“明日”をつむぐテクノロジー

社会インフラ事業での経験とIoT技術を生かし機器や設備の価値向上を支援 IoTサービス基盤の短期構築を実現する東芝の「IoTスタンダードパック」

半年から1年程度を要するIoTサービス基盤の構築期間を最短で5週間程度に短縮する東芝の「IoTスタンダードパック」。東芝が培ってきた遠隔監視のノウハウをベースに、機器(エッジ)側とクラウドが連携し分散処理を実行するエッジコンピューティングや、操作性を高めたユーザーインタフェースなど最新技術を組み合わせたのが特徴だ。産業機器メーカーからスマートシティ関連のプロジェクトまで、高まるIoT活用のニーズに応える。
深澤 滋 氏 株式会社 東芝 インダストリアルICTソリューション社 IoT&メディアインテリジェンス事業開発室 IoTコンサルティング&事業開発部 参事

保守運用などの効率化や新たなサービスの創出が図れるとして、IoT(モノのインターネット)に対して産業界から熱い視線が注がれ、活用が進んでいる。

横浜市、東京電力エナジーパートナー株式会社および株式会社東芝の3者は、横浜市内における「仮想の発電所」(バーチャルパワープラント:VPP)の構築に向けた実証実験をスタートさせた。この実証実験は、地域に分散する小規模な蓄電池を束ね、全体を1つの仮想的な発電所として機能させるもので、分散する蓄電池のIoT技術による群制御、電力の抑制を需要家に要請するデマンドレスポンス(DR)、節電分を経済的インセンティブに換えるネガワット取引など、電力の新時代に向けたさまざまな取り組みが進められている。[*1]

東芝のIoTスタンダードパックが
IoTサービスの短期構築を実現

サービスビジネスの創出を加速するIoTのサービス基盤の技術がパッケージ化され誕生したのが「IoTスタンダードパック」(図1)だ。「より手軽に、かつ、短期間でIoTシステムを構築したいというニーズに応えて、デバイス管理や見える化に必要な標準アプリ、機器側のデータ集約とクラウドとの通信を担うIoTゲートウェイ、IoTデータの蓄積に適したクラウドサービス、および運用サポートなどをパッケージにした、クイックスタートを実現するソリューションです」と、東芝でIoTソリューションを担当する深澤滋氏は説明する。

センシング対象となる機器や設備の属性、インタフェース、データ種別などをテンプレート化するとともに、IoTゲートウェイを接続するだけの「プラグ&プレイ」によって、導入の効率化を図ったのが特徴だ。

「社会インフラの遠隔監視を数多く手掛けるとともに、みずからがさまざまなものづくりを行ってきた東芝のノウハウが盛り込まれていて、お客様からは同じ目線で悩みを解決してくれるとご評価をいただいています」と深澤氏は東芝ならではの強みを訴求する。

【図1】東芝が提供する「IoTスタンダードパック」の構成と特徴
[図版のクリックで拡大表示]

機器や設備側に処理を分散する
エッジコンピューティングを推進

IoTスタンダードパックの特長は3つあると深澤氏は述べる。1つ目が「優れた操作性」だ(図2)。画面を、機械選択エリア、トレンド+イベントレコードエリア、機械稼動状態エリア、発報情報一覧エリアという4つの領域に分割し、対象装置の状態を分かりやすく表示するように工夫した。もちろんカスタマイズにも対応するという。

2つ目の特長が「エッジコンピューティング」である。センシングデータを送出するIoTゲートウェイにインテリジェント性を持たせて、すべてのデータをクラウドに上げることなく、ゲートウェイ側で分散して処理する形態を指す。

「エッジコンピューティングはネットワークトラフィックの削減やレスポンスの向上といったメリットをもたらすほか、故障時のみデータをクラウドに上げるように設定しておけば顧客の実操業データがそのまま外に出ることもありません。東芝は将来的には機械学習などの機能をエッジ側に搭載したエッジリッチコンピューティングを目指していきます」と、深澤氏は狙いと取り組みを説明する。

特長の3つ目が「クイックスタート」だ。規模にもよるが一般には構築に半年から1年程度を要するIoTシステムを、すべての条件が整った場合で最短で5週間程度で構築できるという。

その導入の手軽さから、先に紹介した横浜市の「バーチャルパワープラント(仮想発電所)」の実証実験においても、18カ所に設置された蓄電池の監視と見える化に活用されている。充電の状態などをセキュアなクラウド上に収集し、ダッシュボード画面に分かりやすく表示するとともに障害の発生を監視する、「エネルギーIoT」とも呼べる応用だ。

【図2】4系統の情報を直感的に把握できるようにデザインされた操作画面
[図版のクリックで拡大表示]

ビジネスの変革ツールであるIoT
包括的な体系で価値を共創

IoTスタンダードパック」は産業機器メーカーのグローバルな予防保全サービスの実現も支援する。例えば、日本の工作機械メーカーや設備メーカーの場合、まだまだ機械や設備の販売がビジネスの中心で、保守サービスは何らかの問題が発生した場合に客先へ駆けつけてから詳しい状態を把握して対応するケースが多い。

IoTスタンダードパックを使ってサービス基盤を整備すれば、国内のみならず海外の客先の装置の状態を常に把握できるため、予防保全を含む「攻めの保守サービス」への転換が可能になり、売り切りからの脱却とビジネスの拡大に取り組める。「IoTでデータを集める時代から、集めたデータをどのようにビジネスに生かしていくかに時代は移っています」と深澤氏は述べる。(図3:工作機械メーカーでの活用例)

そうした変化に呼応して、東芝は、「SPINEX」と名づけた包括的なIoT の体系を提供中である[*2]。深澤氏は「IoTスタンダードパックSPINEXを具現化したソリューションの1つであり、これからお客様との『共創』を通じて、さらなる価値を提案していきます」と取り組みを述べる。

東芝は先進のIoTを通じてビジネスの変革に挑む企業をサポートしていく。

【図3】グローバルな攻めのサービスに必要な基盤の短期構築を支援する、東芝のIoTスタンダードパック
[図版のクリックで拡大表示]
【関連情報】
[*2] SPINEXについて

お問い合わせ

  • 株式会社 東芝 インダストリアルICTソリューション社

    〒212-8585 神奈川県川崎市幸区堀川町72-34(ラゾーナ川崎東芝ビル)
    http://www.toshiba.co.jp/iot/

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