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2018.02.05
予防とは、気持ち良く生きるためのもの
血圧や血糖の変動を常に意識 第4回

佐賀大学医学部内科学講座主任教授 野出 孝一 氏
取材:21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也 構成:同取材班 但本結子

病気の予防というと、あれをしてはいけない、これをしなければならないなど面倒なことが多く、自分だけではなかなかできないと思いがちだが、佐賀大学医学部内科学講座主任教授の野出孝一氏は、「予防とは、快適に生きるためのもの」と説く。その快適に生きることの障害となる心不全の予防は、早ければ早いほど効果的であり、血圧や血糖の変化を意識し、少しでも異常を感じれば治療することだという。

連載4回の最終回は、私たちはどうすれば予防できるのかについて、野出氏にお話を伺った。

野出 孝一氏
野出 孝一(ので こういち)氏
1961年生まれ。1988年 佐賀医科大学卒業。1997年 大阪大学大学院修了。同年、ハーバード大学循環器科博士研究員。2002年 大阪大学第一内科講師。同年、 佐賀大学医学部循環器内科教授。2008年 佐賀大学医学部附属病院長特別補佐・地域連携室長・ハートセンター長。2014年 佐賀大学医学部心不全治療学教授。2015年 佐賀大学医学部附属病院臨床研究センター長。2016年より現職。2017年佐賀大学先進心不全医療学教授
 
○主な学会活動
日本循環器学会理事・予防委員長・九州支部長 日本血管不全学会理事長 日本冠疾患学会理事 日本高血圧学会理事ほか

健康的な生活とコミュニティの充実
健康寿命に繋がる可能性も

前回、野出先生は循環器病において多職種、地域、さらには全てのステークホルダーが連携したモデルを佐賀県から発信したいと言われました。モデルケースとして考えられている具体的な地域はありますか。

野出 日本の平均的な地域というのは地方です。佐賀県で言えば、有田や伊万里、嬉野がそれにあたり、遠隔医療ももう少し小さい地域で取り組みたいところですが、そこでは社会資本の影響を強く受けます。

第2回で野出先生から伺ったソーシャル・キャピタルですね。

野出 はい。例えば、嬉野は九州でも有数の温泉街であり、女性の寿命はベスト10に入っていて、佐賀市とはまた異なるコミュニティを形成しています。室町時代から生産が始まったとされるお茶を飲んで温泉豆腐を食ベるなど、健康的な生活がベースにあり、さらに郷土愛が強いことが寿命にも関係しているのかもしれません。この嬉野がモデルケースになり得るのではないかと考えています。また、佐賀の北西に位置する観光地、唐津も地元愛が強く、コミュニティの持つ力が強いですね。

これも第2回で野出先生から伺った「人やコミュニティの絆が長寿に影響する」というお話に繋がります。遠隔医療を通じて、そのあたりも明らかになっていくことが期待されますね。

野出 はい。私が佐賀に赴任して16年が経ち、退任まで9年弱あります。これだけの時間があれば、遠隔医療と共に地域医療や連携のあり方についても、長いスパンで見ていくことができると考えています。