講演に先立ちあいさつに立ったシーメンスPLMソフトウェア日本法人 代表取締役社長の三澤一文氏は、次のように目標を語った。
「シーメンスPLMソフトウェアは、お客様の生産性向上とイノベーションを加速させることをミッションとして、エンジニアリング・ソフトウェアにおけるリーディング・カンパニーを目指しています」。
さらに、コンファレンスの開催趣旨とともに、ビジネスパートナーと緊密に連携することで、これからも顧客をより一層強力にサポートしていきたいと抱負を述べた。
続いて、シーメンスPLMソフトウェア米国本社のNX開発ディレクターMike Rebrukh氏が登壇した。
昨今、ますます競争が激化するグローバル市場のなかで、製造業はこれまでにも増してイノベーションのスピードを上げることが求められている。それを実現する革新的な技術の1つが、シンクロナス・テクノロジによってもたらされるデザイン・フリーダムだという。
シンクロナス・テクノロジというのは、ヒストリベース・モデリングとノンヒストリ・モデリングのそれぞれの長所をバランスよく両立させた、いわば「いいとこ取りの技術」。製造業各社は、新規設計の効率化はもちろん、データの修正や再利用が容易なことも求めている。これを実現するのがシンクロナス・テクノロジだ。
「修正を加える場合、モデルがどのように作られたかを理解しなくても、ジオメトリを選択してただドラッグするだけで、リアルタイムにプレビューが見られます。また、“アクティブセレクション”という形状認識機能によって、1カ所の穴に変更を加えれば、離れた場所にある同径の穴をすべて変更できるように、あらゆるジオメトリの関係を自動的に見つけます」と、数多くの事例を実際に画面に示しながら解説は進んだ。また、デモを通してシンクロナス・テクノロジを搭載したNX 6が、自由で、柔軟、スピーディな設計環境を構築することがアピールされた。

現在、異なったCAD環境のなかで、パートナーやベンダーなどと共同作業を行うケースが多くなっている。シングルのCAD環境下で作業を行っている企業は、ほとんどないだろう。しかし、コラボレイティブなデザイン・レビューを行うにしても、ほかのCADシステムで作成されたデータの変更が難しいなど、課題が山積みだ。
NX 6では、こうした問題の解決にも力を入れる。ほかのCADシステム、ほかのモデリング技術で作成された設計ジオメトリを、関連性や履歴を再作成することなくダイレクトに変更できる。どのようなCADシステムで作られたデータであっても、NX 6のネイティブデータのように扱えるところが最大の特長であり、開発のプロセス全体を通じて、真のコラボレーションが実現されるという。
とはいえ、従来のヒストリベースCADで作成されたデータは、誰もが自由に扱えるほど簡単なものではない。なぜなら、まず設計意図を把握しなければならず、そこに多くの時間が掛かるからだ。記録された履歴をチェックし、変更が必要なときはジオメトリを修正するわけだが、モデルがどのように作られたかを理解してこうした操作を行うには、かなりのトレーニングが欠かせなかった。
それに対して、シンクロナス・モデリングは直感的な操作が可能で、使い勝手が格段に向上しており、設計意図の把握に時間を割く必要がない。前述のアクティブセレクションも、その一部であると言える。

これまでヒストリベースのCADツールを何年も使い続けてきた企業では、そこから生み出された膨大なファイルが蓄積されているはずだ。そうした企業が、シーメンスPLMソフトウェアのテクノロジを自社に導入したいと考えたとき、貴重な経営リソースはどうなるのか? この疑問に対しては、こう回答があった。
「そこが、ヒストリベース・モデリングとノンヒストリ・モデリングのいいとこ取りをしたシンクロナス・テクノロジの最大の強みです。これまで蓄積してきたリソースがそのまま生かせます。どんな製造プロセスになるかまだ分からない、エンジニアリングされていないパーツについてはノンヒストリ・モデリングを、逆にエンジニアリングされたパーツについてはヒストリベース・モデリングを、と使い分けることで効率的に設計できます。NX 6をうまく使いこなすことで、生産性を100倍に向上させることも決して不可能ではありません」。
「設計の事前計画が不要で、直感的な操作で設計変更も容易にできる」「ほかのCADシステムで作成されたデータも、ネイティブなデータと同じようにハンドリングできる」といった数々の特長によって、NX 6はものづくりの世界に一大変革をもたらそうとしている。
























