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マイクロフォーカスは2011年11月17日、東京コンファレンスセンター・品川において「COBOLフォーラム2011」を開催した。IT環境は日進月歩で進化を続けているが、誕生から50年が過ぎた今もCOBOLは企業の基幹システムを構築するためのテクノロジーとして利用され続けている。今後は、さらにクラウド環境やモバイル環境においてもCOBOLアプリケーションの活用が期待されている。本フォーラムの基調講演では、「新基幹系のススメ−明日のビジネスを支える情報システムの条件」と題し、日経コンピュータ副編集長の森山徹が登壇。基幹系のトレンドについて、現場取材の事例をベースに解説した。続く五つのセッションでは、COBOL開発環境・実行環境の最新情報とともにCOBOL資産を最新のテクノロジー環境で活用する製品・ソリューションが紹介された。以下にCOBOLフォーラム2011で行われた各セッションの内容をレポートする。
マイクロフォーカスは2011年11月17日、東京コンファレンスセンター・品川において「COBOLフォーラム2011」を開催した。IT環境は日進月歩で進化を続けているが、誕生から50年が過ぎた今もCOBOLは企業の基幹システムを構築するためのテクノロジーとして利用され続けている。今後は、さらにクラウド環境やモバイル環境においてもCOBOLアプリケーションの活用が期待されている。
本フォーラムの基調講演では、「新基幹系のススメ−明日のビジネスを支える情報システムの条件」と題し、日経コンピュータ副編集長の森山徹が登壇。基幹系のトレンドについて、現場取材の事例をベースに解説した。続く五つのセッションでは、COBOL開発環境・実行環境の最新情報とともにCOBOL資産を最新のテクノロジー環境で活用する製品・ソリューションが紹介された。以下にCOBOLフォーラム2011で行われた各セッションの内容をレポートする。


Micro Focus社は、モダナイゼーション、仮想化、モバイル化などにより、アプリケーションのビジネスバリューを改善させる取り組みを推進している。COBOLおよびモダナイゼーション分野においては、すでに35年の歴史があり、世界中で3000万人以上のユーザーがMicro Focusのテクノロジーを活用している。
Micro Focus社のCTOであるStuart McGill氏は、次のように話す。「現在のCOBOL開発は、モダナイゼーションが中心になります。どのようなIT環境でもアプリケーションを稼働できるように仮想化の技術も重要です。また、これまで開発が難しかったモバイル化が容易に実現できる技術も提供していきます。既存のCOBOL資産をいかに効率的にモダナイゼーションするかが、我々にとっての最大のテーマとなります。世界最高水準のテクノロジーにより、COBOL資産のモダナイゼーションを強力に支援するのがMicro Focus Visual COBOLです」。
現在、企業が持つ基本的な目標に大きな違いはない。いかに、コスト、品質、リスク、アジリティのバランスをとるかということだ。しかしITにおける課題は役割によって、様々なバランスが要求される。例えば、新規開発とメンテナンスのバランスをどうするか、人材のスキルセットをどうすればよいか、顧客に新規アプリケーションを提供する場合に、スキルとサービスをいかに組み合わせて提供するかなどだ。
この課題を解決するためには、関連する目的を個別に設定することが必要になる。例えば、スキルセットを考えた場合には、コラボレーション型のアプリケーション開発環境が重要となる。また、開発スキルの管理やアプリケーションサービスの提供、さらに付加価値型のITサービスの準備も必要となる。
次に明らかになった目的を、要件に落とし込む。目的に応じて、業界最高水準のツールを使った生産性の高い開発、統一された開発環境でスタッフ全員をサポート、サービス提供サイクルの高速化と高品質化、コスト効率の高いサービスディプロイメントを企業全体で実現といった具合だ。
Visual COBOLの最大の特長は、EclipseやVisual Studioに統合されており、効果的なクロス開発とスキルの再利用を促進できることだ。日頃使い慣れた開発環境を使うことで、プログラマーのスキルの蓄積を活性化させ、開発生産性を40%程度効率化し、アプリケーション品質を向上させることも可能。また一連の新機能により、Web、モバイル、クラウドなど、最新のサービス形態を短期間で実現できる。
「Visual COBOLは、.NetやWindows Azure、JVMなど、50種類以上のプラットフォームをサポートし、10種類以上のクラウドサービスにも対応しています。クラウドサービス間でのポータビリティが確保できることも重要なポイントです」とMcGill氏は話す。
またVisual COBOLの利用により、Windows環境やUNIX/Linux環境はもちろん、IBM System zなど、プラットフォームに依存することなくCOBOLアプリケーションのモダナイゼーションを実現。クライアント/サーバーやWeb、SOA、クラウド、モバイルなど、様々な技術革新にも対応する。さらにかつてない柔軟性とコスト効率に優れ、品質も確保できる。「Visual COBOLを利用することで、ソフトウエア開発の全体にメリットをもたらします」(McGill氏)。


1976年に英国で設立されたMicro Focus社は、常に最先端のCOBOLテクノロジーを提供してきた実績がある。1984年に設立された日本法人も、そのCOBOLの進化とともに今日に至っている。マイクロフォーカス 技術部 シニアマネジャーの小林純一氏は、「これまでに投資してきたCOBOL資産を有効に活用して、企業のビジネス価値の最大化を支援することが目的であり、その中核となるのがVisual COBOLです」と話す。
Visual COBOLは開発環境としてVisual StudioやEclipseを利用することで、あらゆるCOBOL開発者に高い生産性を提供している。また実行環境として、Windows、Linux、UNIXをサポートし、Microsoft Windows Azureにディプロイすることもできる。
2011年8月リリースの最新バージョンVisual COBOL R4では、COBOL JVMランタイムを正式にサポートした。COBOLで記述したアプリケーションをJava仮想マシン上で動かせるので、Android端末などのモバイル環境への展開も可能だ。業界標準の開発環境を使用することで、生産性の向上とビジネスの俊敏性を確保。また、運用環境に業界標準のフレームワークを利用できるので、運用の複雑さの解消とコスト削減を実現する。
「Visual COBOLを利用することとで、.NetからJVM、クラウド、モバイルまで、まったく同じCOBOLアプリケーションをシームレスに展開することが可能になります。これにより、これまでになかった開発と運用が可能になります」(小林氏)
COBOLアプリケーション開発は、1970年代を中心としたメインフレームによる開発から1980年代後半以降のクライアント/サーバー環境での開発、1990年代のインターネット対応、そして2000年代のコンポジット/サービスベース開発へと進化してきた。
小林氏は、「これだけテクノロジーが進化しているのに、50年以上にわたりCOBOLが利用され続けてきたのは特筆すべきことです。COBOLは、企業活動の心臓部ともいえる基幹システムを記述する言語として幅広く導入されているのです」と話す。
この50年に及ぶCOBOLの進化は、ITモダナイゼーションの歴史ともいえる。小林氏は、COBOLロジックを活用したITモダナイゼーションを、架空の損害保険会社の自動車保険アプリケーションを使いデモンストレーションを行った。
デモでは、まず1980年代を想定したメインフレームで稼働するオンライン代理店システムを紹介。グリーンスクリーン上で自動車保険アプリケーションを操作して見せた。次に1990年代を想定してUNIX環境で稼働するクライアント/サーバー・アプリケーションにマイグレーションした。
また2000年代を想定して、J2EEベースのシステムと連携させ、ブラウザ上で自動車保険アプリケーションを操作。小林氏は、「この三つのアプリケーションは動作環境は別々ですが、すべて同じCOBOLアプリケーションを利用しています」と話す。
さらに2011年を想定したデモでは、Micro Focusによるテクノロジープレビュー版のAndroid JVM向けCOBOLランタイムを利用することで、同じ自動車保険アプリケーションを、AndroidベースのタブレットPC上に移植して動かしてみせた。
「Visual COBOLを中心としたマイクロフォーカスのテクノロジーを活用することで、IT環境の進化に関わらず、COBOL資産を有効に活用し続けることが可能になります」(小林氏)


「クラウドやITコンシューマライゼーションの波が来ているという時代背景もあり、ITを活用した働き方も大きく変化しはじめています」と話すのは、日本マイクロソフトのデベロッパー&プラットフォーム統括本部 パートナー&クラウド推進本部 エバンジェリストである佐藤直樹氏だ。
「システムとデータの安全を確保しながら、いつでも、どこからでもアクセスできる環境を実現し、利用者の感情をくすぐり、生産性を向上させる努力をすることで、合理的な運用と競争に打ち勝つ優位性を実現する。これがフレキシブル ワークスタイルです」と佐藤氏は言う。
このフレキシブル ワークスタイルでは、社内のPCは統合されたシステム管理で、自分のデバイスはクラウド経由のデバイス管理で、スマートフォンはVDI(Virtual Desktop Infrastructure)のための最適な仮想化基盤でと、ワークスタイルに合った柔軟性をITで支援することが必要となる。
佐藤氏は、「社内のPCを社外からシンプルに活用するための技術は既に存在しています。現在は、業務アプリをいかにクラウド化するかに注目が集まっています。そこで重要になるのが、スマートフォンであるWindows PhoneとクラウドサービスであるWindows Azureです」と話す。
さらに佐藤氏は、ライブ・タイルやハブ/パノラマUIなどの真の使いやすさ、心地よさを追求した「メトロ・デザイン」と高性能なInternet Explorer 9およびOffice 365との連携による快適さで、いつでも、どこからでもアクセスを可能にするWindows Phoneの機能をデモにより紹介した。
Windows Azureは、PaaS(Platform as a Service)由来のクラウドプラットフォームだ。ユーザーが開発した様々なアプリケーションを、Windows Azure上で稼働させられる。北米、欧州、アジアの3地域/6カ所にデータセンターを持ち、日本を含む24カ所にエッジサーバーが設置されている。
「クラウドサービスの基盤整備に23億ドルを投資しており、1カ月に1万台規模でサーバーを増設しています。サーバーは、ISO27001やSAS70を取得したセキュアなインフラであり、現在は第三世代(コンテナ型)から第四世代(モジュラー型)データセンターへの移行を推進しています」(佐藤氏)
また、リクエストに応じて自由に増減できる仮想マシンと、高い可用性と拡張性を実現した分散ストレージシステムにより、小規模から大規模まで、利用状況に応じて柔軟に伸縮自在なクラウドサービスを提供している。
さらに、一般的にPaaSはカスタマイズできないものが多いが、ミドルウエアおよびランタイム環境をカスタマイズできるのが、Windows Azureの特長の一つ。この特長を生かし、ランタイム層にVisual COBOLを搭載することで、Windows Azure上でCOBOLアプリケーションを動作させることも可能になる。
デモでは、前のセッションで紹介された自動車保険のCOBOLアプリケーションがWindows Azure上のWebサービスとして動作するシナリオが紹介された。「Windows Azure上にVisual COBOLというポータビリティ層を設けることで、COBOLとクラウドの架け橋となります。既存のCOBOL資産をWindows Azureで活用することで、フレキシブルワークスタイルへとつなぐことができるのです」と佐藤氏は語る。


「メインフレームをオープン化する価値は、メインフレームの維持コストの削減やベンダー依存からの脱却、仮想化などの新しい技術の活用、そしてクラウドを有効活用したオープンな拡張性などです。一方、課題は、システムの堅牢性や性能をいかに担保するか、そして既存の資産をいかに有効活用するかということです」。COBOLフォーラム2011で、レッドハットのJBoss事業本部 事業部長である岡下浩明氏は、こう語った。既存のCOBOL資産をオープン化する選択肢として、これまではUNIXやWindows環境が一般的だったが、現在では、Red Hat Enterprise LinuxとJBoss、そしてMicro Focusのテクノロジーの組み合わせという新たな選択肢が加わっている。
しかし、オープンソースソフトウエアで本当にミッションクリティカルなシステムを運用できるのかという疑問と不安が持ち上がる。岡下氏は、「我々が伝えたいことの“その1”は、“選ばれたオープンソースソフトウエアは、ミッションクリティカルなシステムに適用可能である”ということです」と話す。
現在、世界22カ国、26の証券取引所がRed Hatのテクノロジーをミッションクリティカルなシステムに採用した実績がある。これにより、全世界の金融取引の50%以上がRed Hatのテクノロジー上で稼働していることになるという。例えば、NYSE Euronextでは、異種混在環境だったミドルウエア環境をJBossで集約することで、パフォーマンスや開発効率、柔軟性、信頼性、そしてサポート力を向上し、ミドルウエア基盤のガバナンスを確立した。また日産自動車では、複雑化したOSおよびミドルウエア環境をRed Hat Enterprise LinuxとJBossで刷新。大幅なコスト削減を実現している。
「我々が伝えたいことの“その2”は、“低コストにとどまらないビジネスの価値と選択の自由”です」と岡下氏。Forrester Researchの調査では、Red Hat Enterprise LinuxとJBossへの移行で63%の投資対効果があり、運用コストが200万ドル削減できると報告されている。同じく、IDCの調査では、39%の開発期間の短縮、51%の開発案件の増加という効果が報告されている。オープンソースソフトウエアの採用が「攻めのIT」というビジネスの価値を生み出している証拠だ。
さらに岡下氏は、「我々の伝えたいことの“その3”は、“Red Hat Enterprise LinuxとJBoss、そしてMicro Focus製品で築くOpenへのロードマップ”です」と話す。既存のCOBOLアプリケーションをMicro Focus Enterprise Serverを経由して、JBossアプリケーションサーバーと連携し、Micro Focus Visual COBOLで作成したアプリケーションから利用することでモダナイゼーションを実現できる。
またCOBOLアプリケーションのモダナイゼーションの一環として、スケールアウトによる拡張性やリッチWebアプリケーション構築による操作性の向上のためのソリューションを提供。さらにCOBOLアプリケーションのSOA(サービス指向アーキテクチャー)統合やBPM(ビジネスプロセス管理)およびリアルタイム連携のための仕組みも提供している。
岡下氏は、「我々は、Red Hat Enterprise LinuxとJBoss、Micro Focus製品との組み合わせにより、SOAやBPM、リアルタイム連携の実現に向けたOpenへのロードマップを提供することで、今後もCOBOLモダナイゼーションを強力に支援していきます」と話している。


今日のITインフラが抱える課題として、ITコストの70%が保守運用に費やされていること、CPUの85%がアイドル状態で効率的でないこと、必要なリソースを迅速に提供できないこと、情報爆発とストレージ容量の増加、膨大なデータからの知見の獲得、ビジネス継続性の確保などが挙げられる。こうした課題の解決策の一つとして注目されているのが「クラウド」である。
またJavaやXML、SOAなどを利用した、特性の異なるトランザクションを伴うアプリケーションが拡大しているが、多様なアプリケーションに対応し、持続的な成長を実現するための汎用的な機能と特定向けの機能の両方が必要となる。そこで重要となるのが「インテグレーション」であり、ワークロードを最適化するための「Optimized Systems」が有効な解決策となる。
さらに現在では、毎日15ペタバイトの新たな情報が生成されており、その8倍以上の情報量が保存される情報爆発に直面している。そこで、限られた予算で情報爆発に対処し、情報活用を促進する「ビッグデータへの対応」も求められている。日本アイ・ビー・エム 移行総合技術センター ITスペシャリストの飯村一雄氏は、次のように語る。
「ITインフラが抱える課題を解決し、今後10年を見据えたITインフラを実現するために、IBMが提唱するビジョンが“Smarter Computing”です。クラウド、Optimized Systems、ビッグデータという三つのストラテジーにより、新しいサービスの迅速な提供やワークロードの最適化によるコスト削減、意思決定のための知見や洞察を実現することが可能になります」
ある金融機関では、このSmarter Computingのビジョンに基づいて、適用業務を4種類のワークロードに分類し、最適かつ最小台数のプラットフォームに移行した。これにより、109台のサーバーを14台に集約し、5年間のTCO(総保有コスト)を51%削減。またクラウドを導入した企業では、導入前に数カ月必要だったシステム導入を十数日に短縮し、サービス提供までのリードタイムを1週間から1日に低減させている。
ITインフラを構築するためのプラットフォームを実現する場合には、大量のサーバーと高可用性ソフトウエアを組み合わせる「スケールアウト型サーバー」と、信頼性の高いサーバーと仮想化技術を組み合わせる「スケールアップ型サーバー」という二つの選択肢がある。
「IBMはスケールアップ型サーバーによるサーバー統合をお勧めします。スケールアップ型サーバーで基幹システムを動かすメリットには、基幹システムが稼働するサーバーを一気通貫して高可用サーバーに統合できること、スパイク(急激な負荷)が来たときに全体的に能力アップが可能なこと、データベースをシングルイメージで構築できることなどがあります」と飯村氏は話す。
またIBMでは、他社システムからの移行支援プログラム「Migration Factory」を展開している。例えばミドルウエアの移行では、データベースやアプリケーションサーバー、運用管理ツールなど、同じ製品を利用してIBMプラットフォームに移行可能。COBOLやJavaなどの開発言語に関しても、OS独自の機能を利用していなければ、基本的にリコンパイルだけで移行できる。
「IBMプラットフォームとMicro Focus製品を組み合わせ、JavaとCOBOLを連携させた新旧の混在環境は、システムマイグレーションにおいて非常に重要なポイントとなります。既存のCOBOL資産を有効に活用することで、システム開発から運用・管理に関わるコストを大幅に削減することができるのです」(飯村氏)

URL http://www.microfocus.co.jp/
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