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ハリウッド実写版 攻殻機動隊 公開記念 ─ ホリエモンが語るゴースト・イン・ザ・シェルの世界

日本が誇るSF作品の金字塔「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」。スティーブン・スピルバーグ、ジェームズ・キャメロン、ウォシャウスキー姉妹など、世界の名だたる映画監督に影響を与えた名作で、未だ世界のカルチャーシーンで多大なる存在感を示している。これまで、原作コミックを核として、多数のアニメシリーズ、アニメ映画が制作されてきたが、ついにハリウッドで実写化。それが、4月7日に公開となる「ゴースト・イン・ザ・シェル」だ。作品が持つ世界観や近未来の技術をどのように描くかなど、大きな話題となっている。公開を前に、アニメ作品や攻殻機動隊の世界観を知る堀江貴文さんに、独自の視点から映画の感想を語ってもらった。

世界中のクリエイターがその世界観に影響を受けさまざまな作品やカルチャーを生み出した

堀江氏

堀江 貴文さん

1972年、福岡県生まれ。実業家、株式会社ライブドア元代表取締役CEO、SNS media&consulting株式会社ファウンダー。現在は、ロケットエンジンの開発やスマホアプリのプロデュース、有料メールマガジンの配信、会員制コミュニケーションサロンの運営など、幅広く活躍

 「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」を今、ハリウッドで実写化する意味は何なのか? 堀江さんは映画を見ながら、そんなことを考えていたという。

 僕はマトリックスが好きなんです。あの映画が攻殻機動隊の持つ独特な世界観にインスパイアされているのは、日本のファンには有名な話。そういった背景も含めて、SF作品が好きな人は、攻殻機動隊を“教養”として知っている。

 ただ、アニメが苦手で攻殻機動隊を見ていない人は多くいると思います。そんな人でも、実写ならこの世界観を感じることができると思って製作したのではと理解しました。

 攻殻機動隊を“教養”と表現した堀江さん。その表現はとても的確だ。実際、世界中のクリエイターがその世界観に影響を受け、マトリックスを始めとした、さまざまな作品やカルチャーを生み出すきっかけとなった。驚くべきは、その近未来像や世界観が描かれた原作コミックが生まれたのは、25年以上も前だということだ。

 確かに、25年前に描かれた近未来像としてはイケていますよね。映画の中に出てきた描写でも、ホログラフィーが屋外広告として街中に浮かび上がっているところは、もうそろそろ実用化されようとしているし、現在の延長線上にありそうな近未来だと感じました。

 ただ、それ以外のテクノロジーの表現は、個人的にはもう一歩踏み込んだものが見たかったかな。例えばタバコ。ライターで火を付けるシーンは、電子タバコの先にあるものを見せてほしかった。ほかにも、少佐とバトーが車に乗っているシーンがあるけれど、数年先の移動手段として2人で車に乗って人が運転することはないんじゃないかなって気がしますね。

 ちょっと気にしながら見過ぎたかもしれませんが(笑)。

アニメ作品に忠実でありながらの実写化。攻殻機動隊という作品に敬意が払われている

映画イメージ
少佐を演じるのは、「2016年最も興行収入を稼いだ俳優ランキング」で堂々首位のスカーレット・ヨハンソン。吹き替え版はアニメシリーズでも声優をつとめた田中敦子だ

 その感覚は、少佐がバイクで疾走するシーンにもあったという。アニメ作品では、少佐がバイクを操るシーンが印象的に描かれている。だからこそ、「やっぱり、あのバイクが出てこないと、ファンが納得しないのかな」と思ったという。

 ファンが攻殻機動隊を神格化しているから、ハリウッドのオリジナル感を出すのが難しかったのかも。個人的には、もっと大胆にリメイクしてもよかったと感じました。

 ただ、オリジナル感を出し過ぎると、攻殻機動隊の世界観を壊すことにもなる。特にマニアの評価が高い作品だと難しいところですよね。

 なので、これはある意味、とてもアニメに忠実に仕上がっていると思いますよ。ファンにはうれしいんじゃないですか。

 実は、堀江さんが指摘した通りのことを、製作総指揮のジェフリー・シルヴァーが次のように述べている。

 「世界中にファンがいる作品に取り組むときには、ファンたちに心から敬意を払いながら、相手が期待するすべてを与えなければならない。その上で新たなものを加えるんだ」

 原作コミックの世界観とアニメの表現。攻殻機動隊という作品に敬意が払われた映画作りが、そこには感じられる。

ゴースト・イン・ザ・シェル