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女性だからこそ凝りやすい!現代女性の「肩こり」事情

女性だからこそ凝りやすい!現代女性の「肩こり」事情

女性だからこそ凝りやすい!現代女性の「肩こり」事情

2017.09.28

渡辺満樹子=ライター
三弓素青=イラスト(図版)

スマホ・パソコンの長時間使用で、首への負担が増えた

現代人に肩こりに悩む人が多い理由として、専門家が指摘するのがスマホとパソコンだ。

「人の頭は約5kgもの重さがあり、背骨はS字にカーブを描くことで体の負担を軽減している。ところが最近では、スマホやパソコンで首を前傾させる時間が長くなり、首の骨が本来の前カーブを失った“ストレートネック”と呼ばれる症状になる人が増えている。ストレートネックになると、連鎖するように背骨のカーブも失われ、首や肩回りの筋肉に過剰な負担がかかる。特に女性は男性よりも弱い筋力で頭を支えているため、首の筋肉が疲れやすい」と話すのは、KIZUカイロプラクティックグループ代表院長の木津直昭さん。本来ならば首を前傾しても、まっすぐ立ったときに自然なカーブに戻る。しかし、悪い姿勢の積み重ねによりストレートネックになると、元のカーブに戻れなくなってしまうのだ。

特にストレートネックの原因になりやすいのがスマホ。電車で周りを見回すと、ほとんどの人がイラストのようにうつむいた姿勢になっているのでは? 実際に海外の研究では、直立したときの首に比べて、首を下に30度傾けてスマホを見る姿勢では、首への負担は約3倍という報告も。同じく、デスクワーカーに多い「猫背座り」もストレートネックの原因に。「頭が体の中心軸より前に出て、首の骨のカーブが失われやすい」(木津さん)。

これらの悪い姿勢による筋肉の疲れが、凝りの原因に。「特に首・肩甲骨の周りには複数の筋肉が関わり、1つの動きに対してそれぞれが多様な動きをしている。スマホやパソコンで前傾した姿勢が続くと、重い頭を固定しようと首が緊張するため、首の筋肉に負担が集中する。さらに画面を集中して見つめるときは、視線を安定させるために眼球や首の筋肉が動員される。長時間にわたって凝視することも、首の筋肉を緊張させる要因です」と順天堂大学医学部解剖学 教授の坂井建雄さんは説明する。

背骨は頚椎(けいつい)、胸椎、腰椎の合計24個からなり、頚椎と腰椎が前へカーブし、腰椎が後ろへカーブすることで重力から体を守っている。“うつむきスマホ”姿勢(中)や猫背の座り姿勢(右)が続くと、首本来のカーブが失われた“ストレートネック”という症状になり、首への負担が増加。
スマホ姿勢でうつむく角度による頚椎の負荷を算出したところ、直立したときの首の負担を5kgとした場合、30度下向きにすると16kg、60度では約27kgになるという海外の研究報告も。(Surg Technol int.Nov;25,277-279,2014)

>> 第2回では凝りのメカニズムを詳しく紹介します。

プロフィール

KIZUカイロプラクティックグループ代表院長

木津直昭さん

カイロプラクティック健康科学士(豪州)。日本では数少ないWHO基準カイロプラクターの一人。1992年、東京・日本橋で開業。PCやスマホによりゆがむ「マウス症候群」「スマホ症候群」研究の第一人者として、豊富な臨床経験に基づき新聞やテレビ等に多数出演。著書に『究極の座り方』(文響社)など多数。

順天堂大学医学部解剖学・生体構造科学教授

坂井建雄さん

東京大学医学部卒業後、ハイデルベルク大学研究員、東京大学医学部助教授を経て1990年より現職。専門は、人体解剖学と医学の歴史、腎臓と血管系の細胞生物学。著書に『面白くて眠れなくなる解剖学』(PHP文庫)など、医学の専門書から一般向けまで幅広く手がける。