おとなの授業参観
人間中心デザインを包括的に学ぶ
公立大学が試みる夜間開校、社会人向け大学院
第7回 産業技術大学院大学
同大学では、専門的知識と体系化されたスキルやノウハウの修得を目的として社会人に広く門戸を開いている。東京都が設立した公立大学のため学費も抑えられている。例えば2月から講義が行われる「人間中心デザイン(製品デザイン編)」(全16回)の受講料は、約3万円で、受講者選考手数料を合わせても4万円ほどで受講できる。
今回は、最近注目されつつある「人間中心デザイン」講座の1コマを取材した。
最近、ウェブサイトデザインで採用する企業が増加
受講生の人気も急上昇中の講座、「人間中心デザイン」とは?
人間中心デザインは社会人向けに開かれている履修証明プログラム対応*の講座。今年で3回目の開催となる。毎回、受講希望者が多く、定員30人の枠は募集開始からすぐに埋まってしまうほどの人気講座である。
*履修証明プログラムとは社会人(社会人学生を除く)を対象とした120時間以上の一定のまとまりのある学習プログラムのこと。大学側が指定する修了要件を満たした場合、学校教育法に基づく履修証明書が交付される

人間中心デザインとは、企業や技術の視点ではなく実際に生活する人の立場で真に欲する商品やサービスを開発することを指す。装飾面と機能面を追究した、スタイリッシュで誰にでも使いやすいデザインとはどのようなものかという視点を常に持ち、「使う人に合わせてデザインを行うアプローチ」をしていくというもの。最近では、人間中心デザインに対する関心が高まりつつあり、この要素を取り入れたウェブデザインを採用する企業も増えてきている。
産業技術大学院大学では、人間中心デザインのための発想法からコンセプトデザイン手法、コンセプトを検証する方法やユーザビリティテスト評価法までの一貫した内容を体系的に学ぶことができる。プログラムは「人間中心デザインI(基礎編)」「人間中心デザインII(デザイン編)」、「人間中心デザインIII(製品デザイン編)」の3つで構成されており、それぞれ各分野の第一人者が講師を務めるため、実践的かつ最新の内容を学べるのが特長だ。
平日夜間と土曜日に開講されており、受講生のほとんどが社会人である。今回は平日の5限目(18:30〜20:00)に行われた「情報アーキテクチャ論3」を取材した。
ウェブサイトデザインにおいて
重要な技術として確立しつつある情報アーキテクチャとは
講義開始直前には、30人ほど入る教室がほぼ満席となっていた。受講生は20代後半から30代半ばぐらいのビジネスパーソンが中心。講師はウェブサイト構築やユーザーエクスペリエンスデザインを手がける株式会社コンセントの代表で、インフォメーションアーキテクトの長谷川敦士氏だ。
全6回にわたるこの講座では、ウェブサイトを構築する上で欠かせない情報アーキテクチャを学ぶ。情報アーキテクチャとはウェブサイト全体の設計図であり方針・方向性を決めるものである。いかに「情報をわかりやすく伝え」「受け手が情報を探しやすくする」ために設計できるかが要となり、人間中心デザインの考え方にもつながってくる。ここでは、その役割や考え方を理解し、基本的な設計プロセスとその技法に対する知識を習得することを目的としている。
第1回目の「情報アーキテクチャ」で歴史的な背景と基本的な考え方を理解し、回を重ねるにつれ設計手法や技法、情報アーキテクチャのあり方などを学んでいき、最終回では実務を想定したワークショップ及び議論を行うことになっている。
取材したのは第3回目の「情報アーキテクチャ設計演習」。ウェブサイト構築時の裏側にある抽象的なルールについてスライドを活用し、時には自社の例を取り上げながらわかりやすく説明していく。ここでは、講義内容の概略を3つのポイントにわけて一緒に見て行くこととしよう。






