目指したのはいつでも指定席が取れる新幹線 新幹線のもっと自由な過ごし方

N700系でインターネット接続サービス開始情報遮断のない移動が可能に

辻村 厚 氏

今回のダイヤ改正を機に、ダイヤ以外の分野でもサービス向上が図られた。その目玉とも言えるのが、東海道新幹線のN700系車両で提供が開始されるインターネット接続サービスだ。

「これまでも、お客様から「車内でインターネットを使いたい」とのご要望が多数寄せられていました。サービスの提供には線路沿いに敷設したLCX(漏洩同軸ケーブル)を使った無線通信システムのデジタル化が不可欠でしたが、そのデジタル化の整備が完了したため、東京・新大阪間のN700系車内でインターネット接続サービスが提供できるようになりました」と、JR東海の新幹線鉄道事業本部 運輸営業部 管理課で担当課長を務める辻村厚氏は語る。

これまでもLCXは業務通話や車内テロップでのニュース配信などに用いられてきたが、制度改正で一般旅客向けサービスも提供できるようになった。これをデジタル化することで、車内と地上との通信品質が大幅に向上。公衆無線LANサービス提供事業者との契約を結んでいるユーザーなら、無線LAN対応のPCを使って、車内から最大2Mbpsでインターネットにアクセスできる。

JR東海は「のぞみ」停車駅で無線LAN環境を用意していたが、辻村氏は「今後は無線LANのアクセスポイントを、東海道新幹線のほかの駅にも3月中に設置していきます。東海道新幹線の駅と車内で無線LANからインターネットへのアクセスが可能になることで、東京・新大阪間であれば移動中の“情報遮断”が解消されます」と話す。

N700系の車内からインターネットにアクセスすると、まず専用のポータルサイトが立ち上がる。そこでは、駅構内の案内や車内設備のガイド、車内販売の商品といった情報が提供される予定だ。これにより車内で過ごす時間と空間を充実させていくという。

快適性や利便性からビジネスユーザーの人気も高いN700系。JR東海所属の車両は3月の段階で32編成が運行されるが、これからもその数は大きく増えていく。

「当社では、おおむね1ヶ月ごとにN700系で運転する列車を増やしていく予定です。先ごろ営業運転を終了した初代新幹線の0系と同一条件で比較すると、N700系の電力消費量は49%削減されています。環境負荷を抑えつつ利便性を高めたN700系を増やすことで、これからもお客様の満足と社会貢献を追求していきたいと考えています」と辻村氏。

JR東海は、輸送力の増強を同社に課せられた社会的な使命としてとらえている。今回のダイヤ改正で実現する「のぞみ」増発による輸送力の強化と、様々なサービスの提供による利便性の向上は、まさにその使命を果たすものだと言えるだろう。

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