建物を3次元モデルによって設計するBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を全社的に導入している前田建設工業では,施主へのプレゼンテーションや出張先,工事現場などオフィスの外でもBIMソフトを活用する機会が増えている。同社建築設計第1部BIM推進グループチーム長の綱川隆司氏に,日本ヒューレット・パッカードのモバイルワークステーション「HP EliteBook 8460w」の使い勝手を聞く。
BIMソフトをモバイル環境で使う
約10年前から3次元設計を導入している前田建設工業は,2009年から専門技術陣を組織化しBIMの活用に取り組んでいる。施主へのプレゼンテーションや工事現場での打ち合わせ,出張先での設計など,オフィスを離れてBIMソフトを使うことも増えてきた。
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オフィス外でBIMソフトを使うためには,高性能のCPUやモバイルグラフィックス,大容量のメモリーなどのスペックが求められる。そのため,同社では毎年,最もハイエンドなマシンを導入している。客先でのプレゼンで,美しいCGがスムーズに見せられるかどうかで,評価も変わり,受注にも影響する。そのため,最高性能のモバイルワークステーションが欠かせないのだ。
「以前はBIMソフトで作ったアニメーション動画を見せることが主流でしたが,一昨年ごろからモバイルワークステーションの性能が上がってきたため,リアルタイムに建物内外を仮想的に動き回ってみせるウォークスルーや,施主との打ち合わせの最中にドアや窓,材質を変えるなどの設計変更を行うことも多くなりました」と前田建設工業建築設計第1部BIM推進グループチーム長の綱川隆司氏は語る。
また,移動の多い仕事のなか,出張中にコンペ応募用の作品を作ることさえ,珍しくないという。
ミッドレンジのデスクトップ機のような使用感
日本ヒューレット・パッカードのモバイルワークステーション「HP EliteBook 8460w」は,こうした出先でのBIMソフト使用に最適なマシンだ。インテルCore i7プロセッサーや最大8GBのメモリー,そして日本AMDの高性能モバイルグラフィックス「AMD FirePro M3900」などを搭載。出先でのBIMによる営業活動や設計業務をスムーズに行える。
「当社で意匠設計用BIMソフトとして導入している『ArchiCAD』をインストールして使ってみました。ウォークスルーや設計変更も,軽快に行えます。モバイルグラフィックスには1GBのビデオメモリーが搭載してあり,デスクトップ型ワークステーションでいうとミッドレンジ程度の性能を感じます。作業にストレスを感じません」(綱川氏)
ArchiCADでウォークスルーをするときには「3Dウィンドウ」という画面を立ち上げる必要がある。前機種の8440wでは14秒かかっていたのが,最新機種の8460wは10秒に短縮されたという。
「プレゼンの場ではお客さまに1秒でも待たせたくないので助かります。大型のタッチパッドや,キーボードの打ちやすさ,電源やポート類の配置も適切で,隠れたところにも使いやすさへの配慮がされています」(綱川氏)。
高性能化が図られたにもかかわらず,価格は以前よりもずっと安くなっている。CPUやメモリー容量にもよるが,10万円台前半でこのようなハイスペックのマシンが手に入るのだ。5年前の最新機種は30万円以上するのが常識だったが,性能が大幅に向上し,価格は半減したというわけだ。
東京・名古屋間往復でも持ちこたえたバッテリー
オフィス外に持ち出すことの多いモバイルワークステーションは,手軽に持ち運んで作業できる機動力が必要だ。「HP EliteBook 8460w」は14インチの液晶パネルを備えながら,重さ約2.2kgと軽量だ。高スペックのマシンながら,付属のバッテリーで3時間程度はもつ。綱川氏は新幹線で東京と名古屋を往復する出張の際,あえて内蔵バッテリーだけで作業してみたが大丈夫だったという。
「私の業務スタイルの場合,出先でプレゼンを行い,打ち合わせするために,バッテリーが2時間ももてば大丈夫です。カバンに入れて持ち運ぶマシンとしては,性能,大きさ,重さのベストバランスを持った機種と言えるでしょう。筐体(きょうたい)もしっかりしており,メタルのヘアライン仕上げにも高級感があります。このほか,USBポートや電源コネクターが接続を確認しやすい側面に付いているなど,インターフェースの配置も使いやすくできています」と綱川氏は語る。
また,モバイルで使用するとなるとセキュリティーの面も心配だ。この点について綱川氏の答えは明快だ。「ハードディスクには,付属のソフトで暗号化が施してある。また,モバイルワークステーション自体にも指紋認証機能が付いている。この両方の対策によって,万一,マシンを紛失したとしても心配はありません」(綱川氏)
最大3画面に対応,オフィスでの活用にも便利
「HP EliteBook 8460w」には別売りで「ドッキングステーション」が用意されている。オフィスに帰ってきたとき,このドッキングステーションに接続すると,本体のモニター画面のほかに外付けで2つのモニターを追加できる。さらに,USBキーボードやマウスを接続することにより,デスクトップ機と同様の操作性で使うことが可能だ。
複数のモニターを接続するとき,モニターの並び方によって画面を分割表示したり,独立した画面として表示したりという設定が必要だが,日本AMDのドライバーソフトを使うことにより,目の前のモニター配置と設定画面を見比べながら,だれでも簡単に設定が行える。
最後に綱川氏は「私は『HP EliteBook 8460w』をサブマシンとして使っていますが,オフィスで使うこともできるでしょう。外にいる時間が長い意匠設計のBIMユーザーには,おすすめのマシンだと思います」と話を締めくくった。

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