これまで、日本エイサーの挑戦を2回にわたってお伝えしてきた。法人向け製品の全数チェックによって初期不良ゼロを目指す取り組み、24時間365日休むことのないコールセンターは、ユーザーにとっては購入に踏み切る大きな安心材料となっている。今回は、修理品を入庫から3営業日で出庫するというリペアセンターを訪れ、迅速な修理の実現に向けた取り組みに迫る。
データベースとチェックシートで確実に管理
日本エイサーのリペアセンターは、さいたま市大宮区にある。2007年にGatewayを買収して取り扱い製品が増えたのをきっかけに、規模を拡大した。広々とした入庫スペースに、配送業者から運ばれた修理品が整然と並ぶ。
届いた修理品は、すべてシステムで管理されている。入庫時に、シリアルナンバーやユーザーの名前などを元にコールセンターのデータとマッチングさせる。「コールセンターとお客様のやりとりで、トラブルを再現するための条件を詳細に伺っていることがあります。修理品にはお客様の簡単なメモしか入っていない場合が多いので、コールセンターのデータベースは修理の効率を上げる重要な情報となります」と、リペアセンターの担当者は言う。
システム上だけでなく、詳細なチェックシートを用いて入庫時の状態を記録する。付属品だけでなく、保証書、領収書、ケーブルなど、ユーザーから送られていたものを確実に出荷するためだ。また、「いろいろな箱や紙袋で梱包されてきますが、基本的にそのままお返しするようにしています。お客様にとっては“取っておきたい箱”という場合もあります。ただし、配送に不安が残るような弱い梱包材などは、お客様の了承を得て処分させていただき、こちらで箱を用意することもあります」と、細かい配慮も忘れていない。
ライン方式を導入して効率と精度をアップ
入庫の処理をしたら、ネットブック、ノートブック、デスクトップ、ディスプレイ・プロジェクターの4種類に分類、さらに有償/無償に分けた合計8種類のライン方式によって修理を進める。以前はひとりの技術者がひとつの製品を最初から最後まで担当していたが、リペアセンターを拡大したタイミングで方式を変更した。ひとつの製品でも複数の目を通ることで見落としが減り、精度が高まる。また、効率も上がるというのだ。「技術者には、どうしてもスキルのばらつきがあります。ライン方式にすることで、もっとも難しい検証部分をスキルの高い技術者が担当し、素早く修理個所を見つけることができます。高いスキルを要求しない作業は別のスタッフに任せられるため、効率が上がるのです」
それぞれの技術者やスタッフが作業するデスクは広々として、すっきりと整頓されている。これなら、同梱品が紛失してしまうようなリスクも最小限に抑えられる。「検証中」「見積の回答待ち」など、ステータスによって置き場所が分かれているので、誰が見ても迷わず作業できるよう工夫されている。
進捗状況を常にチェックすることで修理品の入庫から出庫まで3営業日での修理が可能に
製品はそれぞれ、現在のステータスが細かくシステムに入力される。すべての製品の進捗状況は、技術的スキルを持った専任のスタッフが厳しい目でチェックする。少しでも止まっているものがあれば、マネージャーが担当者に状況を尋ね、進めるようにサポートするのだ。
例えば、PCを初期化する際には必ずユーザーに連絡を取り、許可を得てから作業する。しかし、すぐに連絡が取れない場合にはステータスが止まってしまう。マネージャーはこのような状況を見て逐一改善する。電話で何度問い合わせてもつかまらなければ、メールや手紙による連絡を促すこともある。作業者だけではなく第三者の目でチェックすることで、流れがスムーズになるのだ。
検証して修理個所がわかったら実際の修理に入る。修理のためのパーツは、リペアセンターの2階にある専用倉庫に揃っている。1製品につき約60種類のパーツがあり、保証期間内のものはすべて保管。その数は15万点にも上るのだ。デリケートなパーツも多いため、温度管理にも気を使っている。また、選任のパーツチームが待機しており、技術者がシステムに入力した必要パーツを定期的にラインへ運ぶ。細かくシステム化されたライン作業だからこそ、効率的なパーツ補充が可能になり、3営業日修理にも一役買っている。
まれに、検証や修理が非常に難しくて進まないケースがある。その場合は、常駐しているテクニカルチームに問題をエスカレーションする。「パーツの相性が合わない」など専門的かつ具体的な知識を要するため、一旦ラインから外してテクニカルチームが受け持つのだ。3営業日で出荷できない場合にはユーザーに連絡をするが、テクニカルチームが同じ場所で待機しているからこそ、時間のロスが最小限で済む。
ユーザーが気がつかないような問題も修正
修理した製品はすべて、出荷前に品質検査のプログラムを走らせる。「間違いなく直っていることを確認する意味はもちろん、どんなに簡単な修理内容でも実施することで、お客様ですら知らなかった問題を発見する意味もあります」とのことだ。要求された内容だけでなく、ユーザーによりよい環境を提供する姿勢が伺える。
その後は、梱包前に外観をクリーニングする。届いたときよりも美しい状態になるケースがほとんどだという。クリーニングの担当者は技術者ではないため、決して製品の中を開けることはない。専門の知識を持った者以外は中のパーツに触れられないというのも、安心できるポイントだ。美しくクリーニングされている間に、別のスタッフが報告書を作成する。ここでも、効率化が重要視されているのだ。
今回のリペアセンター訪問では、基本的に3営業日修理という素早い対応ながら、丁寧な作業が見て取れた。ゆったりとした空間でそれぞれ専任のスタッフが集中して作業できる環境は、修理を依頼したユーザーが目にしたら、さぞ安心できるに違いない。
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