|
|

連載第2回では、クラウド環境でCOBOL活用ソリューションを提供しているマイクロフォーカス社の顧客やパートナーのサービスや事例を紹介する。いずれも、いち早く時代の最先端を行くビジネスの展開に成功している企業だ。

●総合クラウドソリューションにCOBOLメニューをラインアップ
情報技術で、新しい「しくみ」や「価値」を創造、より豊かで調和のとれた社会の実現を目指すシステムインテグレータのNTTデータ。情報サービス事業においては業界屈指の規模を誇る。
同社では、クラウドソリューション 「BizXaaS(ビズエクサース)」を展開している。これはクラウド構築・運用サービスとクラウドプラットフォームサービスを提供する、エンタープライズ向けの総合クラウドソリューションだ。
この中のメニューの一つに「BizXaaS マイグレーションサービス」がある。現行システム上で稼働しているIT資産を有効活用して初期投資コストを削減しながら、安心・安全なシステムの移行をサポートするものである。
2011年1月27日、同社はここに「COBOLクラウド」メニューを追加することを発表した。マイグレーションサービスを展開する中で顧客から多く寄せられていた、メインフレームIT資産の有効活用の声に応えたものである。
●標準COBOL製品にMicro Focus COBOLを採用
この「COBOLクラウド」メニューは、メインフレーム上に構築されている顧客IT資産を、オープン系システムで構成するクラウド環境へ低コストで移行するサービスである。BizXaaSクラウド環境に、NTTデータのオープン系基盤ミドルウエアソリューション「PORTOMICS」やオラクルの「Oracle Tuxedo ART」を適用。これにより、個別のシステムインテグレーションが必要だったメインフレームマイグレーションが、業務プログラムの移行だけで実現可能になる。
この「COBOLクラウド」で標準製品として採用されたのが、「Micro Focus COBOL」だった。NTTデータ 基盤システム事業本部 システム基盤サービスビジネスユニット 第二基盤サービス統括部 統括部長 星野亨氏は、選択理由を次のように語る。「理由は単純明快で、グローバルベースで最もスタンダードなCOBOLといえば、Micro Focus COBOLだから。選択するまでもなかった」。
同社では、このビジネスはスタートすれば短期決戦になると読んでいる。推進にあたっては、中国のオフショアリソース内でCOBOL技術者を育成、移行元ソース分析から移行、単体テストまでを行う体制を整備している。
●既に100件を超える問い合わせが殺到
1月のプレスリリース後、企業からの問い合わせは100件、移行元ソース分析まで行ったケースは10社を超える。星野氏は「3年で投資を回収できるプランを提示している。このメニューを活用することにより、ダウンサイジングのボトルネックの一つであった移行に伴う初期コスト、期間、リスクなどを解決するとともに、その後のシステム拡張に大きな可能性が広がる」と語る。今後3年間で50件程度の受注を見込み、BizXaaS事業全体の中核サービスまで高めたいと意気込んでいる。
※NTTデータの「クラウドソリューション BizXaaS」の詳細はこちら

●マイグレーションに強いシステムズが北海道の自治体クラウド開発実証事業に参画
システムズは、基幹系システム、マルチメディア、Webソリューションの構築において幅広い実績を有するビジネスソリューションサービス企業だ。中でも、マイグレーション分野においては、国内・外の特許取得に代表される独自のシステム開発力、システム移行力を誇っている。
2010年8月、同社は北海道の自治体クラウド開発実証事業に参画することになった。この実証事業とは、道が2003年に発表した「北海道電子自治体プラットフォーム構想(HARP構想)」を実現する取り組みの一環である。総務省が電子行政にクラウドコンピューティング技術を取り入れようとクラウド実証事業に参加する都道府県を公募。北海道はそれにHARP構想で参加することになった。
●メインフレームCOBOL資産のストレートコンバージョン
クラウドのあらゆる可能性を探る試みの中でシステムズが担当することになったのは、北海道の中のある組織の人事情報処理システムにおける大型汎用機システムを自治体クラウド環境上にマイグレーション可能であることを検証するプロジェクトだ。求められたのは、メインフレーム上の既存ソフトウエア資産をそのままクラウド環境へ移し、システムの移行容易性、移行の際の課題や制限事項、手順を確認することだった。
今回の自治体クラウド開発実証事業における共通プラットフォームは、仮想化テクノロジーであるVMware環境上のWindows Server 2008だったが、このプロジェクトの実現にあたってシステムズが選択した製品は「Micro Focus Net Express」だった。その理由を、システムズ マイグレーション事業本部 営業企画推進部 担当部長 中本周志氏は次のように語る。「この製品は一つですべてがそろっており、オンライン制御もできれば、Javaとの連携やデータベースへの接続性にも優れ、できるだけ作り込まないマイグレーションを志向する当社のビジネスポリシーに合致していた」。
●Javaとの高度な連携も実現し3カ月でプロジェクト完了
今回、移行の対象となったのは、メインフレーム上で稼働していたCOBOLのオンライン処理プログラム、バッチ処理プログラムの双方で、同社は移行にあたって様々なノウハウを駆使した。
その一つがCOBOLとJavaの高度な連携だ。移行の陣頭指揮を執ったシステムズ マイグレーション推進グループ リーダ 高尾勇次氏は、開発当時を振り返ってこう語る。「今回採用したMicro Focus Net Expressには、COBOLのリンケージセクションで宣言されている領域からJavaとのインタフェース部分を自動生成する機能を搭載しているため、これをできるだけ利用するようにした。このような使い方は、基幹業務を支えるCOBOLを新しい時代にも使い継いでいく上での大きなポイントとなっていく」。
この人事情報処理システムは、同社3名が開発チームを構成。実質3カ月間でクラウド化を完了した。COBOL資産の変換自動化率は99%超だった。
今回の移行成功によって、道内の市町村の所有する様々なCOBOL業務アプリケーションは、マイグレーションでクラウド化可能であるということが名実ともに実証された。今後、道内でこの構想を推進していく上で重要な選択肢が誕生したことになる。
※システムズ「マイグレーション・ソリューション」の詳細はこちら

●事業柱の一翼を担うメインフレーム移行サービス
1976年の創業以来、東京システムハウスは国内外のコンピュータベンダーからは最新のハードウエア・ソフトウエア技術を、顧客からは現場の業務ノウハウを真摯に学び、これらを巧みに融合することで、独自のシステム・ソリューリョン提供に努めてきた。事業は大きく、業務パッケージ・アプリケーションの開発・提供、受託開発、MMSの展開という3本柱から構成されている。
MMSは、正式名称をMainframe Migration Serviceといい、文字どおり、メインフレーム、オフコン上のソフトウエア資産をオープン環境へ安全かつリーズナブルに移行することを支援するものだ。既に展開実績は16年以上。独立系ならではのマルチベンダー/マルチプラットフォーム対応、豊富なナレッジを誇るコンサルティングサービスやリソース変換サービス、移行後のプラットフォームを支えるマイグレーション用のミドルウエア「AJTOOL」の存在が、大きな差別化ポイントとなっている。
●オフコンCOBOL資産を対象にクラウドへ誘う「MMS+Cloud」
同社では、所有から利用へというITの潮流に対応すべく、このMMSを「MMS+Cloud」という名称でクラウドサービスでも提供している。移行元システムはオフコン限定ではあるが、このサービスを利用することにより、既存のソフトウエア資産はそのまま生かしつつ、同社のクラウド対応COBOL実行基盤である「AJBASE」上で運用可能になる。
また、オフコンユーザーを顧客に持つシステムインテグレータも、東京システムハウスがクラウド上で展開するプログラム変換ツール「MMS Tools」を活用すれば、自前で変更ツールを持つことなく移行プロジェクトが推進できる。このようなツール類を公開しているのは、マイグレーションプロバイダ多しといえど東京システムハウスだけだ。
さらに特徴的なのは、スマートフォンやタブレットPCにいち早く対応していることで、オフコンで動く物流管理システム、生産管理システムなどに、新たな活用方法を創造して提案することが可能だ。
●“安定”と“充実”を評価したMicro Focus COBOL
この「MMS+Cloud」上で採用されているCOBOL製品が、Micro Focus Net Expressである。東京システムハウス ビジネスイノベーション事業部 マイグレーションソリューション部 部長 清水真氏は選択の理由を次のように語る。
「製品として安定していて、グローバルに利用されてきただけあって、豊富なノウハウが製品の中に凝縮している。クラウド展開するなら、運用しやすいことが大前提となるが、マイクロフォーカスのCOBOL製品はJava、データベースとの連携も強い。また、統合開発環境もEclipseやMicrosoft Visual Studioのプラグインとして使えて一つに完結できる。そうした点が充実していることを評価した」。
日本のIT現場には約30,000台のオフコンが現役で稼働しているという。今後それらが急激にクラウドへ向かい、5年後には7割近くが移行を完了すると東京システムハウスでは見ている。オフコンCOBOLの有効活用とコスト削減には「MMS+Cloud」サービス、というのが同社が発信する強力なメッセージだ。