九州・熊本に本拠を置くステンレス加工メーカーの新日本ステンレス工業は、アジアをはじめとする海外企業との競争を勝ち抜くために、生産技術を磨いて収益力と競争力を高めることが、大きな経営課題になっていた。そこで導入したのが、日産自動車の「NPW(Nissan Production Way)改善コンサルティング」である。同社のクルマづくりで培ったノウハウを凝縮した生産方式「NPW」をベースに、企業の業務革新を支援するコンサルティングサービスだ。導入1年目から「NPW改善コンサルティング」は、新日本ステンレス工業の人財育成やマネジメントに大きく貢献している。

代表取締役社長
池上 正純 氏
日本企業は現在、規模や業種・業態を問わず、生き残りをかけて、収益力と競争力の向上を実現するための絶え間ない取り組みが求められている。こうした企業の業務革新を推進する手法の1つとして今、日産自動車の「NPW(Nissan Production Way)改善コンサルティング」が注目されている。
そのベースとなる日産生産方式「NPW」は、日産自動車のクルマづくりで培ったノウハウを凝縮したもので、「お客さまに限りなく同期する」ことをコンセプトにしている。「限りない同期」とは、お客さまの要望に最大限に応えようと努力することである。
NPWは、日産自動車の復活・成長を支えた「改善メソッド」として、現在も日産社内で実践されている。そして、尾崎氏などの現役社員がコンサルタントとなり、製造業やサービス業などの様々な企業に、業務改善のコンサルティングを行ってきた。2011年4月には新事業として、「NPW改善コンサルティング」の外販を開始している。

生産事業本部 NPW推進部
NPW改善コンサルティング室
課長
技術士(経営工学)
尾崎 和仁 氏
熊本市に本拠を置く新日本ステンレス工業は、その「NPW改善コンサルティング」を導入した企業の1社である。同社では約80人の従業員が、半導体製造装置用の精密板金や自動車製造ライン設備などのステンレス加工品の生産を担っている。お客さまの様々な要望にきめ細かく対応するための多品種・少量・高品質生産が、同社の最大の特長である。
しかし、アジアをはじめとする海外の企業から安価な製品が国内に入ってくる中で、「いかに生産技術を磨き、収益力と競争力を両立し、強化していくかが大きな経営課題になっていました」と、新日本ステンレス工業の池上正純氏は打ち明ける。そこで同社は10年ほど前から、いくつかのコンサルティング会社の指導の下、業務の改善を続けてきた。具体的には、ワンプラットフォーム方式やムービングラインなどの特徴的な生産方式による短納期対応や、3S(整理・整頓・清掃)活動の徹底などを通じて、高品質な生産活動を追求してきた。
だが、今後、グローバル化が進む中で、競争に打ち勝つための人財育成やマネジメントといった中長期的な課題の解決策、目標とするグローバルなありたい姿を見いだせないでいたという。「小さな組織でも、世界に通用する企業になれるのか?」という問題だ。
NPW改善コンサルティングの導入を決めた新日本ステンレス工業は、2011年4月から毎月2回の「指導会」を実施している。NPWに準拠したマネジメントを行うには「人づくり」が不可欠になるとの考えから、まずは指導会を、改善活動の土台を固めるための社員教育の場と位置付けた。そこで、工場長や各部門の課長職など、将来の会社を担う6人のキーパーソン(管理職)を選抜。コンサルタントである尾崎氏が彼らに対して、業務改善の能力を向上させるための教育・研修を行っている。
毎月2回の指導会では例えば、各部門が日々の業務で「困っている事」をテーマにして、問題点の把握と改善策を討議する。「業務改善に向けた問題点の洗い出しなど、日産で実際に行われている手法を基に、最新のノウハウを提供しています。NPW流マネジメントなどの考え方を6人のキーパーソンに伝えることで、強い組織づくりを目指しています」と、尾崎氏は話す。
実は、尾崎氏の指導を受けている6人のキーパーソンは、他の製造業や流通業など様々な分野からの転職組。指導会を始めた当初は、業務改善プロセスなどの議論において、相手が言っていることを理解できないこともあったという。
そこで尾崎氏は、業務改善に向けた「言葉の定義」や「数値の意味」などを標準化(=共通化)する指導を行った。現在では、「6人のキーパーソンが、相手が言っていることを理解できるようになっただけでなく、自分の部下たちに自分が学んだことを伝えるなど、全社的な効果が出ています」と、池上氏は言う。
新日本ステンレス工業は3年かけて、NPW改善コンサルティングを通じた業務革新を進める計画だ。その土台固めの段階である1年目に早くも、「従業員が自発的に改善点を見いだし、その解決策を自らが考え出して実行する」という成果が得られた。
そこで2年目以降は、収益力と競争力強化の段階に入ることにした。具体的には、6人のキーパーソンがそれぞれ、収益力と競争力を強化するためのテーマ(設備稼働率の向上、製造工程上での不良率の低減など)を設定し、それを実現するためのマネジメントや業務の革新に取り組む。例えば、製造工程やサービス提供のプロセスから徹底的にムダをなくすことなどによって、生産性を高めるといった取り組みである。
そして尾崎氏は、「NPW流のマネジメントを通じて、製造や営業などの各部門で業務の進め方を標準化します。特に中小規模の企業の場合、様々な業務を担うことができる人財を育成することが、強い組織を作るカギになります」と強調する。
企業を取り巻く経営環境が激変する中で、自社の“現場力”を強化したいと考えている経営層の方は、日産自動車“再生”の切り札になった「NPW」を活用した改善コンサルティングの導入を、検討してみてはいかがだろうか。

日産自動車は、お客さまが求めるQCD(品質、コスト、納期)に対応するため、独自の生産方式「NPW」を構築してきた。NPW改善コンサルティングは、同社のクルマづくりで培ったノウハウを基に、モノづくりやサービスの現場の課題を改善する。その特長は、(1)モノづくりの現場を持つ組織によるコンサルティング、(2)日産の現役社員が最新の改善手法を提案、(3)成果コミット型のコンサルティング、(4)生産・サービスの現場プロセスを、ともに作り上げる姿勢、(5)改善を持続する現場環境づくりと人づくり──の5つである。

そして、NPW改善コンサルティングのゴールは、改善活動の定着にある。現状を把握したうえで「ありたい姿」、「目指す姿」を設定する「同期」、現状とのギャップを埋める「課題の顕在化と改革」を通じ、限りなく続く改善サイクルを作る。こうした活動を通じて、モノづくりやサービスの現場作業のムダを排除し、業務の質や効率性を高められる。大規模から中小規模の企業まで対応。製造業のみならず、病院やホテルなどのサービス業まで幅広い業態で業務改善を支援している。既に100社に及ぶ導入実績があるという。
ふたつとない、すごいをつくる。〜新日本ステンレス工業株式会社〜
新日本ステンレス工業は、1965年に生まれた金属加工の技術集団。
創業以来、多数の企業ニーズを満たす高度なモノづくりに対応し多くの実績やノウハウを持つ。1種あたりの平均生産個数は、1.32個と非常に少量。「ふたつとない、すごいをつくる。」をスローガンに、様々なお客さまのご要望にお応えすることを可能にしている。
また、以前より取り組むワンプラットフォーム・ムービングラインとセル生産方式により、ウルトラ短納期にも対応。さらに、「人づくり」、各種研究開発に取り組むなど、常識にとらわれず、常に挑戦している。http://www.shin-nippon.co.jp/business/
- 社名:新日本ステンレス工業株式会社
- 代表者:代表取締役社長 池上正純
- 設立年月:昭和40年2月
- 本社(長嶺事業所):
〒861-8037 熊本市長嶺西1-1-67
TEL 096-382-3101 - 事業内容:半導体製造装置用精密板金、フレームおよび機械加工、自動車製造ライン設備、工作機械用部品加工、 航空機部品の機械加工および溶接部品加工
お問い合わせ
TEL:045−523−5308
E-mail:













