS AIMax」だ。生産ラインの中に配置可能なZEISS AIMaxは、近赤外線のLEDとロボット制御により高精度かつ高速な測定が可能なことが特徴で、タクトタイムに支障を与えることなく全数検査を実現できる。

ZEISS AIMax

 VolkswagenはこのZEISS AIMaxで車体の穴の位置や隙間、平面などの形状測定を行い、シャーシ、サイドパネルなどの検査業務に活用。車体の外からだけでなく、ロボットのアームを制御して車体の内部から測定するなど、外観からはチェックしにくい場所なども検査できるようになったという。また、形状の測定だけでなく、画像として取得することで、オペレータでチェックをする際にも生かしている。例えば、取り付け穴に塗布する接着剤の量を、画像をもとに確認し、その場で調整するようなことも可能なわけだ。

 同社ではロボットの制御プログラム開発用に、オフラインの設備も用意。そこでじっくりと測定し完成度を高めてからラインに転送するため、ラインを止めることなく、検査の信頼性を継続的に高めることが可能になったという。

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株式会社クロスエフェクト/ZEISS METROTOM 3D臓器モデルの精度評価に活用

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 光造形や真空注型などによる試作品製作を手掛ける京都の株式会社クロスエフェクト。試作品の検査用途の1つとして、カールツァイスのX線CT「ZEISS METROTOM」を活用中だ。開発工程の「短縮化」こそがユーザにとっての最大価値と考え、あらゆる手法を使ったスピーディな試作品製作することを強みとする同社のソリューション。製造業全体が開発期間の短縮を追求するなか、有効な方法としてユーザに受け入れられている。

 ただし試作を製作するうえで、スピードだけを追求すればよいものではない。同社では、現在医療分野で躍進。臨床研究を行いつつ、より精度の高い試作品製作を可能にする開発を行っている。その精度評価に同社が利用しているのがZEISS METROTOMだ。

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 医療分野で同社が注目されるのは、手術のシミュレーションに活用できる3D臓器モデルを開発したことが大きい。臓器のCTスキャンデータを3Dモデル化し、3Dプリンティングで出力して樹脂製の臓器を作ることを世界に先駆けて成功。現在、医療現場での有用性と信頼性をより高めるため、臨床研究を実施している。

 この技術で肝心なのが高精度な形状・モデル評価だ。実際の臓器のCTデータと樹脂で製作した臓器の大きさや形状が違っていては、シミュレーションする意味がなくなってしまう。樹脂製の臓器モデルの大きさや形状を正確に測り、CTデータと照らし合わせるための技術が求められる。

 そこで同社では、再現した樹脂製の臓器をZEISS METROTOMで測定。もともとCTスキャンで測定したデータと寸分違わないかどうかを確認するために活躍しているという。測定精度を保証しているZEISS METROTOMだからこそ可能な活用法といえる。

ユーサン精密株式会社/ZEISS METROTOM ZEISS O-INSPECT 測定作業の工数が半減

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 世界中の自動車メーカーで採用されている部品用の金型製造を中心に活躍する岡山のユーサン精密株式会社。同社では、ワークを非破壊で検査するためにカールツァイスのX線CT「ZEISS METROTOM」を導入している。通常ワークを検査する際は、治具でワークを固定して行うが、検査対象のワークが繊細な場合、固定するだけで変形してしまう。そこで検査を非接触で行えるZEISS METROTOMを導入。固定が不要で形が崩れることがないため、正確な形状を得ることができるようになったという。

ZEISS O-INSPECT

 他にも、同社は光学測定ソリューション「ZEISS O-INSPECT」も活用している。ZEISS O-INSPECTは、プローブによる接触式の測定と画像による非接触の測定に加え、高さ方向の測定に強いホワイトライトセンサを組み合わせたマルチセンサ測定機。ワークの形状によって測定が難しい部分が出てきた場合、これまでは破壊検査に頼らざるを得なかった。だが、ZEISS O-INSPECTを導入することによって、壊す無駄のない測定を実現。段取り替えなども不要になり、一度に評価できるようになったことで、測定作業にかかる工数は半減したという。

BMW/ZEISS VoluMax 内部の3D測定で不良率を低減

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 自動車メーカーが測定物の内部を観察する場合、一般的には2DのX線を使用することが多い。しかし、より高い精度保証を求めるドイツのBMWでは、3DのX線で検査を行っている。

 同社がX線CTソリューションの「ZEISS VoluMax」を活用しているのは、シリンダーヘッドの生産ライン。シリンダーヘッドは鋳造品をマシニング加工することで作り出されるが、鋳造品の中には内部にクラックやボイドが発生していることがある。これらによる隙間の存在を考慮せずそのままマシニング加工すると、場所によってはその隙間が表面に出て使い物にならなくなってしまいかねず、時間をかけた加工が無駄になってしまう。

 こうした事態を防ぐためには、切削しても表面に出ないか事前に確認するために、隙間の位置を正確に測る必要がある。立体物の中での位置を特定するには、当然ながら3Dで測定しなくてはならない。そこで同社は業界で一般的な2Dではなく、3DのX線CTソリューションを導入したのである。加工すると不良品になりかねない鋳造品を加工前に排除することが可能になり、不良率の低減が進んだという。

 シリンダーヘッドは全数検査が必要だが、それを生産ライン内で行うには、検査精度だけでなく検査のスピードも要求される。ZEISS VoluMaxは生産効率に影響しないレベルでの高速測定が可能なのも特徴だ。CADの設計値からの誤差などを具体的な数値で検証し、追加の加工で対応できるのか、それともやり直す必要があるかなどの意思決定を、数値に基づいて行えるようになったという。

ZEISS VoluMax

Greiner Packaging/ZEISS VoluMax 検査項目が2倍でも時間は短縮

ZEISS VoluMax

 欧州の包装材メーカーGreiner Packagingでは、食品や消費財を包むパッケージを生産する中で、X線CTソリューション「ZEISS VoluMax」による全数検査を行っている。同社によると、顧客からの包装材に対する品質要求が高まるにつれて、包装材は単純な製品ではなく、もはやハイテク製品といえるほどにまで高度化が進んでいるという。それに伴って検査項目も増加を続けているのが現状だ。

 これまで同社は、顧客が用意するゲージなどを使った検査を行ってきた。しかし高度化する時代に追い付かなくなってきたことから、検査工程のデジタル化に取り組むことにした。そこで重要な役割を担うのがZEISS VoluMaxによるCT検査だ。

ZEISS VoluMax

 ZEISS VoluMaxは生産ラインの最後に配置され、ワークの流れと同期するように検査を行う。従来は8個のパラメータの検査に45分かかっていたものが、30分で16個のパラメータを検査できるようになるなど、検査効率の飛躍的な向上を果たしているという。装置の中にワークを置く以外の手作業はなく、多くの工程が自動化されたことで、品質管理部門の生産性向上も果たしている。

 従来は検査データを担当者がフォームに書き写す必要があったが、デジタル化によりパラメータの記録も自動化。担当者の作業時間短縮だけでなく、転記ミスなどヒューマンエラーも防ぐことができるようになったのも大きな効果だ。

測定機ワーク対応表

 一部の活用事例や対象部品などについて紹介してきたが、他にもさまざまな組み合わせや活用法があるカールツァイスの測定技術。今後も、新たなソリューションを生み出し、活躍していくだろう。

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