オフィスのパソコンで作成したファイルを、自宅のパソコンでも確認したい。またネットブックやiPhoneなどのモバイル環境でも閲覧したいと考えたことは誰にでもあるだろう。そのためには、USBメモリやCD-Rにデータを保存したり、メール添付やファイル転送サービスを利用したりという方法があるが、手間もかかるし、データの一元化という面でも問題がある。さらにメディアの紛失等のセキュリティ上のリスクもある。そこで利用したいのが、オンラインストレージ。インターネット上に自分専用の記憶領域を持ち、ファイルを保管できるこのサービスを使えば、データを移動する手間もリスクもなく、またデータの一元管理も可能になる。使いこなせば情報活用力が大幅にアップすることマチガイなしの、オンラインストレージサービスを紹介していこう。
オンラインでファイルを「同期」するか「共有」するか
キヤノンのドキュメントスキャナー「imageFORMULA DR-150」を利用して電子化した文書の情報を、いかに活用するか。オフィスのパソコンにため込んでいたのでは、いずれハードディスクの容量を圧迫し、快適な作業環境が損なわれていく。さらに、オフィスを離れたモバイル環境でそれらの情報が活用できないのでは、電子化した意味は半減してしまう。そこでおすすめしたいのが、オンラインストレージサービスの活用だ。「DR-150」で電子化した情報を、オンラインストレージと組み合わせてネット上で管理すれば、データを一元的に管理し、必要なときにどこからでも、最新の情報にアクセスできる快適な仕事環境を構築することができる。
オンラインストレージを活用する目的は、大きく分けて「同期」と「共有」、そして「アーカイブ」だ。「同期」とは、オンラインのサーバーに保存されたデータを、オフィスなどのクライアントパソコンにコピーして、同じ状態を保つこと。したがって「同期」を行う場合には、クライアントパソコンにも保存のための容量が必要になる。複数のデバイス間でファイルの「同期」を行う場合には、それらのすべてに、保存するデータと同じ空き容量が必要であり、記憶容量に余裕のないネットブックなどでは使いにくい面もある。しかしデータ自体はクライアントパソコン上にあるので、オフラインの状態でも閲覧や変更を自由に行うことができ、変更後に保存すれば、インターネットに接続した際に、オンラインのデータを自動的に最新のものに更新してくれるという便利さもある。
一方「共有」は、複数のメンバー(あるいは複数のローカルパソコン)がファイルを登録・参照・更新・削除できる機能であり、企業活動におけるチームコンピューティングには不可欠なものだ。データはオンラインにのみ置かれているため、ローカルなデバイスにデータ分の保存容量が必要になるということはない。ただしデータを利用する際には、基本的にローカルパソコンにダウンロードし、変更後は再びアップロードしておく手間がかかる。
「同期」や「共有」は、現在進行形のビジネスで使用されている動的なファイルを管理・活用するための機能。それに対して「アーカイブ」は、当分は使わないが、この先いつか使うかもしれないというデータファイルを保管し、ローカルパソコンの記憶容量に余裕を生み出すためのものといえる。
登場した頃のオンラインストレージサービスは、使い方が面倒なものが多く、ファイルの更新やアップロード/ダウンロードのたびに、ブラウザからそのサービスのWEBページにアクセスしてログインし、ファイルを手作業で操作しなければならなかった。現在では、様々なオンラインストレージサービスが提供されているが、人気のサービスでは、ファイルの更新やダウンロードも自動化されるなど、使い勝手は大きく進化している。サービスによってその特徴は様々だが、例えば「同期」や「共有」を目的とするなら、データへのアクセシビリティが高く、通常のファイル操作と同じ感覚で使えるサービスを、また「アーカイブ」を主目的とするなら、保存できる容量の大きなサービスをというように、利用目的に合ったサービスを選ぶことが可能だ。
シンプルな使い勝手が人気の定番ツール「Dropbox」
シンプルな機能と使い勝手の良さが人気の「Dropbox」は、インストール後にマイドキュメント内に生成される「My Dropbox」フォルダに、バックアップしたいファイルをドラッグ&ドロップするだけで、ファイルに変更を加えるたびに更新内容を自動的に同期・バックアップしてくれる。そのためユーザーは「Dropbox」の存在をほとんど意識することなく、複数のクライアントパソコンで完全に同一のファイルを利用できる。またブラウザを介して利用できるWebインターフェイスが用意されているので、クライアントソフトをインストールしていないパソコンからでも、ファイルのアップ/ダウンロードなどの操作が可能だ。
一度でも「My Dropbox」に保存したファイルは、その時点でオンラインストレージ上にバックアップされるため、パソコン上でうっかり削除してしまったような場合にも、Webページから簡単に救出できる。さらに「My Dropbox」内のファイルが新たに保存されるたびにその差分情報が保存されるため、ファイルを任意の日時の状態に戻すことも可能。例えば、作成中の企画書を3日前の状態にさかのぼって作り直すといった操作も簡単に行える。
そのほか、他のユーザーにもアクセスを許可できる「パブリックフォルダ」などを使えば、ファイル容量が大きくなり過ぎてメール添付では送れなくなってしまったプレゼンテーションファイルを、上司や同僚に公開して見てもらうこともできる。「Dropbox」のユーザー同士なら「シェアフォルダ」をまるごと共有できるので、プロジェクトチーム全員でフォルダ内のファイルを閲覧、変更、削除しながら、共同作業を行うことも可能になる。
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複数フォルダを指定して同期できる「SugarSync」
「Dropbox」と人気を二分する「SugarSync」では、「Dropbox」の「My Dropbox」と同様に、自動的に全コンピュータ間で同期させる設定の「Magic Briefcase」フォルダが提供されているほか、オンラインにバックアップするフォルダを任意に指定し(複数でもOK)、複数のクライアントパソコン間で同期することができる。同期させるフォルダの設定は、「SugarSync Managerを起動し、作業中のコンピュータを示すアイコンに同期させたいフォルダをドラッグ&ドロップするだけ。例えば、進行中の複数のプロジェクトごとにフォルダを作成して、関連する情報ファイルや作成する企画書などを、まとめてそのフォルダに保存しておき、「SugarSync」で同期させておけば、オフィスでも自宅でも、またモバイルでも、常に同じ環境にアクセスし、効率的な作業が行えるだろう。もちろん、任意のフォルダを「共有」する設定も可能だ。
また一度アップロードしておくとオンラインのサーバーに保存され、その後は同期されない特別なフォルダである「Web Archive」も提供されている。日常的に使用するデータのなかには、オンラインにバックアップはしておきたいが、別のパソコンとは同期させたくないものもある。特にモバイル環境でネットブックやiPhoneなどを使用する場合には、容量の大きなデータファイルを、モバイルデバイスの記憶容量を気にせずにオンラインに保存しておき、いつでも各デバイスで共有して利用できるこの機能は重宝するはずだ。「SugarSync」では、スタイリッシュなインターフェイスが目を引くモバイルデバイス用のアプリケーションにも注目したい。iPhoneのほか、BlackBerry、Android、Windows Mobileに対応した「SugarSync Mobile」が提供されている。
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大容量ファイルを共有しながらコラボできる「drip.io」
「drip.io」では、ユーザー登録などを一切することなく、「drop」と呼ばれる最大100MBの保存領域をオンラインに作成し、そこにオフィスファイルや画像、動画、音楽などのデータファイルをアップロードできる(1URLにつき100MBまでであれば、ファイル数、ファイルの種類は無制限)、いわば簡易オンラインストレージサービスだ。パスワードやコンテンツの保存期間を設定することもでき、また権限設定やSSL対応などのセキュリティ機能も充実している。
基本的な使用方法は、公式サイトにアクセスして専用の領域(URL)を取得し、アップロードしたいファイルを指定してから「Create A Drop」をクリックするだけ。あとは共有したい相手にそのURLを伝え、そこにアクセスしてもらえば、ファイルのダウンロードが可能になる。
簡単操作のファイルアップローダーとして使える「drip.io」だが、じつはその真骨頂は、ファイルを軸としたコラボレーション機能にある。まず「drop.io」では「iPaper」というツールを使い、オフィス系文書ファイル(Word/ Excel/ PowerPoint/ PDFなど)をオンラインで閲覧できるようになっている。また音楽ファイルの場合も、Flashベースのプレーヤで再生が可能だ。さらに各ファイルに対してコメントをつけることができ、そのコメントはリアルタイムで共有している他のユーザーのブラウザにも反映される。チャット機能も提供されており、これを使えばファイルを中心に、他の共有者と会話をしながら作業を進めることもできる。また会話中にファイルを追加でアップロードするなど、様々なコラボレーション機能が提供されている。
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| drip.io
公式サイト/http://drop.io/
利用料金/無料
ディスク容量/100MB
有料オプション/25URL/20GBの「Professional」は19.99ドル/月〜 |
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信頼性の高い大容量ストレージサービス「Skydrive」
マイクロソフトが提供している大容量オンラインストレージサービスである「SkyDrive」は、Windows Live ID を取得すれば、誰でも無料で利用でき、あらゆる種類のファイルやフォルダを25GBまで保存しておける(ただし単体で50MB以上のファイルのアップロードは不可)。最大の魅力は、やはり25GBという大容量。そしてマイクロソフトが提供しているサービスであることから、長期にわたって継続的な提供が期待できるという安心感だろう。ひとつのプロジェクトが終了し、その関連データはしばらく使用しないという状態になったときに、まとめてアーカイブしておくような用途に最適のサービスのひとつといえる。
ストレージ内に作成したフォルダは、自分だけがアクセスできる「非公開フォルダ」、誰とでも、あるいは指定した人とだけ共有できる「公開フォルダ」のどちらかに設定することができ、保存用としても共有用としても使えるようになっている。フォルダの共有設定を変更する場合には、共有する相手を選択し、該当のフォルダをどこまで操作できるようにするのかといった権限の設定が可能。また特定した人物だけがアクセスできるようにしたい場合には、「個別のユーザー」欄に対象者のメールアドレスを入力ればよい。また初めてファイルのアップロードを行うときには、アップロード ツールのインストールを勧められる。このツールをインストールすると、ドラッグアンドドロップで簡単にファイルをアップロードできるようになる。またファイルごとにコメントやタグをつけることもできるので、ある案件の見積書に「案件名」、「見積書」、「担当者」などのタグをつけておけば高い検索性も確保できる。
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ドキュメントスキャナー「DR-150」を使用して電子化した文書は、直接オンラインストレージに保存することもできる。例えば「やさしく名刺ファイリング エントリー3」を使ってスキャンした名刺データは、デフォルトの設定では、パソコンの「マイ ピクチャ」フォルダに保存されている。この保存場所を任意に変更する場合には、 [ピクチャフォルダに保存する]のチェックボックスをオフにしてから、[参照]ボタンをクリックし、保存したいオンラインストレージのフォルダを設定してやればいい。
また前回紹介したオンラインメモツール「Evernote」にも、無料版にはJPEGなどの画像ファイルやPDFを、また有料版にアップグレードすればあらゆるファイルを保存することができる。今回紹介したオンラインストレージと「Evernote」、どちらも便利なツールだけに上手に使いこなしたいところだが、両者をどう使い分ければよいのだろう。オンラインにファイルを保存する場合には、明確なルールを決めずに使い始めると、いざというときに必要なファイルをどこに保存してあるのかがわからなくなってしまう。例えば情報を記録したメモや写真、名刺のデータベースのように、毎日発生する情報を保存するするなら「Evernote」、ExcelやPowerpointなど、無料版の「Evernote」に保存できない種類のファイルのほか、ある程度の期間使用し続け、また何度も更新しながら作成し、活用していくファイルはオンラインストレージにというような使い方を決めておきたい。
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