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IBM LEADERS'INSIGHT:トレーサビリティーの仕組みはこれからの社会基盤になる

「安心・安全な生活を支える仕組み」として注目されるトレーサビリティーだが、企業にとってもさまざまな面でメリットをもたらすものと期待されている。IBMでは、新ビジョンSmarter Planetのひとつの形としてトレーサビリティーをとらえ、今後もトレーサビリティーを活用したビジネスモデルを提案していくという。同社でSCM関連のビジネスを担当しているシニア・マネージング・コンサルタントの末次信治氏に、現状と今後の展開について話を聞いた。

Smarter Planetの3つの要素で実現するトレーサビリティー

日本IBM グローバル・ビジネス・サービス事業 SCM推進 バリューネットコンサルティング シニア・マネージング・コンサルタント 末次信治氏

−IBMの新ビジョンSmarter Planetにおいて、トレーサビリティーはどのような位置づけになっているのでしょうか。

末次 Smarter Planetは、人や物の情報をとらえる仕組みを指す「INSTRUMENTED」(機能化)、集めた情報をつないでためる「INTERCONNECTED」(相互接続)、情報から示唆を見出す「INTELLIGENT」(インテリジェント化)の3つの要素を持っていますが、トレーサビリティーはこの3つの要素をつないで作るビジネスモデルを指しています。

トレーサビリティーは、医薬品の流通経路を明らかにすることで本物であることを保証することからスタートし、現在では、安心・安全を確保するために一次産品の産地呼称保証や工業製品の部品情報に適用されています。

例えば、リチウムイオン電池はさまざまなところで使われていますが、発熱して火傷につながるようなトラブルが発生したときに「どこで作られ」「何に使われているか」をトレースできるような仕組みが必要です。今後は、あらゆるものがトレーサビリティーの対象となり、トレーサビリティーは社会基盤になっていくでしょう。

−トレーサビリティーはどのようなメリットをもたらすのでしょうか。

末次 今までのサプライチェーンは計画ありきで動いていました。しかし、今の厳しい状況下では計画どおりには進みません。実際にどう動いているのかを把握して対応することが重要になります。トレーサビリティーによって、実際に自分たちが作ったものが「どう流通して」「どこでどんな使われ方をしているか」が分かることで、企業としては先行きを正確に予測できるようになります。

また、現在進められているEPC*グローバル・コード体系のような標準化が進めば、あらゆるものにIDが割り振られることになり、自社の製品が使っている部品情報を公開することでトレーサビリティーを実現できます。これによってメーカーだけでなく、調達、流通、消費者すべてが1つの情報を共有するという“真のトレーサビリティー”が実現されます。消費者にとっては、本当に自分に合ったものかどうかを判断する情報を手に入れることができるようになるというのがトレーサビリティーの最大のメリットです。

* EPC : Electronic Product Code

技術面の課題は確実に解消され、ビジネスモデルが重要になる

−トレーサビリティーはどのような技術で支えられているのでしょうか。

末次 Instrumented(機能化)という面では、RFIDなどのセンサー技術です。自動認識技術のレベルは急速に発達しています。温度や照度、湿度といった環境に関する情報をセンサーで集めることも普及していますが、RFIDとセンサーによって人手で行っていた情報の入力作業が自動化され、正確な情報をリアルタイムで入手できるようになります。

 Interconnected(相互接続)としては、ネットワークの進化です。ブロードバンドの普及により、「莫大なコンピューター・リソースをネットワークを介して利用するクラウド・コンピューティング」や、散在しているセンサーの情報を集めるのも簡単になりました。

最後のIntelligent(インテリジェント化)の面では、膨大なデータを分析するソフトウェアや分析のための手法が必要です。

−今後の課題と、御社の強みを教えてください。

末次 技術開発が進むことでRFIDのコストの問題は間違いなく解消されます。むしろ、たくさんあるツールをどう組み合わせていくのかが次のテーマになるでしょう。

ソフトウェアからミドルウェア、ハードウェアまで持つ当社は、さまざまな要素をつなぎ合わせることが得意です。しかし、それ以上にそれらを活用してどんなビジネスモデルを作るべきかコンサルティングできることを強みとしています。ソリューションとコンサルティングを組み合わせた提案にご期待ください。

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これからのトレーサビリティは社会基盤化する

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