2009年10月にリリースされたMicrosoft Windows Server 2008 R2。標準機能として提供される仮想化テクノロジー「Hyper-V 2.0」は,2〜4台程度の小規模なサーバー統合に最適だ。専用の仮想化ソフトウェアを購入することなく活用できることもあって,サーバー仮想化の本格普及の起爆剤になりつつある。Hyper-V 2.0を選ぶメリットはどこにあるのか。仮想サーバー環境を手軽に始められるタワー型サーバー「HP ProLiant ML330 G6」とともに詳しく紹介しよう。
47%ものパフォーマンス向上を果たした
仮想化テクノロジー「Hyper-V 2.0」

エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括
インフラストラクチャーソフトウェア・ブレード事業本部
冨永晶子氏
古くなった数台のサーバーを1台の最新サーバーに統合する,あるいは複数のアプリケーションを1台のサーバーですべて稼働させる――2010年は,こうしたサーバー仮想化が“誰でも使える機能”として急速に一般化することになりそうだ。その理由は「Hyper-V 2.0の登場にある」と日本HPの冨永氏は語る。
「2009年10月にリリースされたMicrosoft Windows Server 2008 R2では,大幅に機能強化された仮想化テクノロジー『Hyper-V 2.0』が標準機能として装備されました。仮想化ソフトウェアを別途購入することなく,使い慣れたWindowsのGUIで仮想サーバー環境を構築・運用することができます。サーバー仮想化にも本格的なWindows時代がやってきたと言えるでしょう」
Hyper-V 2.0の性能と機能はどれだけ進化したのか。日本HPの赤井氏は次のように紹介する。
「もっとも重要な点はパフォーマンス向上です。日本仮想化技術株式会社が実施したベンチマークでは,HP ProLiant DL385 G6上でのトランザクション処理において,前バージョンを47%上回るスコアを達成しました。独自のマイクロカーネル型ハイパーバイザーを採用したHyper-V 2.0は,最新世代のCPUが備える機能をフルに引き出して高い処理性能を発揮します。Hyper-V 2.0の登場によって“仮想化するとシステムの負荷が高まり,処理能力が低下する”という従来のイメージも払拭されるでしょう」
パフォーマンスの強化は,複数のシステムを安定的に稼働させるにはどうしても越えなければならないハードルだった。Hyper-V 2.0の登場によって「仮想化はパフォーマンスが弱点」という従来のイメージも払拭されるだろう。
「もうひとつのポイントは『Live Migration』機能です。特定のサーバーで動作している仮想サーバーを,サービス停止させることなく他の物理サーバーに移動させることができます。物理サーバーへのメモリ増設などで仮想サーバーを一時的に退避させるような場合でも,サービスを停止させる必要がありません」
Live Migrationは,メンテナンスなどの計画停止はもちろん,物理サーバーの障害に対しても威力を発揮することになる。
「Hyper-V 2.0は,通常のサーバーにひけを取らないパフォーマンスを達成しながら,管理・運用面でも様々なメリットを享受できる仮想サーバー環境を実現します」(冨永氏)
マイクロソフト社の開発環境としても採用
Hyper-V 2.0に最適なHP ProLiantサーバーG6
では,Hyper-V 2.0による仮想サーバー環境を収容するサーバーは,どんなポイントを考慮して選ぶべきだろうか。この問いに対して「Windows Serverとサーバーの相性はどれも同じではない,ということを知ってほしい」と冨永氏は語る。
「マイクロソフト社が保有するおよそ6,000台の開発用サーバーのうち,およそ95%がHP製品であり,Windows Server 2008やHyper-VはいずれもHP ProLiantサーバー上で開発されています。マイクロソフトとHPは,それらのチューニングテストをはじめ,デバイスドライバーの共同開発や早期リリースなど緊密な協力関係を過去20年間にわたって築き上げてきました。マイクロソフト製品とHP ProLiantの高い親和性,安定性の高い稼働にはこうしたバックグラウンドがあるのです」
マイクロソフトとHPは業界唯一の『Front Line Partnership』を結ぶ関係にある。
「『Certified for Windows Server 2008 R2』としてマイクロソフトから認定されたサーバー製品が,Windows Server catalogに公開されています。Windows Server 2008 R2が発売された2009年12月3日時点でHPは88モデルがリストアップされており,2位以下を大きく引き離してトップの座を占めています」(冨永氏)
88モデルという数字に裏付けられる通り,x86サーバー「HP ProLiantサーバーG6」の幅広いラインアップはユーザーの多様なニーズに応える最大の武器だ。さらに「運用段階に入った時の安心感にも注目してほしい」と冨永氏は言う。
「仮想サーバー環境に限らず,サーバー運用に際して考慮しなければならないのは,いざ問題が発生したときどう対処するかです。原因がOSにあるのか,仮想サーバーにあるのか,ハードウェアにあるのか。そして,誰が障害から復旧させるのか…」
ポイントはベンダーサポートである。
「これまでの仮想サーバー環境でネックになっていたのは,ハードウェアとアプリケーションの間にサードパーティ製品である仮想化ソフトウェアが入るために,ハードウェアベンダーが一元的なサポートを提供しにくかったことです。HPは,Windows Server 2008 R2を自社製品と同等レベルでサポートします。ハードウェアからOS,仮想サーバー環境までワンストップで対応しますので安心してご活用いただけます」(冨永氏)
HP ProLiantサーバーG6との同時購入で
Windows Server 2008 R2を有利に導入

エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括
インフラストラクチャーソフトウェア・ブレード事業本部
担当部長 赤井誠氏
HPは,2009年12月よりHP ProLiantサーバーG6にMicrosoft Windows Server 2008 R2を“バンドル”したモデルの提供を開始した。赤井氏は,導入コストを賢く抑える方法としてHPのバンドルモデルの活用をすすめる。
「サーバー本体と個別に購入する場合と比較すると,店頭で販売されているパッケージ版はもちろん,ボリュームライセンスよりも有利に導入できます。必要なドライバー等を組み込んだ上で技術検証済みのメディアを提供しますので,安心して導入いただけます。もちろん,ダウングレードやダウンエディションのご要望にも柔軟にお応えできます」
HPのバンドルモデルなら,パッケージ版Windows Server 2008 R2 Enterprise の実勢価格と同等の費用で,OSと十分なスペックのサーバー本体まで一式揃う。OSの購入方法を一度見直してみる価値があるだろう。
「Hyper-V 2.0による仮想サーバー上に,それまで使っていたWindows Server 2003環境を移行するようなケースでは,2003のCAL(クライアント・アクセス・ライセンス)がそのまま使えます。CALの追加投資が必要ないことも,仮想化による旧世代サーバーの統合を進める上で有利になるでしょう」(赤井氏)
ちなみにWindows Server 2008 R2 Enterpriseには,4つまでの仮想サーバー環境を構築できるライセンスが含まれている。
CPUやメモリの構成に迷わない
HP ProLiantサーバーG6向けサイジング
仮想サーバー環境を初めて導入するユーザーにとって悩ましいのは,サーバーやストレージの構成や容量を決める“サイジング”ではないだろうか。1台のサーバーで何台の仮想サーバーを稼働させられるのか。CPUコアやメモリをどれだけ搭載すればいいのか。
赤井氏は「大雑把に見積もるとするなら“仮想サーバーの数=CPUコア数”という算出方法があります。一般的な使い方では,4台のサーバーを統合する目的であれば4コア(クアッドコアCPU×1)を搭載したサーバーを選択しておけばよい計算です。仮に個々の仮想サーバーに2GBのメモリを割り当てるとするなら,2GB×4=8GBのメモリを搭載します」と語る。ただし,この計算はあくまでも目安だ。
「HPでは,Hyper-V 2.0とHP ProLiantサーバーG6の組み合わせを対象に,既存サーバーのCPU使用率などの情報をもとに正しいサイジングを行うためのホワイトペーパーを公開しています。こちらをご覧いただければ,より合理的に構成を決めることができるでしょう」
はじめてのHyper-V 2.0導入に最適な
タワー型サーバーHP ProLiant ML330 G6
赤井氏のアドバイスからも分かるとおり,仮想サーバー環境を収容する物理サーバーに求められるのは「CPUコア数とメモリの拡張性」である。拡張性が大きいほど,1台でより多くの仮想サーバーを稼働させることができる。
そうした観点で,冨永氏は“はじめてのHyper-V 2.0導入”に最適な選択肢としてタワー型サーバーである「HP ProLiant ML330 G6」を推奨する。
「HP ProLiant MLシリーズは,オフィスにも手軽に設置できるタワー型サーバーのラインアップです。中でもHP ProLiant ML330 G6は高い拡張性と管理性を備えつつ,最もリーズナブルな価格を実現しています。インテル® Xeon®プロセッサー5500番台を2基(8コア)まで搭載でき,メモリスロットを18本備えているため最大144GBという大容量メモリを搭載可能です」(冨永氏)
「仮想サーバー環境でもしっかり性能を出す」ための十分な拡張性と低価格が魅力だ。18本のメモリスロットを活かして,2〜4GBの安価なメモリを多数搭載するような使い方もできる。さらにもうひとつ,管理性の高さも推奨理由のひとつだという。
「何台もの仮想マシンを収容するサーバーは,サーバー1台の障害が影響を及ぼす範囲が大きくなります。何らかのトラブルにすばやく対処するには,管理者がどこにいてもサーバーを操作できることが重要ではないでしょうか。HP ProLiant ML330 G6は,サーバー本体とは独立して動作する高機能な遠隔管理ツール『HP Integrated Lights-Out 2(iLO2)』を搭載しています。例えば離れた場所にあるサーバーがダウンしたような状況でも,Webブラウザからのリモート操作で, OSの状態に依存することなくリブートを実行することができます」
このiLO2は,サーバー電源が入っていない状態からでもサーバーを起動させたり,ブルースクリーン状態に陥ったサーバーを操作したりできる優れものだ。
「仮想サーバー環境の管理方法を心配される方もいらっしゃるでしょう。HPでは,ローコストで使いやすい『HP Insight Control Suite(HP ICE)』を提供しています。物理サーバーと複数の仮想サーバー環境を一元的に管理できるほか,仮想マシンのコピーやLive Migrationなどの操作を実行することもできるのでご安心ください」(冨永氏)
このように,HP ProLiant ML330 G6 は“はじめてのサーバー仮想化”そして“はじめてのHyper-V 2.0導入”に最適だ。サーバー選びは,拡張性と管理性,サポート品質,そして“相性”までをトータルな視点で評価したい。
(まとめ)
パフォーマンスを大幅に向上させたこと,WindowsのGUIからシームレスに使えること,仮想化専用ソフトウェアを購入する必要がないこと――Hyper-V 2.0の登場は,“はじめてのサーバー仮想化”のハードルを大きく引き下げることになるだろう。HP ProLiant ML330 G6なら,OS込みでわずか「40万円」から仮想サーバー環境をスタートできる。Windows Server 2008 R2 Enterpriseには4つまでの仮想サーバー環境を構築できるライセンスが含まれているので,2システムの統合から始めて,運用手順などを確認しながら段階的に仮想サーバーを増やしてはいかがだろうか。







