次世代にツナグ ~アマゾンマナティーの減少をくい止める~

絶滅の危機にある、地球で唯一の草食性水生哺乳類であるマナティーの一種、アマゾンマナティー。伊藤忠商事が支援するアマゾンマナティーの野生復帰支援事業は、保護したマナティーを野生に戻す活動を通じ、地域住民や子どもたちがマナティーについて学び、共生する意識が根付いていくことを目指している。

写真上(2枚目):国立アマゾン研究所の水槽で泳ぐアマゾンマナティー親子(胴部に行動記録装置を装着して計測中)
写真右:国立アマゾン研究所にマナティーの赤ちゃんが保護されてきた様子

アマゾンマナティーの野生復帰支援プロジェクト

※1 国連が掲げる「持続可能な開発目標
(Sustainable Development Goals: SDGs)」とは、
すべての国連加盟国が2030年までに取り組む17分野の目標

アマゾンマナティーの野生復帰事業は、マナウス・国立アマゾン研究所と京都大学野生動物研究センターが進めるプロジェクト※2。アマゾンマナティーが絶滅危急種※3となった理由は、過去に遡れば、丈夫な皮を工業用のベルトコンベアなどの製品に利用するために行われた乱獲があげられる。現在においては、食肉目的の密猟によって数を減らしている。

同プロジェクトは、密猟によって負傷したり、母親を殺され孤児となったマナティーを野生に戻すために、水槽飼育、半野生環境での飼育、そしてアマゾン川への放流と、3段階で野生復帰を行っており、これをソフトリリーシングと呼んでいる。目標は3年で10頭以上の野生復帰だ。実は、アマゾン川は非常に濁っているため、川沿いの村では生きているマナティーを見たことがない人も多い。そこで、地域の子どもたちへの環境教育として、放流するマナティーを実際に見てもらい、彼らの現状を伝えることで、マナティーの研究・保全活動に対する理解を深められるようにしている。

※2 JST-JICA SATREPS “フィールドミュージアム”構想によるアマゾンの生物多様性保全プロジェクト
※3 IUCNレッドリストデータ

アマゾン川上流Rio Purus(プルス川)にあるCuiuanã(クユアナ)を含む近隣のコミュニティーでは、放流時にマナティーお披露目会を行うことで、住民に理解を深めてもらっている

>>アマゾンの生態系保全プログラムサイトはこちら

生物との共存を目指して

地球で唯一の草食性水生哺乳類であるマナティーの一種、アマゾンマナティーは、アマゾン川のシンボルともいえる動物。しかし、絶滅危急種に指定され、保護は緊急課題だ。伊藤忠商事は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標15で定められている生物多様性の損失の阻止につながるものとして、2016年より3年の計画で、アマゾンマナティーの野生復帰支援事業をサポートしている。

支援に至った背景を、伊藤忠商事株式会社代表取締役 専務執行役員 CAOの小林文彦氏は以下のように語る。「『ひとりの商人』として社会への責任『無数の使命』を果たすことが大切だという理念が弊社にはある。世界の様々な地域において、幅広い分野で多角的な企業活動を行う私たちは、経営課題の一つとして「環境保全」を掲げ、持続可能な社会の実現に努めている」。

アマゾン川流域は、コンゴ川流域、ボルネオの熱帯林と並び「地球の3つの肺」と称される地域。今回の協賛により、伊藤忠では3地域すべてで環境保全活動を行うことになった。また、次世代育成を目的に、生物と共存する大切さを教える教育活動にも力を入れている。

また、次世代育成を目的に、生物と共存する大切さを教える教育活動にも力を入れている。9月初旬、伊藤忠商事本社ビル横にある社会貢献型ギャラリー「伊藤忠青山アートスクエア」で開催する展覧会では様々なゲストを迎えて環境保全の重要性を伝えていく。

伊藤忠商事株式会社
代表取締役 専務執行役員 CAO
小林 文彦 氏

伊藤忠商事株式会社https://www.itochu.co.jp