化学は地球を救えますか? Chemistry for a Blue Planet
AGC化学品カンパニープレジデント対談編 | 家庭から地球まで救える化学って?

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家庭科学総合研究所、略してカソウケンの研究員マリカとして、また、東京大学で化学を専攻したサイエンスコミュニケーターとして、日々科学と化学の面白さを伝えている内田麻理香さんが、AGC旭硝子の千葉工場、鹿島工場を見学したのは前回、前々回でお伝えしたとおり。化学工場ならではのダイナミックな化学の利用を目の当たりにして、新たな化学の魅力、そして化学の課題を見つけたそうです。はたしてそれは何か? 旭硝子株式会社AGC化学品カンパニーの島村琢哉プレジデントと、化学がより親しみやすい存在になる方法を、語り合います。
内田 麻理香  Marika Uchida
サイエンスライター。
サイエンスコミュニケーター(科学技術コミュニケーター)。東京大学工学部 広報室 特任研究員、東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 博士課程在籍。
各種媒体を通じて、「身の回りにある科学技術」を気軽に楽しんでもらうために活動中。
カソウケン(家庭科学総合研究所):http://www.kasoken.com/
島村 琢哉 Takuya Shimamura | 1980年 旭硝子株式会社 入社。AGC化学品カンパニー企画・管理室長を経て、2010年1月 執行役員 AGC化学品カンパニー プレジデント就任。
島村 内田さん、先日は弊社の千葉工場、そして鹿島工場までわざわざ来てくださって、ありがとうございました。
内田 こちらこそ、ありがとうございました。とても楽しかったです。
島村 内田さんは大学で化学がご専門ですよね? これまでに化学工場をご覧になったことはありましたか?
内田 いいえ、初めてです。今回は、まず、規模の大きさに驚きました。土地の広さ、工場内の道路の広さ、設備の大きさ、作られているものの量。どれをとっても、私が経験してきた実験室内の化学とは違って、ジーンときました。スキー場のような塩山からはカルチャーショックに近い衝撃を受けましたし、一体何kmあるのかわからない、あらゆるところに張り巡らされている配管も圧巻でした。その配管のおかげで、違う薬品を入れ間違うといった事故を防げるというのも、よく考えられているんだなと思いました。
島村 化学は「混ぜるな危険」ですからね。管ごとに化学物質を分ければ、けっして混ざらないですから安全なんです。
内田 あの長ーい配管にはそんな意味があるんですね。それから、作られている化学製品が、意外と身近で使われていることにも驚きました。
島村 重曹のことですか?
内田
バラエティに富んだ、重曹の最終製品
そうです。お掃除に使ったり、ベーキングパウダーに含まれているのは私も知っていましたが、ペットボトルのお茶や缶コーヒー、いつも食べているようなお菓子、ラムネ、有名な胃薬にまで入っているとは知りませんでした。お友達に話しても、みんなびっくりしましたよ。
島村 重曹は、日本では入浴剤として最も多く使われています。次に多いのが胃薬などの医薬品用です。アメリカでは、ベーキングパウダー、脱臭剤、それからカーペットの掃除に使われることが多いようです。
内田 カーペットの掃除ですか?
島村 カーペットに重曹を振りまいて、それを掃除機で吸うんです。アメリカの家は土足ですからね。ガンコな汚れに重曹が大活躍するんです。
内田 イラスト marika_int_th_32匂いも汚れも取れそうですね。今度やってみます。先日も伺いましたが、ガラスメーカーであるAGC旭硝子が重曹を作るようになったのは、ガラスの原料を自社生産するようになってからなんですよね?