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モバイルビジネス最強化計画

レッツノート/タフパッドで企業力UP !最新モバイル活用シーン・事例を完全網羅!

モバイルビジネス最強化計画

特集2016年10月5日公開

戸田覚が開発現場で技術者に「直接取材」

レッツノートの“スゴ技”がここにあるレッツ

“軽量・長時間駆動・頑丈・高性能”を突き詰め、ビジネスパーソンから圧倒的な支持を得ているパナソニックの「レッツノート」。ただし、レッツノートの魅力はこれだけに留まらない。一見、目立たない部分にも、徹底的なこだわりが盛り込まれているのだ。その“目に見えないこだわり”を探るべく、長年のレッツノートユーザーで、パソコン評論の第一人者としても知られるビジネス書作家の戸田覚氏が、レッツノート開発現場に乗り込んだ。そこで明かされる“スゴ技”とは?

パート1「レッツノートの無線LANのスゴ技」

戸田氏が訪れたのは大阪府・守口市にあるパナソニック ITプロダクツ事業部。すべてのレッツノートの開発がここで行われている。レッツノートの開発のまさに本丸だ。

戸田覚がレッツノート開発の本丸、ITプロダクツ事業部にやってきた!
戸田覚がレッツノート開発の本丸、ITプロダクツ事業部にやってきた!

戸田氏がまず直撃したのが、レッツノートの無線LAN開発を統括する西川賢治氏だ。戸田氏は以前、独自にレッツノートと他社製ノートPCの無線LAN速度の比較テストを敢行。レッツノートのほうが明らかにつながりやすく、速いことを経験したという。そこにはどのような秘密が隠されているのか?

西川賢治氏
西川 賢治氏
パナソニック株式会社 AVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部
先行開発部 開発2課 主幹技師
1989年パナソニック入社。ワードプロセッサおよびパソコンのハード設計、2年間の海外駐在を経て、1999年から無線関連技術の開発に従事。現在、レッツノートおよびタフパッド/タフブックに搭載される無線LANの開発を統括する。
戸田 覚
戸田 覚(とだ・さとる)
ビジネス書作家。著書は120冊以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。自身もモバイルノートとして「レッツノート」を愛用する。

「どこでも当たり前のように高速でつながる」のが無線LAN開発の目標

戸田 先日、某モバイルノートPCを借りて使う機会があったんで、ふと思い立って、そのPCと自分のレッツノートSZで、無線LANの速度の比較テストをしてみたんですよ。で、どんな測り方をしても、SZのほうが3〜4割は通信速度が速かったんです。同じ11acの規格なのに。これだけ違いがあるということは、かなりこだわりがあるんだろうな、ということで、今日はそのあたりのお話を聞きにきました。

西川 光栄です。もちろん徹底的にこだわって作っています。無線LANは、ルーターからの距離が近いなど環境が良ければ、ピーク時のスループットにはたいして差が出ないんです。ただし、環境が悪くなると大きく変わってくる。弊社が行ったテストでも、レッツノートはルーターから離れた場所でも高い通信速度を維持でき、通信距離によっては他社製パソコンの倍の速さになることもありますね。

戸田 “つながりやすさ”についても、オフィスの中でも、「この場所ではつながる、つながらない」みたいなことってありますもんね。

西川 そうです。レッツノートの場合、とにかく「どこでも当たり前のように高速でつながる」という感覚で使っていただきたい。そのためにいろいろな取り組みをしています。

「レッツノートMX」の筐体を前にインタビューは進められた。戸田氏の質問にも熱がこもる。
「レッツノートMX」の筐体を前にインタビューは進められた。戸田氏の質問にも熱がこもる。

製品ごとにアンテナを全てイチから自社設計している

戸田 そのためにどんな工夫をしているんでしょう?

西川 まずアンテナ設計ですね。最適なアンテナ素子の形状は、製品ごとに異なるんです。レッツノートの場合、アンテナを全て社内で設計開発することで、小型かつ高感度のアンテナ設計を実現しています。

戸田 アンテナを自社開発しているメーカーって少ないんですか?

西川 OEMで供給を受けているメーカーが多いと思います。もちろん筐体に合わせてチューニングはしていると思いますが。

戸田 ここにレッツノートに実際に搭載しているアンテナを持ってきていただいていますが、サイズも形状も違いますね。アンテナのサイズで性能って変わってくるんですか?

西川 もちろん。コンマミリ単位で変わります。大きければいいというものではないんです。あくまでその製品に最適なサイズや形状があります。もちろんレッツノートは製品として“軽い”というのが特長ですから、アンテナについてもできるだけ小さく軽くしたい。サイズと感度をギリギリまで突き詰める、となると、OEMのアンテナを持ってきて載せるというのでは無理です。そこでシミュレーションを用いた設計から試作、評価というサイクルを何度も回して自社でイチから開発しています。

レッツノートMX専用の無線LANアンテナ。パナソニックでは機種ごとにアンテナを専用設計している。
レッツノートMX専用の無線LANアンテナ。パナソニックでは機種ごとにアンテナを専用設計している。

戸田 なるほど。一方で、アンテナの位置でも受信感度って変わってきますよね?

西川 一般的に、開いた時に画面上部の高い位置にあったほうが感度はいいです。

戸田 僕が試した某社製の狭額縁ノートは、アンテナが画面下部に入っていたんですよ。そこも速度が出なかった原因なんでしょうね。

西川 実はレッツノートでも昔、画面下部にアンテナを配置したことがあるんです。そうしたらお客様からWi-Fiが入りにくいというご指摘を受けてしまい。それ以来、ほとんどの機種で画面上部に配置することにしています。

レッツノートMXの場合、ディスプレイ上部の左右に、無線LANとLTEのアンテナが2つずつ配置されている。
レッツノートMXの場合、ディスプレイ上部の左右に、無線LANとLTEのアンテナが2つずつ配置されている。

戸田 このレッツノートMXのように、タブレットに変形する2in1のモデルだと、クラムシェルのスタイルで使っている時はアンテナが画面上部にあるけれども、液晶をグルッと回してタブレットスタイルにするとアンテナが手元に来たりするじゃないですか?

西川 それについても、どちらのスタイルで使ってもアンテナの受信感度が著しく劣化することがないように考慮してパターン設計をしています。手で持った時に隠れないようにアンテナをできるだけ本体の中央部に配置したり、外部からの影響を受けにくい逆F型と呼ばれるアンテナを用いたり、といったことも含めてですね。

ノイズによる受信感度劣化をどう抑えるか

戸田 ほかにはどんな工夫がありますか?

西川 ノイズの低減ですね。パソコンって、ノイズの塊なんです。無線LAN使用周波数帯域での徹底的なノイズ低減設計をすることで、自家中毒による受信感度劣化を抑えています。例えば、アンテナからはケーブルが出てますよね? ケーブルは筐体の端に沿って這わせてあるのですが、これをできるだけ筐体の樹脂部分でなく、金属部分にくっつけて這わせるといったことをしています。

戸田 金属にくっつけたほうがノイズが乗らないんですね。逆だと思っていました。

西川 そうですね。大きな金属だとノイズを低減できます。

戸田 あとケーブルを、2枚の黒いテープで止めてありますが。これは何ですか?

西川 ノイズを低減するための電磁波抑制テープです。“この場所で2枚のテープで止める”というのも、いろいろ試した上でこのようにしています。

戸田 そこまで考えているんですか!

黒く見えるのがノイズを低減するための電磁波抑制テープ。貼る位置や大きさで特性が変わってくるという。
黒く見えるのがノイズを低減するための電磁波抑制テープ。貼る位置や大きさで特性が変わってくるという。

無線LANのつながりやすさはパソコンによって違ってくる

戸田 アンテナの開発って、製品開発のどのタイミングで行うんですか?

西川 昔は最後でしたね。内部にいろいろな構造物を詰め込んで、その隙間に埋め込む、みたいな。でもそうすると性能が出ないんですよ。今は設計開発の最初の段階からアンテナの配置を考えさせてもらえるようになりました。

戸田 昔に比べて、無線LAN開発者の立ち位置はよくなっている、と。

西川 そうですね。(笑)

戸田 無線LANのつながりやすさや速度って、これまであくまで通信側の問題で、パソコン側の問題ではないと考えられていたと思うんです。だって、無線LANの速度が出ない場合、多くの人はパソコンじゃなくてルーターを買い換えるでしょう? でも実際は、パソコンによってもかなり違って、例えば重たいファイルをダウンロードする時やクラウドにアクセスする際、無線LAN性能にこだわっているレッツノートなら高速で行える可能性が高く、ひいてはビジネスの効率化にもつながる。こういうことを、もっとアピールしたほうがいいんじゃないでしょうか?

西川 ありがとうございます。実際使ってもらえば感じ取っていただけると思うんですが。

戸田 いやいや、レッツノートユーザーはずっとレッツノートを使い続ける人が多いから、これが当たり前だと思ってわかっていなかったりするんです。

西川 なるほど。ぜひこの記事を読んで、ご理解を深めていただけると嬉しいですね。

レッツノートの無線LAN開発のこだわりを存分に語ってくれた西川氏。
レッツノートの無線LAN開発のこだわりを存分に語ってくれた西川氏。

※記事は執筆時の情報に基づいており、現状と異なる場合があります

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