毎年恒例となりました確定申告・覆面座談会。本誌で紹介し切れなかった話題や貴重な裏話などを余すところなくお届けします。本誌と併せてお読みいただければ、上手な節税などに役立つこと請け合いです。
<参加者>
吉本…吉本貢税理士:所得税を中心に税制の講演活動などに奔走するベテラン。
坂本…坂本良雄税理士:日本の税制の矛盾点を鋭く突く税のスペシャリスト。
A…税務署員A:国内外の税務・税制に精通したクールな理論派。
B…税務署員B:職人技で悪質な申告漏れを嗅ぎ分ける税務調査のプロ。
【今年の確定申告のポイントはどこか?】
編集部 さて今年の確定申告が始まります。間違いやすい点や注意すべき点は何でしょう。
A 平成20年分所得税で改正があった点では住宅ローン控除関係で省工ネ改修など新しい仕組みが導入されています。それからメタボ検診の費用が医療費控除の対象に加わりました。ただし該当するのは指導料だけですから、指導を踏まえて購入した健康食品やジムの利用料などは対象外です。
それから寄附金控除ですね。いわゆる「ふるさと納税」(編集部注=故郷の地方自治体などにお金を寄付すると、翌年の住民税などが安くなる制度。'08年から始まった)も寄附金の扱いになります。これは地方税(個人住民税)の改正なのですが、所得税の控除を受けるためにも、原則、税務署へ提出すると考えておいていいでしょう。
吉本 メタボのことだけど、結局はどこが医療費控除になるの?
B 指導料。
A つまりね、あなたメタボですよと、いうことになったとき、医者から「こうやって改善しなさい」というふうな改善指導が出る。その指導料部分が医療費控除になる。
B 指導料ね。だからメタボって言われたから「ジョーバ」を買って運動しようと言っても、ジョーバは医療費控除にならない(笑)。
A ジムに通うのもダメですけどね。
編集部 ジムもダメですか。
B それは指導料じゃないから。
編集部 じゃあ、それで年間医療費が10万円を超すようなことは?
B まあ、それだけで10万円というのはないでしょう。そういう人に限って健康なんだよ、私を含めて。(笑)。
A 株式の譲渡では「特定上場株式等に係る譲渡所得の非課税制度」(編集部注='01年11月30日から'02年12月31日までの間に取得した特定上場株式等のうち、取得対価の額の合計が1000万円に達するまでのものを'05年1月1日から'07年12月31日までの間に譲渡した場合、その譲渡益については非課税とする制度)が平成19年いっぱいで廃止になっています。コレ、いまだに使えると勘違いしている人が多い。金融・証券税制は毎年変わるので、新聞等で最新情報をチェックしてほしい。例えば、上場株の譲渡益に対する10%の軽減税率も'08年末で廃止されましたが、政府の景気対策と相まって、さらに変更になる可能性が大きいですから、ここは日常的に要チェックですね。
坂本 それから事業所得者などで大変なのは減価償却制度の変更ですね。平成19年、20年と2年にわたり大幅な改正がありましたので、旧制度での計算と新制度での計算との使い分けの適確な対応が必要ですね。
編集部 前回の確定申告では、住宅口ーン控除を住民税からも引けるようになりました。混乱はなかったですか。
B 国から地方への税源移譲に伴う措置ですよね。これが分かりづらかった。地方税への申告用紙がありましたが、税理士からも書き方についての質問が多かった。税務署の職員もすぐには理解できないところがありましたから。地方税の方ではフォローが大変だったのではないかと想像しています。ローン控除はもともと所得税だけのシステムだったのだけれど、来年はこの源泉委譲とは別に、住民税からも引けるようにする安が検討されていますので、ちょっと混乱するでしょうか。







