2010年組み込み分野に参入したリンクスは、1台のPC上でWindowsなどの汎用OSとリアルタイムOSを並列稼働させる「Real-Time Hypervisor(RTH)」の国内での販売を開始した。開発元のドイツReal-Time Systems社との強固なパートナーシップのもと、事業を進めるリンクス代表取締役の村上慶氏に、RTHの特長や2012年の展望などについて聞いた。

——事業の概要を教えてください。
村上 1990年に創業し、97年に画像処理分野に参入、半導体製造装置などに使われるドイツMVTec社製画像処理ソフトウエア・ライブラリ「HALCON」の国内総代理店になりました。2005年からは画像処理に特化して、事業を進めてきましたが、2010年には組み込み分野に参入、x86マルチコア・プロセッサ上で複数OSを動作させる「Real-Time Hypervisor(RTH)」を提供するドイツのReal-Time Systems社の国内総代理店になりました。
——組み込み分野に参入した理由は?
村上 我々が画像処理分野に参入した90年代は、急速なIntel CPUのクロックアップにより、今まで専用チップが当たり前だった画像処理装置がPCベースに大きく移行したタイミングでした。現在となっては半導体製造装置やオートメーションでPCが画像処理に用いられるのは当たり前ですが、当時は嫌う意見もたくさんありました。そして20年が経過した今では、Intelチップはクロックアップではなくマルチコア化が進んでいます。そこで、PLCやモーションといったいまだ専用チップが用いられる領域までPC一台に集約することで、産業用装置やオートメーションにコスト削減と付加価値を提供できると考えました。
——RTHとはどのようなものなのでしょうか。
村上 Windowsのような汎用OSとVxWorksやT-Kernel(TRON)といったリアルタイムOSを同じPCの各CPUコアで並列稼働させるソフトウエアです。パーティショニング技術と呼んでいます。高速リアルタイム制御を行うリアルタイムOSと、クラウドとの連携、データベースアクセス、GUIなどを担うWindowsを、1台の制御用PCの中で連携動作させることができ、リアルタイムOSとWindowsの双方のOSのメリットを活かした高性能かつ高機能な組み込みシステムの構築が可能となります。
——RTHの国内での販売に向けて、どんな取り組みをしているのでしょうか。
村上 10月にはReal-Time Systems社CEOのGerd Lammers氏が来日し、「FAイノベーション」セミナーで、一緒に講演をしました(写真)。ドイツではPCコントローラが産業用装置や工業用ロボットなどの大手企業をはじめ、すでに広く使われています。
——最後に2012年の抱負をお聞かせください。
村上 装置に付加価値を付けようとすれば処理の演算能力が求められるため、国内でも少しずつPCコントローラの考え方が定着しつつあります。欧州では10年ほど前から普及したこの技術(文化)は、2012年にいよいよ日本国内でも大きく展開するのではと期待しています。そのための普及活動に全力を尽くします。
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