繁盛店をつくるには、継続的に通ってくれるファンを増やさなければならない。そのため、本特集では、第1回で“ファンに繋がるお客の獲得法”、第2回で“再来店率アップの手法”について述べてきた。その総仕上げとして最終章となる本章では、「店をもっと好きになってもらい、お客を固定化させる術」というテーマで、集客率アップの数々の実績を誇るアイワ広告代表取締役社長小山氏に話を聞いた。
ファンづくりの最後の課題「来店客をいかに固定化させるか?」という問いに、「オーナーの店に対するこだわりや想いをお客により深く知ってもらうことが重要」と小山氏。
そこで、効果を発揮するのが“動画”だ。「動画は、音と映像を使って一度に膨大な情報をお客に伝えることができます。リアリティーが高く、相手の心に深く刺さる強いインパクトが残せるので、本来、オーナーがお客一人ひとりに伝えたいような熱い想いを代弁させるツールとして、まさに最適。今はまだ有効活用している店が少ないですが、今後は、他店との差別化を打ち出すために、動画が大きな役割を果たすようになるでしょう」。
従来、店における動画活用といえば、結婚式の二次会などイベントでの利用や、雰囲気づくりのために店内で風景などの映像を流すことが主流であった。しかし、「動画はもっと大きな可能性を秘めている」と小山氏は言う。そこで今回は、ファンを増やすための動画活用事例として効果的な「メッセージツール」「コミュニケーションツール」というふたつの新しい切り口について、その戦略と具体例を説明してもらった。
ファンを増やすには、店の存在をお客にいかに強く印象づけられるかだ、と繰り返し述べてきた。オーナーの想いや店の歴史、こだわりの看板料理の極意など、普段伝えきれていないことをお客にもっと知ってもらい、店のことを記憶に強く印象づける。そうすることで他店との差別化が図れるとともに、お客に親近感を感じてもらいやすくなる。それが度重なるうちに、お客の店に対する愛着は深まっていき、また、個性が際立つことで「口コミ」効果にも拍車がかかり、新しいお客の獲得にも繋がる。要は、店の思いを伝えることがいちばんの販促であり、そのために膨大な情報量やリアリティーを持つ動画の伝達力を利用するのだ。コンテンツの例としては、以下を参考にしてほしい。
メニューに産地やブランド名を記して食材へのこだわりをアピールする店を見かけることも多くなった。そこでさらに差別化を図るには、契約農家の人にお願いし、どんな想いで野菜を育てているのか、食べてくれる人たちに届けたい想いとは、といった内容をビデオレター風にまとめて動画で流す。そうすることで、店の食に対する真摯な姿勢を知ってもらえるとともに、食材にこだわっている印象を強く残すことができ、他の店よりも高い割合で口コミが派生しやすくなる。
四季折々の環境で育ってきた我々には、旬を愛おしむ気質や、次の季節を待ちこがれるという感覚が自然と備わっている。そこで、春が近づいたら山菜や筍、初夏になるとハモ、夏野菜など、常に季節を先取りし、旬食材が芽吹いている様子や広大な畑での収穫風景、はたまた新しい季節料理の調理シーンをシズル感たっぷりに流す。すると、お客に対して話題提供となり喜ばれるとともに、「あれが食べたいから、また来よう」と再来店率も上げられる。また、続けることで“あそこにいけば”という期待感を抱かせられるようになり、お客の固定化に繋がる。

