エコカーを支える自動車ソリューション
「エコカー」の実現にデバイスで貢献

NECエレクトロニクス株式会社
マイクロコンピュータ事業本部
自動車システム事業部長
金子 博昭 氏
有名なT型フォードが誕生しておよそ100年が経ちました。自動車は米国の大量消費社会のシンボル的な存在でもあったわけですが,その後,地球レベルの要請に基づいて市場は大きく変化してきました。1970年代に大気汚染を契機に低燃費への志向が高まりを見せたあと,最近では地球温暖化対策や不安定な原油相場への依存度を下げたいという考えから,いわゆるエコカーに注目が集まっています。
エコカーは,低燃費なガソリン車のほかに,すでに実用化されているハイブリッド車,一部で商用化が開始されている電気自動車,最終的な候補と目されている燃料電池車が開発されていますが,エコを実現するためにはさまざまな課題が存在します。
たとえば車体の軽量化もそのひとつです。クルマの各部の制御が機械から電気へと変化するなかで,最近のクルマには60個から120個のモータが搭載されるようになりました。モータ制御には,マイコンのほかに,センサー,リセット回路,モータ駆動回路などが必要で,これらを統合したECU(Electronic Control Unit)の台数が増加の一途を辿っており,搭載スペースの確保とともに重量軽減が求められています。また,ECUを結ぶワイヤーハーネス(ケーブル類)も肥大化しています。
NECエレクトロニクスでは,従来はディスクリートで構成しなければならなかったECUのセンサーICや周辺回路を「システムアナログLSI」として高集積化を図るとともに,車載LANの標準規格であるCAN/LINのコントローラ内蔵マイコン,FlexRayコントローラ内蔵マイコンやFlexRayトランシーバもラインアップし,ECUの小型化・軽量化に貢献できるように努めています。
ハイブリッド車や電気自動車では,バッテリの効率的な制御も重要です。航続距離の確保という点からも,バッテリの特性を最大限に引き出す工夫が求められるからです。そこでNECエレクトロニクスでは,多くのセルを直列に構成した300Vから400Vのバッテリのそれぞれのセル電圧を常時観測し,アンバランスな状態が起こらないように細かな充放電制御を行うためのシステムアナログLSIやマイコンを提供することで,バッテリの特性を長期間にわたって引き出し,クルマのエネルギー効率の向上に役立ちたいと考えています。
また,クルマでは当然ながら安全性も重要です。とくに現在のクルマはマイコンやモータがクルマの挙動に直接関与しているため高い信頼性が不可欠です。そこでNECエレクトロニクスでは,国際規格となっている「機能安全」の考え方を導入してIEC61508の取得を段階的に進めているほか,ひとつのマイコンの中にふたつのコアを入れて動作を監視しあう「リダンダント(冗長)・コア・アーキテクチャ」の開発も行っています。
ところで,クルマのエコを実現するためには、たとえば渋滞のないスムーズなルートを走ることも重要です。このためにプローブ情報を利用して最適なルート提案や道路管理を支援するP-DRGSコンソーシアムの「PRO-ROUTE」というプロジェクトの実証実験が,NECも参加して行われています。

NECエレクトロニクスは,このような動的な経路案内を伴うような先進のインフォマティクスを実現する高い処理能力を持ったカーナビシステムに向けて,ARMコアを4つ搭載した「NaviEngine(ナビエンジン)」を開発しました。快適かつ安全なルートを運転者に提示することで,CO2を抑えたエコドライブを支えていきたいと考えています。
このほかに,128個のプロセッサを並列処理してソフトウエアで画像データを解析する「IMAPCAR(アイマップカー)」も製品化しており、前方を映したカメラ画像から歩行者などを認識するシステムに使われています。
以上,エコカーを中心に,NECエレクトロニクスの取り組みの一端をご紹介しました。ボディ系,シャシー系,パワートレイン系のそれぞれに適した専用マイコンを幅広く取り揃えるとともに,クルマに必要なパワーデバイス,状態を検出する各種のセンサー,電気を遮断するフォトカプラなどもトータルで提供し,環境重視の市場ニーズに応えながら,エコな自動車社会に貢献してまいります。
※ 会社名、製品名は、各社の商標もしくは登録商標です。
| NECエレクトロニクス株式会社 〒211-8668 神奈川県川崎市中原区下沼部1753 http://www.necel.co.jp/ |
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