ケンプラッツ Special :旭硝子株式会社 第2回

旭硝子株式会社 AGCガラスカンパニー 「FILE 02 インタビュー編(1) 防火設備用ガラスの新常識」
視界クリアだからこそ使える製品「マイボーカ®」で性能確保の提案を

──住宅の性能というものに関して、日ごろどのようにお考えですか

清家 ● 建築主にとっての価値と考えたとき、安全安心や健康といった性能に重点が置かれているのではないか、とみています。しかし、だからと言って、実際に住宅を建てるときには必ずしも、それらに関して、最高の性能を求めるわけではありません。

 耐震性を例に取りましょう。住宅を建築するだれもがそれを重視するとは思いますが、現実には、耐震性の高い住宅が次々と建てられているわけではありませんし、現在住んでいる住宅の耐震性を高める改修工事を実施する例もそう見られません。

 それは、最低基準である建築基準法を守りさえすればいい、という感覚があるうえに、安上がりなほうがいい、という意識も根強いからとみています。最低基準を満たしさえすればいいと考える供給者にも、安上がりなほうがいいとそれを支持する消費者にも、問題はあると思います。

「ガラスは透明」が消費者の期待

──必要な性能を備えた住宅の供給には、なにが求められますか。

清家 ● 極論としては、基準をなくしてしまう、という方策が考えられます。最低基準はなくしてしまって、なにか問題が起きれば、自己責任で対処してくださいという考え方です。供給者は競争関係の中で、性能水準を自由に提案していくわけです。

 住宅づくりに関する消費者の知識に目を向けると、インターネットの普及もあって非常に高い水準に達していると言えます。ネット上では、専門知識も豊富だし、口コミ情報も手に入れることができます。それらの情報をもとに的確な判断を下せる人にとっては、メリットがあると思います。

──「マイボーカ®」は防火性能の確保に欠かせない製品です。その意義を、どのようにみていますか。

清家 ● 防火性能を必要とする個所には、網入りガラスが一般的に使われています。ただ、消費者はなぜ網入りなのか、理解はしていないと思います。防犯上の必要から網が入っているのではないか、と誤解されているケースも多いのではないでしょうか。

 それが防火上の必要性からと理解できたとしても、なぜ網入りなのかという点までは、納得できないと思います。なぜなら、ガラスという建材は一般に、透明であることが期待されているからです。

 もちろん、透明の耐熱強化ガラスはこれまでも製品化されていて、プロは網入りと透明の耐熱強化とを適材適所で使い分けてきたのでしょう。ただ、それが「マイボーカ®」という形で一般的な製品になったことで、透明の耐熱強化ガラスが広く知られ、だれもが自由に使うことができるようになった。この点は意義深いと思います。

──「マイボーカ®」にはどのような使い方が想定されますか。

清家 ● これまでは、最低限防火ガラスにしないといけない個所に、仕方なく網入りガラスを使ってきた側面があるのではないでしょうか。しかし、これからは違います。

ためらいなしに使える製品

 網入りは避けたいという理由で防火仕様にしなかった個所でも、透明ガラスで一定の防火性能を確保できるようになります。つまり、防火性能の確保を法令で定められていない個所であっても、建築主の判断で防火ガラスを使うことが、網なしだからこそ抵抗なくできるようになるわけです。これまでは、網入りだから視界が悪くなる、という理由で使用を避けてきたかもしれません。しかし「マイボーカ®」なら、ためらいなしに、安心して使うことができます。

 設計者や工務店など建築の専門家にとってみれば、安全安心を確保する一つの選択肢として用いることで、提案の幅を広げることができるようになると思います。そして、透明な耐熱強化ガラスの提案をきっかけに、防火性能に対する考えを深めることもできるのではないかと期待します。

 ガラスの改修需要も見込めるのではないか、と思います。これまで網入りガラスを使ってきた個所を、「マイボーカ®」に切り替える需要です。防火性能を維持したまま、ガラスを網なしに変えることができるので、眺望の良さを生かしたい個所なら、ガラスを取り替える効果は大きいでしょう

お問い合わせ
薄くて軽い、網入り板ガラスに代わる新製品 網なしで視界すっきりの「マイボーカ®」
視界クリアだからこそ使える製品「マイボーカ®」で性能確保の提案を
インタビュー編
東京大学大学院 新領域創成科学研究科 社会文化環境学専攻 准教授・博士(工学)清家 剛 氏
1987年3月東京大学工学部建築学科卒業後、89年3月同大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了。91年4月同大学工学部建築学科助手に就任。99年4月から現職。環境学の分野では、建築を長く使い続けるための改修技術、廃棄物を減らすための解体技術とリサイクル技術、環境に配慮した建築を設計するための意思決定プロセスなどを研究する。

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