「カテゴリー」で分かれるソーシャルメディア

- 野間 恒毅(のま つねたけ)
株式会社ニューズ・ツー・ユー
取締役 - インターネット草創期よりWebサイト 構築、3次元仮想世界コミュニティの制作・ 運営にかかわる。 2003年にブログを開始、2005年より シックス・アパート株式会社で エンジニアリング・ディレクターを 務める。2007年(株)ニューズ・ ツー・ユーのCTOに就任。
ソーシャルメディアの大きな特徴は、ユーザーのリアクションによって成り立つメディアだということだ。例えばWeb上にあるニュース素材や情報を見て、ユーザーがブログを書くというリアクションを起こし、さらにそのブログに対してほかのユーザーがコメントする。リアクションが連鎖するのだ。野間氏は「こうしたリアクションが重なることによって、メディアとしての熟成が進むことになる。ソーシャルメディアは、ネットPRやマーケティング戦略にも活用できる、重要なニュースソースとなっている」と指摘する。
一方、ソーシャルメディアにはそのメディアごとに、例えば独身男性/技術職系/20〜30歳前後というようなユーザーカテゴリが存在する。「このユーザーカテゴリの単位を『セル』と呼びます。セル同士は重なるものがある一方で、お互いに交流がなく独立しているものも多い」(野間氏)。このことは、あるセルでは「当たり前」の情報も、別のセルではまったく新しいニュースになり得ることを意味する。ソーシャルメディアを、PRやマーケティングに活用する際には、こうした概念を理解することが重要だ。
リアクションを連鎖させる5つの「仕掛け」〜[CUT-INの法則]
ソーシャルメディアにおいては、リアクションが重要であると述べた。野間氏はユーザーにリアクションを起こさせる、具体的な「仕掛け」について話を進め、ソーシャルメディアで読者を引き付けるものの条件として、「Catchy」、「Useful」、「Trendy」、「Interesting」、「New」という5つのキーワードを挙げる。以下、順番に紹介する。
【Catchy(=タイトル、見出しが奇抜)】
タイトルや見出しが非常に「奇抜」であること。またその奇抜さは、“えっ”と驚かせるぐらいのレベルがいい。また、タイトルなどに表示する1枚の写真の威力は非常に大きい。インパクトのある写真があれば、コメントなどなくとも、ユーザーはリアクションをしてしまうものだ。
【Useful(=ためになる)】
次に「ためになる」ということ。例えば、仕事の効率が10倍アップするとか、正しいWebサイトの構築方法といった内容であれば、ユーザーはついつい読んでしまう。“よかった”、“悪かった”というコメントも書きやすい。
【Trendy(=話題性)】
世の中で非常に話題になっているものは、やはり見たくなってしまう。ここでのポイントは、まず“ほかの場所で話題になる前に情報を出す”ということだ。ネットの世界においても先に情報を出せば、先行者利益につながる。
一方、時代の流れに乗ることも大事で、野間氏は「TVで放送された情報の力を借りることも考える必要があります」と指摘する。流行のテーマに関連したエントリーを出し続けていると、大きなピークの後に小さな山が何度か来る時がある。一度ピークが去った後もフォローを続けることが重要だという。
【Interesting(=面白い)】
やはり記事内容が面白くなければ、ユーザーの関心はそこで途切れてしまう。ユーザーにリアクションを起こさせるという意味では、記事自体の面白さが非常に重要だ。また、同じネタでもネット上で流れている情報と似たような切り口では素通りされてしまう。記事をどのようにして面白く伝えるかというのも重要なポイントだ。
【New(=知らなかった)】
通常のニュースでは情報の鮮度が非常に重要である。しかしカテゴライズされたセルにおいては事情が変わってくる。例えばあるセル内で話題になっている情報を、知らない別のセルに向けて流せば、当然“知らなかった”ということで新鮮なニュースになる。「昔の情報でもいいんです。そのセルで知られていなければNewになります」(野間氏)。
ここまで紹介した5つのキーワードの頭文字を取って、野間氏はソーシャルメディアで注目を集める条件を「CUT-INの法則」と定義する。5つの工夫を凝らすことでユーザーの心を捉え、リアクションを起こしてもらうことが重要なポイントになる。しかしこの「CUT-INの法則」を効果的に活用するには、経験とコツが必要。「いくら面白くても、1つだけでは意味がありません。砂漠に1本大きい木を植えるのではなく、たくさんの木で森を作るように、ニュースリリースを継続して出すことがまずは重要です」と野間氏は講演を締めくくった。「CUT-INの法則」の具体的な活用法は、今後開催予定の 応用編セミナーで、さらに詳細に語られる予定だ。





