

IFRSの円滑な導入に向けて課題を抱える企業に対し、ジャパン・ビジネス・アシュアランスでは、導入フェーズを4つに分類し、導入をサポート・支援している。
まずフェーズ1は、「計画の策定」だ。このフェーズでは、IFRSに関連した各関係者に対しプロジェクトの目的やゴールを説明し、協力を取り付けることが重要となる。その際に、まず関係者に対する論点の理解が必要であるが「枝葉末節な会計論点を羅列するのではなく、IFRSのコンセプトをきちんと理解し最終ソリューションをイメージしてもらうこと」が大切だという。「例えば、『IFRSにおける公正価値評価とは、今までのような過去のコストを積み上げる計算ではなく、将来お金をいくら生み出すかというキャッシュフローの積み重ねで評価する考え方。だから将来キャッシュフローの計算基礎となる事業計画の重要性が増す』というようなイメージ例を交え、今までと何が大きく変わるのかを簡潔に伝えるといいでしょう」と脇 一郎氏は語る。
また、IFRS導入は難易度の高い連結グループ全体のプロジェクトとなるため、本社経理部門へ任せきりにせず、プロジェクトのプラン策定や実行に長けた経営企画部門やIT部門、業務部門など全社を巻き込むことが肝要だ。
フェーズ2は、「会計方針の確定」である。「ポジションペーパー」と呼ばれる会計処理の具体的な決定プロセスと、業務・システムへの詳細影響分析をまとめた文書を、経理部門主導のもと、論点別作業部会にて作成する。各ペーパー作成を個別担当する作業部会の内訳は、フェーズ1の段階で決められるが、企業の業務やシステムの状況によっても異なってくる。
「共通して言えるのは、有形固定資産や無形資産のように概ね確定している実施項目から優先的に着手すること。金融商品や収益といった“ムービングターゲット”は結論が出る来年以降から検討してもよいでしょう」(脇氏)

フェーズ3の「財務報告作成準備」では、フェーズ2で作成したポジションペーパーに基づいて、会計処理マニュアルおよび関連規定の作成を開始。さらに開示要件の定義、仕訳データの検討、連結処理手続構築、J-SOX対応、最後のフェーズ4の「全社展開及び運用定着」へ続く財務報告一式を作成する。
「このフェーズで特に問題となりがちなのが、該当する仕訳の基データが会社にない、という事態です。会社規模が大きいほどデータの収集に手間がかかるため、システム開発や連結パッケージの導入を含めて検討することになります」と脇氏は話す。
それでは、こうしたプロジェクトを成功させるポイントはどこにあるのだろうか。
「IFRS導入は長期かつ多くの利害関係者が関与するだけに、プロジェクトマネジメントは不可欠です。様々な社内外関係者(全業務部門、関係会社、監査法人等)の調整が必要となるため、この部分だけでもコンサルティング会社など外部リソースの活用を検討するとよいでしょう。特に監査法人の協力は不可欠ですが、会計監査人が具体的な会計方針を提示することは独立性の問題からできないため、企業側が主体的に監査法人の協力を引き出すような体制が必要でしょう」と脇氏。同社ではこうした観点から、企業側に立ったIFRS導入プロジェクト支援メニューを整えているという。

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