

「IBM Global CEO Study 2008」では、未来企業の5つの方向性の1つとして「変化の速さを機会ととらえる」が挙げられているが、変革への期待と実際の差である「チェンジ・ギャップ」は拡大している。変革プロジェクトを成功させる要因はどこにあるのか。
「今回のチェンジ・マネジメント・スタディは、全世界で約1500名の変革プロジェクトのリーダーを対象に調査を行い、成功要因を明らかにしようとしたものです」と日本語版の編集にあたったIBM ビジネスコンサルティング サービスの金子徹氏は語る。
今回の調査結果で明らかになったことは大きく分けて3つある。1点目はプロジェクト成功率の上位20%の企業ではプロジェクトの平均成功率が80%あるのに対し、成功率の下位20%の企業の平均成功率はわずか8%に過ぎなかったことだ。2点目はプロジェクトの「課題」「成功要因」ともに人の感情にかかわる「ソフト要因」が上位を占めたことだ。プロジェクトの阻害要因は「考え方や態度の転換」や「企業文化」にあり、成功要因としては「経営者のスポンサーシップ」「従業員の関与」「誠意あるコミュニケーション」などが挙げられた。
そして3点目として成功率の高い企業は「適切な現状認識・適切な行動」「確実な手法・確実な成果」「優れた人材・優れた変革」「適正な投資・適正な成果」という4つのエリアでバランス良く取り組みを展開し、この4つのエリアとプロジェクトの成功の間にはきわめて高い相関関係があることも明らかになった。
「4つのエリアをバランスよく進めることは当たり前に見えますが、特に重要なのは成功の成果を確実にするための手法を参照するということです」と金子氏は語る。その手法が「チェンジ・マネジメント」である。
金子氏は、「調査結果からも変革の実現にはチェンジ・マネジメントが重要であることが分かりますが、日本では専任の担当者と標準化された方法論を取り入れている企業は稀です」と問題点を指摘する。日本においてチェンジ・マネジメントはERPの導入とともに行われることが多かったが、プロジェクト・マネージャーによる兼任で進められることが一般的であったという。
現在の金融危機では、M&Aやアウトソーシングといった急激な変革が求められるためチェンジ・マネジメントの重要性は高まっている。特に「グローバルマーケットが相手では、従来のような日本企業の“阿吽”(あうん)は通用しません」と金子氏。
本書では、変革許容度はどれくらいか、また変革のためにどのエリアが不十分なのかを確認するためのチェックリストも掲載されている。ドラスティックな変革を実現するためにも、本書をきっかけに「チェンジ・マネジメント」の重要性について考えてみてはどうだろうか。
『MAKING CHANGE WORK−変革の実現に向けて』冊子をご希望の方は、送付先と必要 部数を明記のうえ、「GBSMKTG@jp.ibm.com」宛にご連絡ください。