目指したのは「さらなる高み」 日本を代表する高級ウオッチブランドの世界に向けた新たなる冒険

グランドセイコーが、その輝かしい歴史に新たなページを刻んだ。
セイコーブランドのハイエンドラインから脱し、独自の世界観を持つブランドとしてスタートを切ったのである。
そこに込められた想い、そしてグランドセイコーのフィロソフィについて、
「ブランド」「技術」「歴史」の3つの視点から紐解いていこう。

NEW BRAND CONCEPT 新たなブランドコンセプトが放つ、未来への展望

今年、セイコー、そして国産腕時計の最高峰コレクションとして君臨してきたグランドセイコーが新たな挑戦をスタートさせた。「The next step forward(さらなる高みを目指して)」というスローガンを掲げ、セイコーから独立したブランドとして生まれ変わったのである。

グランドセイコーが独立ブランドになったことは、新モデルの文字盤を見れば一目瞭然。これまで12時の位置にあったお馴染みの「Seiko」のロゴがない。代わりに「Grand Seiko」のロゴが配置されているのだ。

  • 初代グランドセイコー リミテッドコレクション2017「復刻デザイン」

    初代グランドセイコー リミテッドコレクション2017「復刻デザイン」
    18Kイエローゴールドモデル SBGW252 180万円+税 世界限定353本

  • 初代グランドセイコー リミテッドコレクション2017「復刻デザイン」

    初代グランドセイコー リミテッドコレクション2017「復刻デザイン」
    プラチナ999製モデル SBGW251 320万円+税 世界限定136本

  • 初代グランドセイコー リミテッドコレクション2017「現代デザイン」

    初代グランドセイコー リミテッドコレクション2017「現代デザイン」
    SBGR305 75万円+税 世界限定968本

さらに、どちらかと言えば、これまでビジネスユースのイメージが強かったラインアップにも変化が。ブランド誕生以来の伝統を受け継ぐコレクションの他、ダイバーズウオッチをはじめとする本格スポーツコレクション、レディスモデルを中心に宝石や貴金属をあしらったエレガントコレクションにも力を入れていくという。これまで培ってきた高い実用性、信頼性はそのままに、ラグジュアリーシーンなど、様々な要求に応えることで、「実用時計の最高峰」を目指すブランドから、世界の高級時計メーカーと肩を並べるラグジュアリーウオッチブランドへ進化しようというのだ。

とは言え、今回のブランドリニューアルは始まりに過ぎない。これまで腕時計に数々の革新をもたらしてきたグランドセイコーのことだ。今後もさらなる高みを目指して、進化を続けていくのは間違いないだろう。

THE ART OF WATCHMAKING 世界に誇れる高精度と美しさ
その発展を支えた日本最高の技術力

  • シースルー仕様のケースバックから、時計の心臓部であるムーブメントの動きを見ることができる。

    シースルー仕様のケースバックから、時計の心臓部であるムーブメントの動きを見ることができる。
    ※シースルーバック仕様かどうかはモデルによって異なります。

  • 熟練の技を持つ時計師が、精密に加工された部品をひとつひとつ組み上げていく。

    熟練の技を持つ時計師が、精密に加工された部品をひとつひとつ組み上げていく。

  • 熟練の技を持つ時計師が、精密に加工された部品をひとつひとつ組み上げていく。

    熟練の技を持つ時計師が、精密に加工された部品をひとつひとつ組み上げていく。

  • メカニカルウオッチの精度をつかさどる「てんぷ」のひげぜんまいを、ピンセットで微調整する。ほんのわずかなブレも見逃さない。

    メカニカルウオッチの精度をつかさどる「てんぷ」のひげぜんまいを、ピンセットで微調整する。
    ほんのわずかなブレも見逃さない。

グランドセイコーは、1960年の発売以来、その品質の高さで、世界中を驚かしてきたが、それができたのも、高度な技術力があったからに他ならない。

腕時計の精度は駆動機構(ムーブメント)に集約されるが、その種類が豊富なことはグランドセイコーの特徴の1つ。メカニカル(機械式)、クオーツ、スプリングドライブの3種類があり、いずれも技術の粋を尽くした高精度かつ革新的なムーブメントである。

例えば、ぜんまいを動力源とする機械式ムーブメントの製造には、パーツの加工精度を高め、時計の正確さを向上させるために半導体の製造技術を応用した「MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)」という最新技術を採用。これにより0.001mm単位という高精度なパーツが作れるのだ。

また、クオーツムーブメントは、従来のクオーツの常識を覆すものである。その理由は、年差±10秒という精度の高さだけではない。製品を見ると機械式と同様の太く存在感のある針が時を刻んでいるが、この事実こそが革新的なのだ。一般的なクオーツのムーブメントはトルクが小さく、太く重い時計針を動かすことができない。しかし、エネルギーを節約しながら重い針を動かせる「ツインパルス制御モーター」を開発したことでこの弱点を克服。そもそもクオーツ式腕時計は、水晶振動子の小型化に成功したセイコーが、実用化に漕ぎ着けたものである。つまり、開発者自身が技術を進化させ、まさに「クオーツを超えたクオーツ」を作り上げたという訳だ

そして、3つのムーブメントの内、最も独創的なのが、1999年に発表された(グランドセイコーでは2004年に発売)スプリングドライブだ。機械式同様にぜんまいを動力源としているため、電池不要ながら、水晶振動子の発振により正確な時を刻むことができる。いわば機械式とクオーツ両方の長所を併せ持つセイコー独自の機構だ。

このようなムーブメントを開発する技術力の他にも、細かいパーツが入り組む腕時計の組み立て・調整には熟練した匠の技が必要なのは言うまでもない。特に高品質を誇るグランドセイコーならなおさらだ。

グランドセイコーは部品の設計・製造から組立、調整、検査、出荷まで自社ですべて担う「マニュファクチュール」ブランドだ。そして、時計の仕組みを知り尽くす、卓越した技術を持つ職人だけに作ることが許されているという。それは今も昔も、そしてこれからも変わることのない進化を積み重ねた伝統なのである。

HISTORY 伝統と革新
グランドセイコーの輝かしい歴史とは

1960年 「初代グランドセイコー」誕生
1964年 カレンダー機能が搭載された「GSセルフデーター」発売
1967年 「44GS」発売。このモデルでセイコースタイルを確立
同年 グランドセイコー初の自動巻モデル「62GS」を発売
1969年 精度が月差±1秒以内という、機械式腕時計としての正確さを極限まで追求した「61GS V.F.A.」「45GS V.F.A.」を発売。V.F.A.とは「Very Fine Adjusted」の略
1988年 グランドセイコー初のクオーツ式腕時計「95GS」登場
1993年 従来のクオーツでは実現不可能だった「バックラッシュオートアジャスト機構」「ツインパルス制御モーター」など、革新的な機構を採用した「9F8シリーズ」発売
1998年 「メカニカル9S5シリーズ」発売。新GS規格による機械式のグランドセイコーが復活
2002年 グランドセイコーの歴史で初めて時分秒針以外の4本目の針(24時針)を搭載した「メカニカル9S56」が発売される
2004年 グランドセイコー初のスプリングドライブ搭載モデル「9R6シリーズ」登場
2006年 最大巻上時約72時間のロングパワーリザーブを実現した「メカニカル9S67」発売
2007年 グランドセイコー初のクロノグラフ、スプリングドライブ「9R8シリーズ」誕生。最も正確で信頼性の高いぜんまい駆動のクロノグラフ
2009年 グランドセイコーのために41年ぶりに新規開発された自動巻10振動ムーブメント「キャリバー9S85」を搭載した「メカニカルハイビート36000」発売
2016年 セラミックスを初めてケース全面に採用した「ブラックセラミックス」発売
同年 スプリングドライブで最大約8日間の連続駆動を可能にした「スプリングドライブ8Days」発売
2017年 さらなる高みを目指し、独立ブランドへ
初代グランドセイコー

1960年 初代グランドセイコー

1960年「世界に誇れる国産最高級の腕時計」を目指して誕生した初代グランドセイコーは、国産腕時計では初めてスイス・クロノメーター検査基準(B.O)優秀級規格に準拠したモデルとして発売。品質の高さだけでなく、太い針とインデックスの存在感が際立つ優美なデザインが目を引くモデルであった。

44GS

1967年 44GS

1967年に発表された「44GS」によって、「セイコースタイル」と呼ばれるグランドセイコーのデザイン理念が確立。現在も受け継がれる「造形の美」と「時計としての見やすさ(視認性)」を両立したこのスタイルこそ、ひと目でグランドセイコーらしさを感じさせるアイデンティティの1つになっているのだ。

95GS

1988年 95GS

1970年代は、クオーツ式腕時計の普及により機械式腕時計の需要は減り、機械式腕時計で高精度を極めたグランドセイコーも、その存在意義を失う。そんな中、発表されたグランドセイコー初のクオーツ式時計「95GS」は、年差±10秒というクオーツとしても非常に高い精度を実現し、世間を驚かせた。そして、再びグランドセイコーの名を世に知らしめたのである。

9S5シリーズ

1998年 9S5シリーズ

1990年代に入り、時計愛好家の中から機械式時計を求める声に後押しされるように、グランドセイコーでも機械式腕時計を復活させる。その先駆けとなったのが「9S5シリーズ」である。スイス・クロノメーター規格を上回る独自基準「新GS規格」と、それをクリアする完全新設計のムーブメントによって、国際基準を凌ぐ精度を有する、新時代の機械式腕時計が誕生した。

9R6シリーズ

2004年 9R6シリーズ

2004年、セイコー独自のムーブメントであるスプリングドライブが搭載されたグランドセイコーがお目見えする。電池を使わずにクオーツ並みの高精度を実現したこの駆動方式は、世界中の時計メーカーや職人を驚愕させるに十分な発明であった。

その後も、GMT表示機能やクロノグラフといったバリエーションをスプリングドライブで生み出すなど、グランドセイコーは、挑戦の手を緩めることなく、腕時計の世界に様々な革新を起こし続けてきたのである。

THE NEXT STEP FORWARD グランドセイコー さらなる高みを目指して

毎年スイスで開催される時計と宝飾の祭典、バーゼルワールド。
そこで行われたグランドセイコーの新たな挑戦に関する発表会やセイコーウオッチの服部真二会長兼CEOのインタビューの模様をご覧ください。